あいまいまいんの生物学

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2021年度名古屋大学入試問題 生物 所感

2/25、26は大学入試二次試験前期日程の日!

まだ東大や京大は生物の問題が出てきていませんが、現時点で出ている名古屋大学(名大)の問題を解きましたので、所感を書き留めたいと思います。

 

ちなみに問題や回答はここから見れます。

名古屋大学 前期 | 国公立大二次試験・私立大入試 解答速報 | 大学入試解答速報 | 大学受験の予備校・塾 河合塾

 

概要

大問数は例年通り4題。

問題文の分量は例年並みですかね。

例年よりも、考察力を問いたいという意図の出題を軸に据えている気がします。とはいえ考察問題が極端に難しいというわけではないのですが……

リード文や実験状況を正しく落ち着いて読み取ることができれば答えが導ける問題で構成されていると思います。

例年だと、「これ本当に答え出るか?一意に決まるか?」と微妙な気持ちになる問題が時々あるのですが(これ事象丸暗記してないとここに提示してある実験からだけでは導けないのでは?みたいな気持ちになるのとか)

今年はきれいさっぱり解けました!すっきり。

 

題材も、全てではありませんが面白いものも取り上げていて、個人的には楽しい気持ちになりました!

真新しい題材でも、理解しやすい説明がなされていていいですね。

一部でアクセントとなる難易度高め問題がいい感じの配置で入れられているのもポイント高い(大問1の3遺伝子ハーディ・ワインベルグ、大問4の遺伝子マッピングなど)。

 

名大といえば単純な穴埋め問題(語彙知識を問うもの)がかなり多いイメージがあるのですが、今年は少なめでした。この方がすっきりしてていいと思う。

論述問題数は昨年とほぼ変わらないですが、昨年度はかなりベースの知識を必要としたのに対し、

今年の論述は実験をちゃんと読み解けていれば解釈・回答ができそうな良問になっているように感じます。

また、実験デザイン系の問題が名大では毎年出題されていますが、今年は多め(3問)です。

 

一番の驚きポイントは、昨年消え去った遺伝の問題があっさり復活し、しかも大問1と大問4の二つでメインに据えるという大きな扱い方をされていたところですね。

名大はやはり遺伝の対策が必須ですね……。

難易度は総合的に見て昨年度並みか、ちょっとだけ難化?難易度はかなり安定してるんじゃないかなって思います。考察系や処理系が苦手だと厳しいかも。

 

各大問ごとの所感

問題Ⅰ 血液型(遺伝、ハーディ・ワインベルグ、酵素反応)

難易度は並ですね。入り口感溢れるほど良い難易度の問題が最初に配置されているなという印象。

血液型の遺伝子やその周辺の酵素がメインです。

 

基本は典型的な遺伝の問題ですが(家系図など)、

三遺伝子のハーディ・ワインベルグ計算や、酵素反応グラフについてちょっと捻った聞き方をするなど、「丸暗記をしているだけか否か」をチェックするような問題が見受けられます。

まぁ、自分が出題者でもそれは突きたい所だよな。

 

〔文1〕血液型を決める遺伝子と酵素

リード文はよく見る文章ですね。なんなら授業でやるのでは?めちゃくちゃ普通の血液型の話です。

(1)は難易度0の基本問題。

(2)は血液型を規定する三遺伝子について、ハーディ・ワインベルグ計算を行う(ただし使用するパーツが決まっている)もの。

難しくはないんですが、初見で焦るとできないかもしれません。

特にハーディ・ワインベルグの計算の仕方を覚えていない丸暗記型のタイプには厳しいですな。導出方法をちゃんと覚えていれば、なんてことはない。ただの数式遊びだよ!でもそういうのが皆できないんだよなぁ……。

 

〔文2〕酵素E変異による免疫不全の遺伝

リン酸化酵素である酵素Eの遺伝子が変異すると免疫不全になる、というリード文からスタート。

(3)は家系図を見て優性劣性や性染色体・常染色体を答えるもの。なんですが、ここで「顕性、潜性」を表に出していることにちょっと感動!こんな時代になってきた。

とはいえ問題自体は、単純・簡単です。

(4)はよく見る酵素のグラフです、が、縦軸が反応速度で、横軸は基質……ではなくATPなんですね。酵素Eはリン酸化酵素なので、ATPをひっ捕まえてリン酸を貰ってくるわけですが。

聞かれていること自体はよくある「なぜこのグラフでは横軸が大きくなっていくと反応速度が頭打ちになるのか」なんですが、ここ丸暗記受験生だと恐らく「全ての酵素酵素-基質複合体を作るため」という回答をするでしょう。

しかし今回の問題文では基質とATPは別物扱いをしているので、この回答ではいけないわけで……

これもやはり理解がないと正しく答えられない問題だと思われます。なかなか細かい問題だな。

(5)は競争的阻害剤があるときのグラフ。簡単簡単。典型よ!

 

問題Ⅱ 「植物ホルモン」

難易度は並か、ちょい難くらい?文1はただの知識問題なんですが、文2がかなり沢山の情報が与えられるので、そういうのを処理する人には難しいかな。

ただ、文2はリード文に書いてある情報を正しく読みとって、冷静に処理できれば実際は全然難しくないです。

受験で沢山の情報をどば!と与えられた時、どれだけ平常心でいられるかがポイントだろうな~。

 

〔文1〕馬鹿苗病菌の発見

馬鹿苗病菌の歴史みたいな話がリード文になってます。

(1)では、「馬鹿苗病菌が分泌する化学物質が異常伸長の原因」であることを導くための実験をデザインします。ほとんどヒントはあるので、空白を埋めるだけなのですが……

難しいものではないんですが、培養液のイメージ(培養液には菌と分泌物が入っている)がないと答えられないかな?ともちょっと思います。

そんなイメージは生物学の過去の実験(破傷風とか、タバコモザイクウイルスの実験とか?)を学んでいれば幾らでも着く気がするんですが。ちょっと実践的な問題だなって気がしました。

(2)はただのオーキシンと重力屈性の話。知識。

(3)も植物ホルモンの知識ですね。知識ばかりで易しいね。

 

〔文2〕ジベレリンとDELLAタンパク質による伸長制御

文2は実験フェーズなわけですが、ここで情報量が一気に増えるので冷静な整理・処理が必須です。

内容・実験は全く難しくないんですが処理数が単純に多いですな。

かなりリアルな実験イメージを与える文章だなぁとも感じました。

(4)は簡単な実験デザイン(結果まで入れる)。

このデザインは、人体のホルモンの所でインスリンの学習をしていれば思いつくんじゃないかという気がしました。Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病の違いを勉強するでしょ?

(5)はリード文や結果が正しく解釈できているかを試す論述ですね。

読み取れていれば普通に答えられます。読み取れていれば。

(6)、(7)は(5)ができていないと総倒れする連鎖問題でした。これ落とすと辛いなぁ。

 

問題Ⅲ 「細胞接着(密着結合)」

実験解釈問題に加え、馴染みがあまりない現象に関する生理的意義について考察させるなど、中々アクティブな問題でした。

こちらも第2問に引き続き情報量が多いです。

難易度は並または少々難かな。


〔文1〕小腸とカスパリー線

(1)で中学生レベルの単語を問われるので逆に戸惑っちゃいました。柔毛、根毛て!

中学校の知識を定着させておくのは大事ですね……。高校でわざわざやらないぞ?

(2)は細胞接着に関わるタンパク質の知識問題。難しくないですよ。

でも、ギャップ結合に関わるタンパク質って、コネキシン?コネクソン?どっちで答えればいいのかな?この問題文だと、どっちでもOKな気がするんですが。

チャネルだと言われたらコネクソンだけど……

(3)は実験デザイン問題に近く、「なぜこの方法でこの目的に沿う選別ができるのか?」という質問でした。ちなみに選別したいものは、カスパリー線を作るやつと作らないやつです。

前提を理解していれば難しいことはないのですが、類似の実験系を見る機会がそうそうないだろう特殊なケースなので、ちょっと発想が難しいかもしれません(が、前提をちゃんと読んで整理すれば分かるとも思う)。

解いてて私も「へ~なるほどね~そうやれば確かめられるじゃん、頭良いな」ってなりました。

(4)では、リード文で説明された、カスパリー線形成に関わるタンパク質の細胞膜上での配置について、生理的意義は何かを問うというものでした。

図2が大ヒントになっているので分かるといいんですけどね。図2があからさますぎてちょっと笑っちゃったよ。

とはいえ焦ってると気づかないだろうなぁ。発想できないと難しい。

この問題も「へぇ~、植物、賢いジャン」ってなる。

 

〔文2〕乳腺上皮組織での密着結合形成

ひたすら沢山の条件と実験と結果を処理する問題ですね。

放射性同位体を用いた実験なので、検出される=どういう現象が起こったと言えるか、を理解できないと解けません。

今回の名大、色んな物質や素材を使って、「これ使ってこうなるってことはどういう意味なん?君にこの意味分かるの?」って聞いてくるの多い気がするな。なんか新傾向的だな。

実際実験やるときはそういう考え方や発想は大事だからとてもいいんだけども……。

(5)は放射性同位体検出の意味が分かればなんてことはないっすね。

(6)は処理ゲーム。

ただし糖質コルチコイド=副腎のみ と思い込んでいると間違えるので、あくまで資料ベースで処理せねばあかんです。自分の知識だけで解いちゃだめよ!

(7)は(6)まで解けていれば間違えないっしょ。


問題Ⅳ 「遺伝(ちょっとだけ進化)」

マングローブキリフィッシュという雌雄同体生物(自家受精をする)を題材にした問題。

単純に面白い!良い題材を持ってきたなぁ!

とはいえ中身のほとんどは遺伝の問題ですので、特に連鎖について理解ができていれば解けるでしょう。

〔文1〕マングローブキリフィッシュの紹介、自家受精が続いた時のホモ接合体の割合

(1)は物凄く丁寧で優しい誘導ありきなので、慌てずやれば解けるでしょう。

もしできない場合は焦りすぎか、遺伝の基礎の基礎がぐらついているのです。

〔文2〕自家受精による4つの連鎖遺伝子の染色体地図作成、色素遺伝子マッピング

この問題が恐らく一番の山場!

この問題の概要としては、

  • 全ての遺伝子がホモ接合の系統Pと系統Qがいる
  • 系統Pと系統Q由来の対立遺伝子は見分けられる
  • PとQをかけて雑種F1を作る(全ての対立遺伝子がp型とq型でヘテロ
  • ある染色体上に連鎖するA~Dの4つの遺伝子について、F1の自家受精により得られた10個体を得て、A~Dまでがp型かq型かを見、遺伝子型を表1にまとめる

という感じ。

そんなわけで、表1には個体1~10について、各遺伝子についてpとqの遺伝子型がダーッと並んでいるわけですが……

これはもう表1の見方が分からないとまず手がつけられないですよね。

こういう表を書き出して、色々処理する系の類題は、稀ではありますがあるんですよね。例えば2016年の京都大学とか。それを経験していれば大丈夫?な気がします。

しかし未経験だとまず無理な気がするな。

(2)では表1を使って、各遺伝子間の組換え価を出し、染色体地図を作ります。

組換え価は二遺伝子間でしか出せないことを忘れていなければ、あとは表の見方が分かっていればできるはず。

※ 組換えが生じていない時の配偶子は、A~DについてPPPPまたはQQQQであるはず。組換えが生じている時の配偶子は、A~DについてPだけorQだけで揃っていない時だぜ!

(3)はA~Dの遺伝子をマーカーとして、色素遺伝子をマッピングするというもの。

マッピングはねぇ……授業とかでどれだけやるかなぁ……かなりリアルな実験ぽいのでそりゃ知ってほしいけれど、中々伝わらないよ?

マッピング、今度ブログで説明しよかな。

だから今回も正答率低いと思う。

マッピングについて知らなくてもできるかもしれないけど、大抵は戸惑ってできないんじゃないかな……。

 

〔文3〕マングローブキリフィッシュは自家受精しかしないのか?

この文章では、マングローブキリフィッシュが自家受精だけを繰り返していくと、皆ホモ化しちゃって困るんじゃない?

本当に自家受精しかしてないの?という疑問を提示し、それを解明するための実験を行います。

X地点とY地点という2地点で個体を捕獲し、対立遺伝子の構成を調べてみるんですね。

その結果を見て何が起こっているかを考えるもの。

これは普通に楽しいわ。

(4)は進化的な背景というか、何がどうなってこうなったか、みたいなストーリーがばっちり見えていてとても面白いです。

 

〔文4〕マングローブキリフィッシュの雄性両性生殖

最後の文では、結局マングローブキリフィッシュにおいては、雄個体がまれに発生すること

そしてもしかしたら雄と雌雄同体との間で受精するかもしれない という話に発展します。胸アツ!

(5)では雄性両性生殖をしているか否かを確かめる実験をデザインさせます。

単純だけどいい問題です。

こういう「誰かと誰かを受精させて白黒はっきりさせようぜ!」みたいな問題、割と好きですね。*1

(6)は、雄性両性生殖が自家受精のみ生殖や雌雄別個体間での生殖に比べて良い点を挙げるというただの論述です。

これは普段から有性生殖と無性生殖のメリットデメリットが分かっていれば応用して答えられるでしょう。

 

 

総評

今回の名大は楽しかった!良い問題だったのではないかと思います。

個人的には、特に問題Ⅳでテンションが爆上がりでした。

だってこれ……

線虫じゃね!?!?!?!?!?

私線虫でこのロジック使って実験してたわ!!!!!!!!!

って気持ちになったんだもん。

線虫は雌雄同体なんで、放っておくと勝手にホモ化していくんですよ。そうやって純系を作るのは基本です。

が、線虫を35℃とかの高温でしばらく放置してから常温で育てると、X染色体不分離が起こるせいで子供にオスが出現するんですよね。割とレアなんですけど。

で、オスを見分けるポイントは基本しっぽの先がかぎづめ型になっていることなわけです。本当は慣れると太さとか長さも違うなってなってくるんですが。

で、線虫で狙ってヘテロや変異遺伝子を持たせるために、オスを出して交配させたり……

そのF1を大事に育ててセレクションかけたり……

マーカー遺伝子を基準に変異遺伝子をマッピングしたり……

もうなつかしさが半端ない!!!!!!!!!!!!!!

線虫の研究楽しかったなぁ……とはいえ実際はずぶずぶの沼なのですが。

まぁ何が言いたいかというと、私が線虫の研究で使っていた手法やロジックが、問題Ⅳにはてんこもりだったわけです。生物としての生殖形態も似てるし。

そんなわけでテンション爆上がりで解いてしまいました。公平なジャッジではないかもしれませんが、普通に面白いので良しとしてほしい。

というか今気づいたけど、つまりこの程度の問題を全て線虫に置き換えて出題できるってことだな?お、これは作問できそう……。

 

ということで、名大生物所感でした。

次は東大京大を解くぞ~、あとマッピングの記事も書く!

 

*1:どこの問題だったかは忘れてしまいましたが、イネが通常自家受精するのに、開花前一定時期低温に晒されると交雑率が上がるということについて、品種Xと品種Y(どっちかが純ウルチ、もう一方が純モチ、ウルチが優性)を使って実験するぞみたいな問題があってですね。品種X栽培区から離れた所に品種Yを置くみたいなセットを二つ作って、一方の品種Yは低温処理して、もう一方は放っておいて、品種Yにできたもみを収穫して交雑率を算出するぞという流れで、その場合XとYどっちがウルチ・モチならいいかな?という問題がありました。それも良問だなぁと思いました。

M5StackでFS90Rモーターを動かしてみる

M5Stackで久々に何か作りたい欲がむくむくと出てきた。

私は本当に波があるので良くない。波が来るまでは全く触らなくなってしまうので……

前回触ったのは1年前くらいだろうか?と思っていたら、7ヶ月前くらいっぽい。めちゃくちゃだなぁ。

まぁでも気が向かないと何も作れないし何も取り組みもしないので……。自分の性格だから仕方ないなぁと諦めている。

 

今回やりたくなったこと

以前までは温度などの情報をとる媒体としてM5Stackを使っていたが、そろそろモーターを使って何かを動かしたいなという気持ちになってきた。

とはいえ以前一度やってみた時には、全然うまく行かなくて、なんやこれもういいやって放り出してしまったのであった。学ぶモチベが低かったというか……。

取り敢えず動いたからそれで満足して放置してしまったので、今回はちゃんと制御ができるようにしたいと思った。

それで最終的に、

「ボタンを押すとモーターが動いたり止まったりするやつ」を作ってみた後に

「光センサーを用いて、光が当たると動いて当たらないと止まるやつ」を作り、

それを「光走性で動く虫」か「運動野の神経細胞に光受容体を発現させられているせいで光が当たるとめちゃくちゃに動くマウス」を作ってみようと思った。

動機がいまいちよくわからないかもしれないが、まぁそういうことで……作りたいんだからしょうがない。

 

取り敢えず色々弄ってみる

取り敢えずまずは適当に触ってみようと思って、手元にあったFS90Rのコードや光センサー用のコードをぽちぽちして何かを作り上げた。

本当に雑に触っただけでかなり頭がよろしくないコードだが、こうすると光が当たった時にモーターが回転を始めることが分かった。

#include <M5Stack.h>

int led1 = 16;

//PWMの設定
const double PWM_Hz = 50;   //PWM周波数
const uint8_t PWM_level = 16; //PWM 16bit(0~65535)

void setup() {
  Serial.begin(115200);
  M5.begin();
  pinMode(led1, OUTPUT);
  //モータのPWMのチャンネル、周波数の設定
  ledcSetup((uint8_t)1, PWM_Hz, PWM_level);

  //モータのピンとチャンネルの設定
  ledcAttachPin(led1, 1);

  //disable the speak noise
  dacWrite(25, 0);
}

uint16_t analogRead_value = 0;
uint16_t digitalRead_value = 0;
void loop() {
  M5.update();

  M5.Lcd.setCursor(175, 80);
  M5.Lcd.setTextColor(BLACK);
  M5.Lcd.printf("%d\n", analogRead_value);
  M5.Lcd.setCursor(175, 100);
  M5.Lcd.printf("%d\n", digitalRead_value);
  analogRead_value = analogRead(36);
  digitalRead_value = digitalRead(26);

  M5.update();
  if(analogRead_value<1000){
    for(int i = 3000; i <= 4000; i+=50){ 
      ledcWrite(1, i);
      delay(100);     
      Serial.printf("%d\n", i);
    }    
  }else{
   for(int i = 0; i <= 10; i+=10){ 
      ledcWrite(1, i);
      delay(10);     
      Serial.printf("%d\n", i);
   }
  }
}

 

何が問題かというと、

  1. なんで回るかどれだけ回るかどうしたら止まるかetcが何も分かってない(大問題)
  2. コードのパーツの意味がほとんど分かってない
  3. ボタンを押した時の制御がうまくやりきれてない、特に画面表示の変え方がうまくできない
  4. そもそも待機状態の時を作ることができてない

などなど、問題だらけの継ぎ接ぎコードである。

ということでまずはモーターの勉強をしなければならないぞ。

 

FS90Rを勉強する

さくっと調べてみると以下のブログに当たった。

windvoice.hatenablog.jp

このブログによると、

動作としては、回る方向(時計回り、反時計回り)と速度をPWMを使って制御する

のだそうだ。PWMってなんだ。

 

PWMとは、Pulse Width Modulationの略で、パルス波のデューティー比を変化させて変調する変調方法なのだそうな。

ちなみに デューティー比 = パルス幅 / 周期 のこと。

今回のFS90Rのパルス幅は、データシートによると、

700~1500μ秒で時計回り、1500μ秒で停止、1500~2300μ秒で反時計回り となるのだそう。

よって、例えば周波数50Hz、16bit PWMにおいて停止させたいなら

周期(μsec)=1/50*10^6 = 2.0×10^4 より

デューティー比 = 1500μsec / (2.0 × 10^4) μsec = 0.075

16bitより 0.075×2^16 ≒ 4915 という感じに算出ができる。

 

プログラムにおいては

ledcSetup((uint8_t)1, PWM_Hz, PWM_level);

でHz(PWM_Hz)とbit(PWM_level)を、

ledcWrite(1, PWM);

でPWMを決めて指示を出す感じだと思えばいいっぽい?

 

実際PWMの値を4915にしてみると、こう……なんとも言えない速度で微妙に回転を続ける。

ので、周辺を探った結果、ledcWrite(1,4800);で止まることを見つけ出した!やったぜ。

回したいときにはPWMの値をパルス波700~2300μ秒になるように決めてやればええんやね。とはいえ今回みたいに微妙なズレはあるのだろうが。

 

結局色々弄り倒した結果、ボタンAを押している間か、光が当たっている間だけ動き続ける何かができた。

回転速度とか数とかは結局ストップ時以外あんまりいじれていない。

「コード全然違くね?」と思うかも知れないが、これは夫のテコ入れがある。でも頑張って理解したから使わせてくれよ。

#include <M5Stack.h>

int led1 = 16;
//PWMの設定
const double PWM_Hz = 50;   //PWM周波数
const uint8_t PWM_level = 16; //PWM 16bit(0~65535)

void setup() {
  Serial.begin(115200);
  M5.begin();
  pinMode(led1, OUTPUT);
  //モータのPWMのチャンネル、周波数の設定
  ledcSetup((uint8_t)1, PWM_Hz, PWM_level);
  //モータのピンとチャンネルの設定
  ledcAttachPin(led1, 1);

  //disable the speak noise
  dacWrite(25, 0);
}

uint16_t analogRead_value = 0;
uint16_t digitalRead_value = 0;

enum RunningMode {
  MOTOR_CLOCKWISE = 0,
  MOTOR_STOP = 1,
  MOTOR_ANTICLOCKWISE = 2
};

struct Context {
  RunningMode current_mode = MOTOR_STOP;
  RunningMode previous_mode = MOTOR_STOP;
  int motor_position = 0;
};

void control_motor_stop_mode(struct Context* ctx) {
  //とくに毎サイクルでやることなし
}

void control_motor_clockwise_mode(struct Context* ctx) {
  M5.Lcd.setCursor(0, 100);
  M5.Lcd.setTextSize(2);
  M5.Lcd.printf("Now i is : %4d\n", ctx->motor_position);
  Serial.printf("%d\n", ctx->motor_position);
  ledcWrite(1, ctx->motor_position);
  ctx->motor_position += 100;
}


struct Context context;

void loop() {
  // static void (*control_fn_ptr)(void) = &control_motor_stop_mode; 

  M5.update();
  
  analogRead_value = analogRead(36);
  digitalRead_value = digitalRead(26);
  
  if(M5.BtnA.isPressed()){
    // switch to MOTOR_CLOSEWISE
    // here is a transition procedure from "other mode" to "MOTOR_CLOCKWISE"
    if (context.previous_mode != MOTOR_CLOCKWISE) {
      context.previous_mode = context.current_mode;
      context.current_mode = MOTOR_CLOCKWISE;
      M5.Lcd.clear();
      M5.Lcd.setCursor(0, 50);
      M5.Lcd.setTextSize(2);
      M5.Lcd.printf("btnA waspressed");
    }
    control_motor_clockwise_mode(&context);
  }else if(analogRead_value<1000){
    if (context.previous_mode != MOTOR_CLOCKWISE) {
      context.previous_mode = context.current_mode;
      context.current_mode = MOTOR_CLOCKWISE;
      M5.Lcd.clear();
      M5.Lcd.setCursor(0, 50);
      M5.Lcd.setTextSize(2);
      M5.Lcd.printf("Light!!");
    }
    control_motor_clockwise_mode(&context);    
  }else{
    // switch to MOTOR_STOP
    // transition from previous mode to MOTOR_STOP
    if (context.previous_mode != MOTOR_STOP) {
      context.previous_mode = context.current_mode;
      context.current_mode = MOTOR_STOP;
      M5.Lcd.clear();
      M5.Lcd.setCursor(0, 0);
      M5.Lcd.setTextSize(2);
      M5.Lcd.printf("Now base status"); 

      context.motor_position = 4800;
      ledcWrite(1, context.motor_position); // stop motor
      Serial.printf("%d\n", context.motor_position);
    }
    control_motor_stop_mode(&context);
  }
  delay(100);
}

さて、これでiの値をとって観察することもできるようになったし、次は回転の制御をして「ばたばた」させたり「動き回」ったりするようなクリーチャーを生み出せばいいかな?

緊急停止ボタンも作りたいところだが。 

 

手元に赤外線センサもあるのでそれを使って、何かが接近してきたら逃げ出すやつとか作ってもいいな。それってゴキb

まいばいお28 チャボのなぞ

先日こんな記事を発見しました。

research-er.jp

 

この記事をざっと読むと、大雑把に

  • チャボは短脚のニワトリである
  • チャボ同士をかけると1/4の確率で孵化しない卵が出る
  • チャボではIHH(インディアンヘッジホッグ)遺伝子が壊れていて短脚であることが分かった(IHHは骨の伸長に関わるものである)
  • チャボではNHEJ1遺伝子が壊れていて1/4確率で孵化しないことが分かった(NHEJ1はDNA損傷修復に関わるものであり、NHEJ1が完全に駄目な雛では発生中のDNA損傷が蓄積されて死んでしまうと考えられる)

という感じの情報が得られます。

最初はへ~と思い、Twitterでもシェアしたりしたのですが、だんだんと疑問が浮かんできて納得いかない部分が出てきました。

結局調べて一応満足行く結論を得られたので、ここで報告してみようかな~と思った次第です。

 

 

何が疑問だったのか

まず、自分がこのプレスリリースを読んだだけで感じた疑問を挙げていきます。

① チャボはIHH遺伝子やNHEJ1遺伝子について、欠損と正常のヘテロ体ということでよろしいか?

「NHEJ1遺伝子が壊れているため、1/4で致死することが説明できる」とあることから、恐らく普段のチャボはヘテロで、欠損ホモになった時だけ死ぬのだろうとまず想像しました。しかしプレスリリースの中にはそれを明言する文章はありません。ヘテロなのかを知りたくなりました。

加えてIHHについても、欠損ホモがチャボなのかヘテロがチャボなのかが知りたいと思いました。どちらでも行けそうな気がしますが、IHHは骨の伸長を司る因子ですので、それが両方とも欠損している場合生きられるのか……?という素朴な疑問が浮かびました。

そんな時、IHHについてフォロワーの方一人から、興味深い情報が得られました。

 「チャボ同士でも1/4で正常な手足の長さのニワトリが生まれる」……ということは、IHH遺伝子についてもチャボはヘテロで持っている可能性が高いと考えることができるでしょう。そうした場合、正常/正常ならWT、正常/異常ならチャボ、という風に考えることができます。そこで思ったのが、「IHH異常ホモはどういう形態を示すのか?」ということでした。

② IHH異常ホモの場合致死ではないのか?これだけで1/4孵化しない話は説明できるのではないか?

IHHについてチャボが本当にヘテロである場合、チャボ同士の交配においては1/4の確率でIHH異常ホモが発生します。

IHHは骨の伸長に関わるものですから、これが破壊されているものがホモであれば、骨の伸長や形成に異常があり、死んでしまうのでは……。

だとすると、じゃあNHEJ1遺伝子の異常の話がなくてもIHH遺伝子の話だけで1/4致死は説明できちゃうんじゃないか?

チャボでNHEJ1遺伝子が異常なのは事実だとして、致死についてNHEJ1遺伝子を無理やり絡める必要はないのでは……?と思ったんですね。

そして出てくる最後の疑問。

③ もしIHH遺伝子の異常ホモ=死、NHEJ1遺伝子の異常ホモ=死という構図ならば、IHH遺伝子とNHEJ1遺伝子は「完全連鎖」でないと1/4致死の説明にならないのでは?

今回のプレスリリースでは、2つの遺伝子の関係性(独立・不完全連鎖・完全連鎖)については述べられていませんでしたが、もしチャボがIHH遺伝子ヘテロかつNHEJ1遺伝子ヘテロであると規定されるのであれば、この2つの遺伝子は「完全連鎖」の関係じゃないといろんな事象に説明がつかないのではないか?と思い始めました。

IHH遺伝子について正常をI、異常をiとします。

NHEJ1遺伝子については正常をN、異常をnとします。ただし今回、大文字小文字は優性劣性表現ではなく、便宜的に用います(異常ホモを探しやすくしたいだけなので……)。

この場合、チャボはIiNnで表現される遺伝子型の個体になるわけですが。

この2つの遺伝子が独立または不完全連鎖であった場合、チャボが作る配偶子の種類はIN, In, iN, in です。

こうすると、掛け合わせの結果表現型は [IN]:[In]:[iN]:[in]=9:3:3:1 になります。

ここで例えばIHH遺伝子異常ホモ=致死とした場合、4/16が死にます。

NHEJ1遺伝子異常ホモ=致死とした場合も、4/16が死にますね。

どちらか一方の遺伝子のみに致死性を求めるならいいのですが、もし両方ともに致死性が発生する場合、死ぬのは7/16になってしまいます。

チャボ同士の交配で1/4死ぬという話がおかしくなってきます。

「IHH遺伝子異常ホモでは死なない」と仮定したとしても、独立または不完全連鎖を想定すると、チャボはIINnとIiNnの二通り発生することになり、そうすれば自ずとチャボ同士の交配の結果が変わってきてしまいます。これは「1/4死ぬ現象が見受けられる」とか、「1/4野生型が見られる」ということの説明が困難になります。

よって、最もすっきりするのが、IHH遺伝子とNHEJ1遺伝子が完全連鎖である(しかも異常-異常と正常-正常という乗り方をしている)と考えることだと思われます。

そうすれば、チャボIiNnから出る配偶子の遺伝子型はINとinのみになり、

できる子供の遺伝子型比はIINN:IiNn:iinn=1:2:1、うまく収まるのです。

致死の個体の遺伝子については常にIHH遺伝子についてもNHEJ1遺伝子についても異常ホモになりますから、どっちに死因を求めても良くなります。

 

ということで、この考えたことが合っているのか調べてみよう、と思いました。

 

調査①チャボのIHH遺伝子破壊について

調べ始めてまず分かったことは、「チャボでIHH遺伝子が壊れていることは今回のプレスリリースより前の研究で知られていたらしいぞ?」ということでした。

以下の研究がそれに該当すると思われます。

www.nature.com

2016年に発表されているので、プレスリリースの研究で初めてIHH遺伝子がだめになっていることが分かったのではないようです。てっきり名大の研究で初めて分かったと思い込んでいたのに……。

この論文をざっと見ると、

  • チャボではIHH遺伝子がだめになっている
  • チャボはIHH遺伝子異常と正常のヘテロである
  • IHH遺伝子異常ホモは骨の形成が正常に行われないので死ぬのだろう

ということが述べられています。

やっぱりIHH遺伝子が駄目なだけで、形態だけでなく1/4致死まで説明がつくと思われていたようです。

 

調査②チャボのNHEJ1遺伝子破壊について

次にプレスリリースの元になった論文を参照してみました。

www.nature.com

するとまず、IHH遺伝子異常だけでなぜ1/4致死の説明ができないかについて述べてありました。

なんでも、IHH遺伝子異常ホモ胚は、骨形成が起こる前の段階で既に死んでいることが多いのだそう。なるほど、それなら確かにIHH遺伝子異常のせいで死ぬという話は難しくなります……。

ということで出してきたのが、NHEJ1遺伝子なんですね。

論文の中では、

  • IHH遺伝子とNHEJ1遺伝子は第7染色体において隣接する
  • IHH遺伝子とNHEJ1遺伝子がある領域についてがっつり欠損が生じている
  • チャボではIHH遺伝子についてもNHEJ1遺伝子についてもヘテロである

ということが導かれています。やはり、完全連鎖だったのだ!

IHH遺伝子およびNHEJ1遺伝子について異常ホモになった個体は、NHEJ1の機能がないせいで変異が蓄積し、骨形成前に死ぬのだと想像できます。とはいえNHEJ1はダイレクトに胚を殺すようなものでもないので、もしかしたら骨形成に行けるものもあるのかもしれません。骨形成まで行ったとしても、IHH遺伝子が駄目になっているので骨が伸びない。どのみち死んでしまうというのが、結論ぽいですね。

 

ということでまとめ

研究の具体的な中身を全然説明はしませんでしたが、論文を読んでもらえばそれは分かるので今回は私の疑問に関して答えをまとめます。

  • チャボはIHH遺伝子もNHEJ1遺伝子についても正常・異常のヘテロである
  • 2つの遺伝子は完全連鎖である
  • チャボ同士の交配結果1/4が死ぬのはIHH遺伝子もNHEJ1遺伝子も異常ホモ個体だからである
  • (ということは1/4で出る野生型は本当に何もないふつーの野生型なのだろう)

何気なくいつも読んでいるプレスリリースですが、やはり論文を読まないと駄目ですね……。

ていうかこれめっちゃ良い遺伝の問題になりそうだな。作問しようかな。

生物広報誌 冊子化計画④ FINAL

前までの記事はこちらから。

私が冊子化計画を思い立ってから発注するまでの日々(たった10日程度)の学び、心の機微等、変遷が書き留めてあります(んな大げさな……)。 

 

さて、前回(1/31)までに入稿が完了し、発注もかけてしまった私!

あとは冊子が届けば、「冊子化計画」自体は一応の終焉を迎えるわけです。まぁその後在庫を抱える等のアフターストリーはあり得ますが……「冊子化計画」は冊子にするまでのストーリーだからね。

 

ではそんな「冊子化計画」の終焉まで一緒にお付き合い下さいませ!!!!!!!

 

 

入稿翌日の12日目(2/1)

朝起きる。月曜日だ。出勤しなければ、と起きた瞬間そう思った。

初めての注文、初めての入稿で興奮冷めやらぬ気持ちも少々あったはずだが、「仕事だ」と思うとスッと冷め、淡々と通勤。割と心は冷静。

職場につき無心の労働。と思ったら、色々あって急に大量の仕事が舞い込み大変になってしまった。びっくりするほど大変になった。しかも自分の係ではなかったはずのことで……。

こんな急に忙しくなるんなら、事前に冊子作成作業終わらせておいて良かったなぁとしみじみ思ったり。もし今週までずれ込んでいたら、もはや冊子完成は一ヶ月後とかだったろう。

 

大量に降ってきた仕事をなるべくなぎ倒し、遅い時間にめちゃくちゃに疲れ果てて帰宅。ふと入稿した原稿が気になり、なんとなく開いて、QRコードのページを読み込んでみる。と。

あれ……???QRコードが読めないんですが……

なんと、入稿した原稿に貼ってあったQRコード(最終ページの、ブログやサイトへのリンク)が、全て不能になっていたのだ!!!!!!!!大変がっくし。

だから入念に入稿前に確認すべきだったのに……と思ったが、どうせ入稿を先延ばしにしてもこれは気づかなかっただろう。やはり校正してくれる人が必要……第三者目線がないと、誤りにそうそう気づけない。

差し替えについて調べてはみたものの、まぁ無理だろうなという感じだった。もう諦めるしかないのだ。

こうして一箇所異常が見つかると、他にも駄目な点があったのではないかと一気に不安になってくる。例えば表紙の解像度、これも不安である。ががばがばで、ぼやぼやだったりしないだろうか?中の漫画や文章にも不安が出る。切れてないか、読めない文字になってないか、文字化けしてないか、etc……無限に湧き出る疑念に対し、為す術もないので不安を抱えて眠る。なんてったって明日も仕事なのだ。寝なければ。天命を待つのみ……天よ頼む……。

 

失意の13日目(2/2)

相変わらず仕事をせねばならない。QRコードショックの余震を引き摺りつつ出勤。とはいえ仕事はやらねばならない。大量に降ってきた仕事をもりもり片付ける。

と、昼頃に栄光さんから「原稿確認したから作業に入るぜ!」というメールがくる。おぉ~、印刷作業がいよいよ始まる!ちょっと高鳴る心臓。

ドキドキしながらも全文読もうと、下の方にスクロール。すると、「この後料金確定したら決済してな!」という文を発見。同時に、やってしまった!と思って冷や汗がぶわっと出た。

というのも、自分は勝手が分からなかったので、入稿したらすぐ決済しなければならないものだと思いこんでいた。

そこで、注文詳細画面の右上にある決済のボタンを発見し、そこから手続きを既に終えてしまっていたのである!なぜ!!!

こうした場合、既に支払ったお金は宙を漂い無の扱いになってしまうのか?それともこのままで大丈夫なのか???

一気に不安になり、慌ててメールをしたところ、非常に丁寧な返事が返ってきた。お金は確認でき、金額変更がある場合はまた連絡するので手続きしてねということだそうだ。よかった、私の1万8千円が無にならなくて……。

それにしても、こんな調子で本当に大丈夫か?あまりにもミスが多すぎるというか、未確認事項が多すぎるというか。全部行き当たりばったりで、何も見えていないことをつくづく感じる。普段生徒には「全部書いてある!」とか「読めば分かる!」とか言ってるくせに、自分はできてないじゃないか!

こうなってくると、やはり表紙の解像度がぼやぼやだったり、中身の原稿がもう見るに耐えない状態になっているのではないだろうか……昨日抱えていた不安が更に大きくなる。でも物が届く予定日は2/13、まだ一週間以上も先にしかその答えは分からない。つまり、一週間以上も悩み続けなければならないのだ。そんなのは精神がもたない……。

忘れよう&割り切ろうと何度も思うが、そのたびに不安が湧いてくる。無限に出てくるアリンコを撃退しているかのようだ。またこの不安と夜を過ごさねばならない。不安と不甲斐なさとをぐるぐるさせた心を抱えて眠る。

 

購入者を把握していく14日目(2/3)

何かしていないと気が休まらないので、Twitterで「買ってくれる人は教えて下さい!」とアナウンスした。

すると、何人かの生徒や周囲の人が反応してくれ、申し出をしに来てくれた!昨日までの不安がちょっとかき消える嬉しさだ。自分の本を読みたいと思ってもらえるのは嬉しい。有料なのになぁ。ありがたいなぁ。

と、思ったより沢山の生徒にだんだん広がっていく中で、「皆にも通達したほうがいいですよ!」とアドバイスされたので、自分が担当していた子たち全員に「欲しければ教えてね~」の通知をする。

60部発注したが、既にこの日で60部を超えそうな勢いだったので、自分の発注数で間に合うのか不安になってくる。が、嬉しい悲鳴だ。

 

運命の15日目(2/4)

今日も出勤。通勤していると、栄光さんから「料金確定したよ~」という連絡がくる。もう入金したし大丈夫でしょう、と思いつつも開いてみると、

あれ……?前決済した金額より数百円低くなってる……???????

謎の数百円が引かれており、決済がされなければ云々……という文章が書いてある(一応触れておくがこの時点でも60部1万8000円を超えている)。予想外の出来事すぎて文章が目に入らないまま心臓がバクバクし始める。なんで……?どうすれば……?

慌ててまたメールをし、既に入金してしまったがどうすればいいかの指示を仰ぐ。

栄光さんからの返事はお昼には来ていた。それによると、この減額は「セルフチェック入稿」で安くなった分だったらしい。そんなことあるんか!全然知らないままにやってしまっていた(セルフチェック入稿は、デジタルデータで冊子型になったものが見れると書いてあったのでやったのだった)。それでも1万8000円は切らないのだけれど、もともとの金額に比べたら(2万超え)かなりお安くしてもらっている。すごい。

非常に丁寧な指示を頂いたため、すぐさま入金手続きを済ませた。いやぁ、栄光さんは安心できるなぁ……。

 

17時、仕事も終えてふとスマホを見ると、栄光さんからまた一件メールが来ている。

入金で失敗した?原稿に不備があった?などなど不安に駆り立てられながら急いでメールを開く。すると、

「商品発送作業しました。追跡番号はこれです」という、発送完了を知らせるメールだった。え、もう!?ってことはもう、本になっちゃってるってこと!?すごい!というか、入金したの今日の昼なんだけどな。

追跡番号も載せてくれていたので、いつくるのかな、予定日は2/13だったよな……と思いながら、ぼんやりと佐川急便のサイトで確認をしてみる。すると、お届け予定日の所には「2月4日」と書いてあった。そっか、2月4日ね、予定日関係なく早く送ってくれて嬉しいなぁ……明日かな?今日何日だっけ?

……いや今日じゃん‼‼‼‼‼‼‼

気づいた瞬間急激に跳ね上がる心拍。え!?今日届くの!?なんで!?

何度も発送の詳細を見るが、発送されたのは2/3で、2/4の今日にはもう地元まで来ている。しかも持ち出し中になっている。10:02に!!!!!!

今日手に入れば、木曜日なので、明日の金曜日に皆に配れるかもしれない!これは絶対に手に入れたい。何より不安でいっぱいなので早く開放されたい。どんどん心臓が高なっていく。

しかし、私は職場から家までめっちゃ遠い。間に合うか??????10:02持ち出しとなると、もう既に不在票コースではないのか。とはいえ詳細に何もないということは、まだ届けられていないということかもしれない。

そんなわけで、受け取れるのか、中身は大丈夫なのか、ともう心が穏やかじゃない。いろんな可能性を検討するフル回転の頭と、心此処にあらずの状態で、残りの仕事を急いで片付ける。

仕事を終えたと同時に猛ダッシュし、急いで帰宅。帰宅中でもずっとソワソワして落ち着かない。頭の中はずっと同じことの繰り返しである。受け取れるのか?もう届いてしまっているのか?冊子は変じゃないか?ぐるぐるもやもや……。

 

最寄り駅に到着してからもダッシュで家に向かう。やっとの思いで家に着き、ドキドキしながら郵便受けを見ると不在票がない!ということは、間に合ったかもしれない!でも、不在票がないだけで、今日はもう来ないのかもしれない!不在票の有無を確認すれば受け取れるか否かが確定すると思い込んでいたが、実際にはそんな風に確定はできず、より一層自分の中でぐるぐるが強まることになってしまった。なんてったって、今日届くことがそもそもあまり信じられないのだから……。

ところで自分は今日の夕飯に鶏つくねうどんを食べるつもりだった。昨日の時点でお肉等の材料も用意済みだったし、それを延期することはできない感じだった。つまり、このそぞろな気持ちを抱えて強制クッキングタイムである。

表紙の解像度……中身の漫画……文章のみやすさ……いろんな不安がぐるぐる回る頭で鶏つくねうどんを作る。

あまりにも気がそぞろなので鶏つくねが全て歪になり、お湯の量を完全に間違え、箸は気づいたら長さが違う二本を使っており。そんな心ここにあらずな状態でご飯を食べていると、唐突に「ぴんぽーん!」と音が!!!!!!!!!!!!!

 

届いた!!!!!!!!!!!!!

 

うわー!!!!!!!!!!!!!!!!!!

本になってる!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

すごい!!!!!!!!!!!!!!!!

 

心配だった解像度系の問題はなんとかなったっぽい。うわーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!本当に本にしてしまったことだよ。

マウスの線とかがちょっとギザギザしてしまったのは、最初作画する時点で解像度やdpiの知識が足りなかったせいな。次はしっかりしたいところ……!!!!!だとしても最初の作品にしては、満足の行く出来になった!!

 

第二刷はQRコードを差し替えますよ。

外部に送るやつはなるべく第二刷にしたいなぁ。

 

 

後日談

生徒に頒布を始めましたが、予想以上に多くの生徒から「欲しい」という申し出を貰って大変恐縮という感じです……!!!

しかも既に貰いに来てくれた子から、「vol 2は出ますか?出たら欲しいんですが……」とか、「面白かったです!」とか、「このクオリティでこの印刷代で済むのは凄い」とか、色々感想を貰って本当にありがたいです。

貰ってくれる生徒も、生物選択者だけでなく物理選択の子、文系の子、なんなら私が一度も担当すらしてない子までいて、これは本当に嬉しい限りですね……

あとvol 2の表紙を描きたいという立候補まで頂きました。是非描いてもらいたいと思います。というか自分の生徒の中でもし寄稿してもらえるなら、次回作はそれも含んだものにしたいなぁ。

 

また、教員は勿論ですが、遠方の本当に様々なバックグラウンドの方が取り寄せてくれるので、それも本当に教師冥利に尽きます。

ちょっと緊張もあるのですが……。

なんていうか、うまく言葉が見つからないのですが、本当にこんな温かい人々に囲まれて幸せだな……という感じです。ありがとうございます……!!!!!!

 

早速部数が足りなくなったので、昨日第二刷を発注致しました。注文して下さった人には全員お届けしますので、もうしばらくお待ちください……!!!!!!*1

*1:※ 今回の頒布作業は、管理職許可をとった上で、「利益を生まない事業」として実施しています!

本を読んでも知識が抜ける

身体が怠くて重くて辛い休日を送っている私です。

2日間のほぼ大半をベッドの上で過ごした。

なるべく寝ているけど中々良くなる兆しがありません……。

 

自分の場合、過度に疲れるとまずは呂律が回らなくなります。

人の名前や語彙等の想起に時間がかかるようになり、普通に喋ろうとしても言葉がうまく流れていきません。

末端神経感覚も鈍くなり、手先で感じる寒いとか熱いが減るというか、反応が鈍くなります。

そして、夢の数とディテールが格段に上昇します。普段からめちゃくちゃ夢を鮮明に見るタイプなのですが、それが更に数が増えるし解像度が上がる。

もっと酷いと寝床について目を瞑ったときから、頭の中に謎の思考?文字?がいっぱい流れてきて、五月蝿くて寝られなくなります。物凄く五月蝿い。音がするのではなくて、存在が五月蝿いというか……

あからさまに脳がおかしくなっているのを感じるので、頭ってちゃんとキャパあるんだな~とか、それを超えるとおかしくなるんだな~とかぼんやり思ったりしています。

 

さて、話は戻りましてここ二日間ずっと寝てばかりだったのですが

時々起きては本や雑誌(ナショナル・ジオグラフィック)を読んだり、さかなクンyoutubeを見たりしていました。

雑誌は特に面白く、自分がもともと知っていることに加えて、へぇ~ってなること、新しいことが多くありました。

……が、一回読んだだけだと、読み終わった時に、

すぐならばその面白ポイントや新たな知識は分かるのですが、時間が経つと完全に消えてしまうのです……

何が面白かったのかもわからなくなっちゃうし(よっぽど印象的ならそんなことないけれど

ヒントが完全に無になってしまうというか。

自分にとっておきたい知識だったのになぁ、となります。

これは、疲れた時はかなり発生する現象で、普段でも割と頻繁に生じます。

しかも、読んだ本自体忘れることもあるのです。

「忘れた」ことを自覚すると、途端に物凄い虚無感に襲われるというか。「あんなに面白いと思ったのに忘れるなんて……しかもこんなに綺麗さっぱり忘れるなんて、自分の脳はなんてキャパがないんだろう」とか「あまりにも低能なのではないか?」とがっくしきます。情けねえ……

この現象が、自分だけに起こってるんじゃないかとも思っています。周りの人は、案外本のことや中身についてよく覚えているようで、一度読んだだけでよく頭に入ったままになるなぁ……と驚いています。

 

一時期はかなりこの忘却構造に対して凹んでおり、自分は無能だと落ち込んでいましたが

これはもう自分の脳の構造の問題であって、しょうがないんじゃないかと思うようになりました。

だとしても、やはり面白い知識はとっておきたいわけで、どうしたらよいか考えて……

結果、自分的には、手間はかかるものの「Scrapboxかnotionに書く」「ブクログに読んだ本の記録と本の感想を書き留める」という方法で解決するようになりました。この方法でだいぶ定着します。要するに再想起と、目に見える形で抜き出して整理しておけばどうにかなるという感じです。

 

Scrapboxとnotionは非常に使いやすいオンラインサービスで、かつ自由度も割とあるので、よく使っています。通常の本……雑学本とか、ブルーバックスとかの場合はScrapbox、もうちょっと知識の体系を作りたい教科書などの場合は、notionで整理をしています。

書き留めることは基本的に、本の中で欲しい知識やアイデア。あと自分が考えたこと思ったことも書くことがあります。

また、検索することもかなりあるので、そのリンクも一緒に貼っておきます。有用そうな画像があれば、それも貼っておきます。

こういう整理の過程を通して、自分が得たかった知識が入ってくるし、

たとえ得られなかったとしても、後からぼんやりとでも「こんな知識を整理したような……」と、断片が思い出せるようになりました。

断片だけでも出てくれるのはありがたいです。迷子感がない。

何度も想起して確認する内に自分の頭に入りますし、

何よりScrapbox上などで整理した知識は正確度が高い(自分がなんとなく覚えているものは間違っていることがある)ので、助かっています。

ノートだと手で書くスピードやインク量に律速されるので、自分はタイピングのほうがいいか……とそれらのサービスを使うことにしました。

本等の記録の場合は、案外「最小限」を抜くよりも、がばっと大きく拾ってきたほうが大事だったりする気がします。無駄っぽい所が無駄じゃないというか。

 

あとはブクログですね。ブクログは、私が何を読んだかを想起するのに非常に役立ってくれました。ありがたい……。

しかも、本と本の中身を紐付けられるのが良いです。

「おすすめの本ないですか?」と聞かれた時に、「あの内容の本のタイトルはどれだっけ?」と思っても、それっぽいタイトルの本が沢山世にはあるので判別ができなかったりする。

でもブクログなら自分が読んだ本がピンポイントで分かるし、中身もそれぞれ自分が書いた感想で想起できるので、本当に良い本を薦められるようになりました。

もっと早くから使っていたかったなと思います。

 

まぁ、こんな悩みで困っている人はそうそういないのかもしれませんが、自分なりの解決法の紹介でした。

ちなみに、昨日今日で読んだ雑誌の中身はまだまとめていません。10箇所もないくらいだし、今からサクッと抜きたいところ。

2021年度大学入試共通テスト追試 生物 所感

追試終わりましたね!

全国の受験生の皆さんお疲れ様でした。

 

本試の所感はこちら

i-my-mine.hatenablog.com

 

第二日程も、既に問題が掲載されています。仕事が速い! 

2021年度 大学入学共通テスト速報 第2日程(1月30日・31日) | 大学入試解答速報 | 大学受験の予備校・塾 河合塾

 

早速生物基礎・生物を解いてみました。

問題と答えはこちらからどうぞ。

生物基礎 問題

生物基礎 解答

生物 問題

生物 解答

 

生物基礎

今回はゆるゆると解いたので時間はかかっていませんが、大体第一日程と同じくらいで解けたと思います。

もっと早かったくらいかも。

 

第一日程と変わらぬ難易度?

中身的には、新傾向的な新規題材も一部取り上げつつ、それでも基礎知識に基づけば解けるかなという、生物基礎らしい難易度だった気がします。

知識と思考のバランスもいいかな。

しかし、第一日程ほどストレスなく解けるものではなく、なんというか、「この文変じゃない?」とか、「これ答えでいいのか……?」とちょっと不安になるぐらつきも少々ある。これ皆さらっと解けるのかな。そういう意味では第一日程の方が完成度が高かった気がします。

加えて第一日程では出ていた実験デザイン系の問題がなかった。簡単な計算問題に置換された感じですかね?

あとは、新規題材といいつつどこかで見たことがあるようなものが多かった気が。個人的には全てを総合して第一日程の方が好き。

 

大問ごとの所感

第1問

前半はサンゴの共生をテーマにとり、細胞構造と代謝について聞くやつ。

後半はDNAについて。

もしかして第一日程と同じ構成?っていうくらい問題が被っている気がします。

何より一問目が「酵母は真核生物!」っていうのをまた答えるやつだったし。これ第一日程でも見た。共通テスト作る人酵母推しなのかな。第一日程解いてたら有利になっちゃうやつでは?

あとはサンゴの方については、ネタや持っていき方は工夫されているけれども会話文に違和感が……アキラの「褐虫藻が共生したサンゴは、餌だけではなく、光合成でできた有機物も利用してるんだって。」という文がちょっと変な気がします。

伝えたいこととしては、サンゴは能動的に餌をとって食べる+褐虫藻が作る光合成産物も有機物源として使う、なんでしょうが

サンゴが自分で餌をとるイメージがない人からしたら、この文は「サンゴが褐虫藻を餌とするし、光合成産物も使う」みたいに見えませんか?私だけか……

ゲノムの方はなんかトンチみたいな問があって、聞きたいことは分かるけどもという複雑な気持ちになりました。

 

第2問

じんぞう と しんぞう。ダジャレか?

腎臓は非常に当たり障りのない普通の知識問題と普通の計算問題。真面目に普段取り組んでいれば解けないわけがなかろうよ。こんなレベルの計算問題を二つも出す?

後半の心臓はグラフと心臓構造と知識を結びつけるやつ。とはいえ既視感あり。どこかで見たことがあるだろうし、大抵初見ではう~んと少し悩むだろうなという感じ。

第2問は総じて普通なので、なんていうか、模試みたい。真面目にやった人にとらせる問というか。あんまり楽しくはないなぁ。

 

第3問

植生・バイオームと外来生物

放置林をテーマに植生遷移だの窒素循環だのを考えさせる。放置林にフォーカスするのは捻り方としてはいいよね。

個人的には「日本の海沿いで山火事も人為撹乱もなーんもないのに森林ができないところがある。こういうのはどういう場所?」っていう問題がなんとなく気持ち悪かった。誤答が外れるのは分かるんだけども、何を聞きたい……?というか。なんとなく選択肢の作り方が気持ち悪いと思うのは私だけ?

外来生物についてはオオクチバスが入った後の池がどうなるか考える問題だったのだけれど、選択肢に「栄養段階数が減った」というものがあってもやっとした。どの生物がどの栄養段階に属するか丸暗記しておけということか?(情報が一切載ってない)

外来生物の素材自体も新規性はない。

また、16の問題で「外来生物の定義」を聞いているのだが、「②国外から移入された生物で、同一国内の他地域から移入された生物を含まない。」は怪しいのでは?答えになってしまうのではないか?と思ったりした。私は④を選んだ(人間が移動させたもの)が、外来生物の紹介ページを見ると②は該当する気がする。

例えば環境省のHPにはこうある。

用語集 | 日本の外来種対策 | 外来生物法

外来生物

一般的には、「外来種」とほぼ同義で用いられている事が多い。

外来生物法では、「海外から我が国に導入されることによりその本来の生息地又は生育地の外に存することとなる生物」と定義されている「法律用語」。つまり、国外から日本に導入されるもののみを対象としており、いわゆる国内由来の外来種は含まない。

 しかし生物基礎の教科書にはこう書いてある。

人間の活動によって意図的に、あるいは意図されずに本来の生息場所から別の場所へ移されて定着した生物を外来生物という。

どっちも答えじゃない???????? と、少々混乱気味である。

昨今の情勢を見ていても、人々が「外来生物」と呼ぶときは大抵生物基礎の定義、すなわち人間の手による移動を想定しており、②が言うようにそれは海外からの時もあるが、同一国内の違う場所からの移動だとしても「外来生物」と言う気がする。

外来生物が全て有害なわけではないのでこう言うと誤解を招きそうだが、特に有害な生物に関しては国内の別の場所からくるパターンが増えていて(遺伝子汚染の話はかなり言われている。所謂別の場所にいた魚を放流するとか、植林するとか……とてもよくない)、その際「外来」という言葉も使われるのを耳にする。

そういうことを鑑みると、④が正解なのは分かる(すべてに共通することは「人の手で移動させる」ことだから)が……

定義として存在してしまう場合はその選択肢をはじくことはできないのではないか?

 

 

生物

こちらは第一日程の時と比べて解くのにかなり時間がかかってしまいました。

そこまで難しいわけではないはずなのに悔しい。パソコンの画面で解くのが駄目。小さな処理に手間取ってしまう。

 

第一日程よりもまともな問題なのでは?

個人的な感想になりますが、第一日程がだいぶナニコレ感があったのに対し、

第二日程の生物は相対的に比較した場合ワンステップ以上の複雑な処理や知識の絡みがある問題群だったのではないかと思います。

第一日程より平均点は落ちそう。

ただ、持ってきたネタの面白みや新規性としては、第一日程の方が良かったのではないかという気持ちもありますね。「へぇ~」というものは第一日程では多くあったので(答えが丸見えなのはいただけなかったが……)。

あとは生物基礎同様、「この選択肢はあまりよくないのではないか」と思えるものがありました。

 

大問ごとの所感

第1問

前半は抗体の構造をメインにとったタンパク質の問題、後半はミトコンドリア葉緑体のDNAを使ったバイオテクノロジーと植物を絡めた問題でした。

抗体をパパインで切るのはもう常套手段というか。生物オリンピックでも出ていましたし、よく見るものな気がします。ちょっとした頭の体操で最初は面白かったけど、もう見慣れたな。

後半の問題は割と面白かったです!葉緑体がオス(花粉)由来なのには驚き。皆そうなのかな?

その読み取りを使うと謎のグラフが一気に意味を帯びて「うおー!」ってなりました笑。でもこれ、一問解けなかったら(泳動像の意味がとれなかったら)総倒れタイプ、所謂連動してるやつだけど大丈夫なんだろうか?

 

第2問

色々詰め込んだ小問+植生のやつ。第一日程での既視感を感じますね。全然違うけどさ……

個人的にはこの問4の選択肢が気に入らなかったです。森林において、日中で一番強い光があたる時間帯の各階層での光強度が先に与えられた上で、その植生に存在するある植物の光-光合成曲線が示されます。その際、②の選択肢では「一日を通して」の二酸化炭素吸収量を聞いていて、それ以外の選択肢は全て「一日のどの段階の話か」が明記されてないんですよね。まぁどの段階でとっても当てはまらないんだけどさ!!!!!!そうだとしたってなんかな!!!!!

 

第3問

サンゴ礁で生きる生物の物質収支

資料読み取りと計算、という感じでした。

生態ピラミッドが逆転するというオチはへ~ってなったけど、あんまり納得感がない。

 

第4問

「アリスさん、ルイジさん、メアリの三人は、お茶会で尿生成の仕組みについて話した。」 

?????????????????????

お茶会で何の話してんのこの人達……

作問者絶対可愛い女の子たち3人にお茶会しながら尿の話をさせたかっただけだろ。違いますか???

分かるよ?我々生物の人間はご飯食べながらうんこの話とか尿の話とか内臓の話とかガチでするもんね????好奇心だけで動いてる倫理がちょっと御暇しちゃうタイプだもんね?????

お茶会で尿生成の話がシュールすぎてもう今までの気合が全部吹っ飛んじゃったよ。

「そんなに甘いものばっかり食べていると糖尿病になるよ」に対してサラサラと糖尿病のメカニズムを語るアリス、

「飲みすぎるとトイレが近くなって困るのよね」というアリス、

利尿薬を飲んでいたルイジ、

そしてカフェインの利尿作用をペラペラと瞬時に話すメアリ……

そのあと三人の会話はバソプレシンの実験にヒートアップ!

どういうこと???????????

最高のお茶会ですね、私も混ぜて下さい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

問題も楽しかったよ。

 

第5問

ショウジョウバエとムカデとアルテミアの足形成の話です。

ショウジョウバエでは足形成をハラ部で抑制する遺伝子Yが、アルテミアではムネで発現しているのに全部足があるよ~という紹介から始まり、じゃあ遺伝子Yって何者なんだろうねという探求が始まります。

案外読み応えあって面白かった!ネタもよかったです。

分野もうまく横断させていて、発生や進化がつながり、まとまりがとても素敵。こういう問題好き。

 

第6問

メンフクロウがどうやって左右の音の差を認識するかという話で、

構造、計算、神経回路など結びつけておりこれもとてもおもしろかったです。

音速340m/秒とか出始めたので「まさかの物理か……???」と一瞬で心臓が高なりました笑 心臓に悪い。

 

ネタとして素直に面白い!勉強になる!と思ったのは第5問と第6問ですが、

第4問のなんとも言えないカオスな問題を作った人にも拍手をあげたいですね(よく作問会議通ったよなこれ……皆尿の話が大好きな生物大好き変態なんだろうな)。

 

 

今回はちょっと調べる暇がないので深堀れてないのですが、

可能ならアルテミアとフクロウの話は調べたいな~

生物広報誌 冊子化計画③

 この2つの記事の続き。

i-my-mine.hatenablog.com

i-my-mine.hatenablog.com

 

記事に手を入れる6日目(1/26)

表紙と裏表紙は決まったが中身が決まらない。 取り敢えず自分が載せたいかなと思うものを有力候補順に編集していく。

編集していくと気づくが文章が酷い。もうちょい読みやすく作れなかったのか……??特に未公開の方が酷い。

なので文から絵から、もはやイチから組むレベルで手を入れていく。これはちょっと予想外だ……ぺたっと貼れば終わりだと思っていたのに……。

 

他の部位作成も始めた。

目次とか、あいさつとか、編集後記になるページとか。

4コマ漫画などを載せてほしい、みたいな話があったが何を題材に描こう?今まで漫画は、ベンゼンの反応についての漫画しか描いたことがない(私はこの漫画を高校生のときに裏紙に描いてはクラスにばら撒き、そのおかげか有機定期テストはクラス平均点が異様に高かった)。

何があるかなと思って悶々と考えたが、

  • 教師生活について……生徒の個人情報が絡むから難しくない?
  • 結婚生活について……何か描くことあるか??

という感じで、なにをネタにすれば良いのやらと迷宮入りしている。うーむ。

いっそ漫画とか本とか音楽とかの紹介でもいいかなとか思ったけれど、興味持たれるんだろうか。

仕事があると、通勤中や帰ってからの時間だけで進めるのでどうしてもスピードが遅い。

 

どんどん進める7日目(1/27)

ほぼ確実に公開しようと思っている記事に手を入れる。

文を書き直し、絵を描く。これがなかなか大変。

私の手元にはiPadなどの絵を直接ペンで描き込める媒体がないため、紙に絵を描いては画像を取り込みwordに貼り付ける……を繰り返す。

地味にストレスフルな作業なので、直接描き込めたらいいのに……という気持ちでいっぱいになる。

 

引き続き記事に手を入れる8日目(1/28)

仕事終わりに作業を進めるので中々進まないが、確実に進捗を出している。

この時点で20ページ分に該当する中身(記事的には10本分)と、

目次とあとがきの2ページ、

表紙等計4ページ分の作成が完了した。おぉ、これで26ページの本が作れちゃう!もう作っちゃう?

……という気持ちに駆られたがイマイチ中身に自信もないし、記事ももうちょっと載せたい気持ちがある。

しかし、どれが面白いのかが分からない……

 

迷走、そして開放の9日目(1/29)

記事と向き合いすぎてあまりにもどれが面白いのか分からない状態に陥ってしまったので、

自分なりに面白いんじゃないかと思う記事と今まで仕立てた10本分の記事を含めて、夫に見てくれないかと縋り付いた。

そもそも自分は分子生物学系のひとなのでどうしたって記事が分子寄りになりがちなのだが、それだと生物の面白さがあまりにも限局されてしまうので、普段広報誌を作るときも色んな階層、色んな生物について取り扱えたらなと気をつけてやっていた。

ところが冊子化するとなると、謎の力が入ってどうしても分子を選びそうになる。上の階層のものが、リサーチ不足感が出て、なんとなく見劣ってしまう気がしたのだ。

しかし、夫に見てもらったことで、だいぶ整理され、記事も最終的に載せるものを選び切ることができた!あとは手を入れるだけ!!

夫よ、忙しい中で私の無理難題な要求を聞き、真摯に向き合ってくれて本当にありがとう……(めっちゃ議論してくれたの本当にありがたい)。

しかしここで一個まだ問題が残っている。

漫画のページどうするの?

中身が全然想像つかない。

更に、前にも述べたように、私はデジタルで描ける環境がないので、アナログで描かなければならない。

ちゃんとした漫画は描けない……!!!

もはや漫画の形態ではなく、ただ絵が沢山あるだけのページになるかもしれない。ごめんな。

 

ゴリ押しの10日目(1/30)

今日は休みなのでめっちゃ時間使える!……かと思いきや、部活動があり、そのため通勤で3時間とられるので、中々進まなさそう。

やれることをやるしかない!

午前中に原稿はほぼほぼ揃え、漫画の素案も描いた。

漫画が明日描けたらもう注文・入稿しちゃっていいんじゃない!?という気持ちになりながら、通勤中にぽちぽちと栄光の色んな注意点を見る(先に見ておけよという話だが……)。

そこで気づく。

「もしかして今までの原稿全部A4版で作ってない……???」

そう、今まで生物広報誌はA4二枚分をWordで作成し、それを印刷するときにB4一枚に並べて入る形で出力して配っていた。

そのままで文章をいじっているので、レイアウトはA4扱いなのだ。

しかし入稿では、今回B5の本を作ろうとしているのでレイアウトがB5のものをPDFにしなければならない……???

今から全部書き直すのか……???と眼の前が真っ白に。

 

家に帰ってから一生懸命B5のレイアウトに直す作業を行う。

ついでに1つのPDFファイルに収めたいので全てを一つのWordファイル内に連結しようと試みる。

画面を見続けると疲れてくるので途中で漫画にシフトチェンジ。自分で作った枠の中に絵を描いていくのは案外楽しい。

鉛筆で描いたものをスマホで撮影し、それをアイビスペイントに線画抽出して取り込んで文字入れや塗りをする。

そうしてなぜか漫画が出来上がってしまった。気づいたら3時だった。

 

遂に完成させたの11日目(1/31)

朝からひたすらB5レイアウトに直す作業をする。

レイアウトを直すと図がずれるわ文字があふれるわで中々修正が大変だった。

更に一通りできたなと思っても、見直すと誤字があるわ、フォントおかしくなってるわ、文字サイズ統一されてないわ、目次と章のタイトルが違うわ……大変辛くなってきた。確認する作業の人を雇いたいレベル。

奥付を書くという慣習も昨日の栄光さんHPで学んだので書く。ちょっとドキドキする。

原稿ができたっぽいので栄光さんに新規登録。

ここで思い出した。結局何部頼むんだろう……???

100部頼むと3万円である。1冊300円……。そんな価値があるのだろうか?ページ数は36ページである(表紙等の4枚を含むので、実質は32ページの中身)

めちゃくちゃ頑張って編集したので、なるべく沢山の人に見てほしいという気持ちはあるが、

一方で、「 お金を取らないとぞんざいに扱われるよ」という指摘も受けた。

無料で貰えるパンフレットとか全然大事にしないじゃん?でも多少なりともお金を出してたら大事にするよね、という理論らしい。それはそうだ。

それに、頑張って編集して時間を削っているのに、更に手持ちのお金まで削ってしまうのも如何なものかという。3万あったら書籍が無限に買えるので、次の記事作りの参考にもできる。

そういうことを考えていくと、やはり完全無料でばら撒くのは、自分の心が傷つきかねないので辞めたほうがいいのではないか、という気持ちになってきた。

そうなってくると、一冊300円を相手に負担してもらわなければならないわけで、これは売れるか?という感じになってくる。勿論私の利益はこの値段の場合はない。むしろマイナス。

ほしいよ!と言ってくれていた人たちも、お金を取るならやめようと手を引くんじゃないか。とも思ったり……

生徒にくばる分も入れて考えていたが、300円かかるとなると買ってくれる生徒はどれだけいるだろう。もはや10人もいないんじゃないか。

となると、50部発注しても、在庫を抱えるんじゃないか……というのが自分の今の気持ちだ。

皆よく発注数確定できるなぁ。今までで一番むずかしいかもしれない。

注文書を貰ってから決めればいいのだろうか?そりゃ確実だけども……学校で注文とるのも変な感じだし(一応教育の場なのだし、私的なことを入れるのはどうかという)

困ったなぁ……

 

と色々悩んだが、結局色んな人に相談して60部の発注にした。

一冊300円。

ということで……震える手を押さえながら注文!

Web入稿!!!!!!!!

……と思ったら、表紙と裏表紙を連結していなければならなかったらしく、処理が通らず焦る。

慌てて探したらフォトコンバインなんていう素晴らしいサービスがあり、これで解決した。

photocombine.net

セルフチェック!!!(本の形になるから面白い)

クレカ決済!!!!

等の壁を超えて

無事入稿できました、ありがとうございました……。

冊子が届く予定日は2/13!!!!ドキドキ。

 

誤字とかあるんだろうな~って思ってたらいきなりQRコード不能っぽい。うおー!なんでや‼‼