あいまいまいんの生物学

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まいばいお10 DNA to Protein①

Researchat.fmを相変わらず空き時間に大事に大事に聞いているわけですが

今回はシドニー・ブレナー回を聞いて自分の血が滾るのを感じ…笑

ニーレンバーグ周りの話とかクリックの凄さを伝えきれないなとかそういう思いが溢れんばかりになって「よっしゃまとめてみるか」というノリで謎の熱量で記事を書きました。そしたらすんごい量になりました。

何回かに分けて更新していこうかなと思います。

 

 

 

✿今や当たり前のDNA, RNA周りの話ができるまで…

今の時代、小中学生でも当たり前に「DNA」という言葉を知り、高校一年生ではDNAからタンパク質ができるまでの過程を当たり前に学ぶ時代です。

しかし、何事も最初から分かっていたことなどなく、全て一から明かされてきたこと…

ことDNAに関しては、その発見は過去100年程度で積み重ねられた実験の結果分かってきたことばかりです。

DNAやRNAについての話が作られていく過程では、さまざまなドラマがあり、多くの才能ある人物のエレガントな実験や推測がありました。

ぜひその時代を、疾走感を、一度一緒に追ってみましょう。

 

✿1869年 すべてのはじまり

全てのスタートを切った核酸の発見は1869年、Friedrich Miescherによって行われました。

彼は医学部の生徒でしたが、聴力の障害があったため、患者とのやり取りが不要な医学研究の道に進みます。

彼が進んだ研究室は細胞を構成する分子の単離を行っており、ミーシャは白血球細胞の組成担当でした。

ちなみに当時は、細胞はタンパクと脂肪でできていて、遺伝はタンパク質により行われると考えられていた時代です。

ミーシャもまた、それを信じ、白血球のタンパク質の分別を試みていました。

白血球を沢山集めるために、新鮮な白血球細胞とその死骸からなる膿を集めようと、近くの病院から包帯を集めていたことも有名です。

さて、ある日ミーシャ―が白血球の抽出液へ酸を加えたところ、沈殿が生じることに気づきました。

この沈殿物は、アルカリにもどすと再び溶解し、更に薄い酢酸や塩酸水に溶けないことから、タンパク質ではない、と考えられました。

ミーシャはこれが核から出てきたものである、ということを観察から突き止めます。今まで核についての情報がまったくなかった時代に、この発見は革命的でした。

ミーシャはこの物質に「nuclein」と名前をつけました。これが初めて人類がDNA, RNAからなる核酸を発見した瞬間です。

この物質は、水素、酸素、窒素そしてリンからなり、リンと窒素の間には決まった比率があることを彼は突き止め、

更に他の細胞からでも同様の物質が単離できることを明らかにしました。

 

1930年代初期、DNAとRNAの違いはまだ判明しておらず、単離される由来の素材からRNAは「酵母核酸」、DNAは「胸腺核酸」と呼ばれていました。

コッセルにより核酸がアデニン、チミン、グアニン、シトシンと糖を含むこと、そしてアスコーリによって酵母核酸にはウラシルも含まれることは明らかになっていました。

そこで現れたのがPhoebus Leveneという人物。

彼は有機化学が専門の人物ですが、1919年、化学的な実験により核酸には二種の糖を使う別物質が混ざっていることを明らかにします。

そこで初めてデオキシリボースを使う「DNA」、リボースを使う「RNA」という分類がなされました。

加えてレヴィンはDNAはリン酸・糖・塩基がこの順で結合したもので構成されていると言い、この構成単位を「nucleotide」と名付けました。

彼はヌクレオチドがリン酸を介して結合していることも明らかにしました。

しかし、レヴィンは正しいことばかり証明したのではなく、「テトラヌクレオチド仮説」という誤った仮説も発表します。

彼の提唱しているヌクレオチドはA, T, G, C4つの塩基がついていて、これが繰り返し繋がってDNAを作ると考えていたのです。(テトラヌクレオチドの図はこちら

彼は、DNAは化学的にシンプルすぎるから遺伝情報をコードする物質なわけがないだろうという風にも考えていました。

彼は結核を患うなどのハンデを背負いつつも、DNAに関し700以上もの論文を書きました。

 

DNAとRNAの化学的性質が一層探求されたのもこの時代です。

例えばRNAは高いpHですぐ壊れるけどDNAは安定だとか、RNAはチミンの代わりにウラシルを含んでいるとか…

加えて1933年にはウニ卵において、DNAは核の中にあるけれどRNAは細胞質にあることなどが明らかにされ、この段階まできてやっとRNAもDNAも動物細胞内にあることが分かりました(それまではRNA酵母核酸)は植物のみ、DNAは動物のみにあると考えられていました)。

RNAは細胞pHを安定化させるためのバッファーとして働くのだろうと推測されました。

 

 

取り敢えず一旦今回はここまで・・・

 

続き↓

 

i-my-mine.hatenablog.com
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