http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/15/403964/102500053/
ナショナルジオグラフィックの記事より。
「睡眠の都市伝説を切る」という連載が行われているのだけれど、これが案外面白い。
今回の内容の大意は
・体内の老廃物清掃は主にリンパ系によって担われている。リンパ流が重要となる。がん細胞などもリンパ系で取り除かれる。
・脳内にはリンパ系システムが見つかっておらず、老廃物処理をどのようにしているのか不明だった。しかし、グリンパティックシステムという説がロチェスター大学の研究結果から出されている。
・グリンパティックシステムは、脳内を埋め尽くすグリア細胞が縮むことですき間を作り出し、脳脊髄液の流量を多くすることで、老廃物を回収し、静脈に沿って脳外に出すという仕組み。グリア細胞の収縮は睡眠中に行われているので、グリンパティックシステムも睡眠中に起こることになる。
・マウスの結果しか現在はないが、ヒトでも脳内各部位における脳脊髄液量が日内変動することや、睡眠量によってアミロイド蓄積量(認知症に関わる)が異なることがデータとして出ている。
・ただし、今のところ詳しいことはまだ分かったとは言い切れず、どの種の睡眠がグリア収縮を引き起こすのか、中途覚醒や体内時計は関与するのかなど謎は多い。
というものでした。
そもそも、この話からすると体内というものは常に液体の流れが起こっているものなのですね。
しかも老廃物を押し流すほどに…。
それも少し新しい感覚でした。
体液循環や移り変わりについては勉強しますが、そこまで動的なイメージがついていなかったなと思います。
案外身体の細胞って隙間だらけなんですね。
それと対照的に詰まった脳、そしてグリンパティックシステム、とても魅力的に感じます。
なぜそこまで詰まっているのか?
何故他の機構と隔絶しているのか?
脳は特別である、という感覚が生まれてもおかしくありません。