あいまいまいんの生物学

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植物同定恋愛ゲーム、作りました

novelgame.jp

作りました。初めてゲーム作りましたよ。

そうそうない経験だと思うので、どうしてやろうと思ったとか、どうやってやったとか、そういうことをつれづれなるままに書き付けておこうかと思います。

 

 

きっかけ

ものすごーく原点に立ち返るのであれば、恐らくゆるふわ生物学のおかげです。

www.youtube.com

自分は今、ゆるふわ生物学の動画作成をボランティアでお手伝いしているのですが、

動画を編集している際(勿論視聴している際もですが)、色んな生物を「同定」する場面に多くめぐり会いました。

「これは○○科の✕✕ですね!」とか、「これはモロッコでとれた□□」とか、サクッと皆さん同定していくんですよ。

で、その姿がとても楽しそうなんですね。

その姿を見て、「同定できるっていいな、身の回りにいる生物が『誰なのか』が分かるって素敵なことだよな」と思って、自分も同定に興味を持つようになりました。

自分の場合は、身の回りで簡単に見られるものが植物だったので、植物の同定に取り組み始め、亀よりものろい歩みですが少しずつ努力して植物を見分けられるようにしているところです。

 

で、やってみてわかったこととしては、同定ってめちゃくちゃ難しいです。Google lensや同定アプリであっという間……とか、図鑑を見たら分かるでしょ……とか思う人も多いと思うんですが全然そんなことない。難しいんですけど、あたりを付けられた時や、分かったときの感動はひとしおなんですね。

その上、「この子あの植物に似てるな……。」とか、「これは○○科かな?」と考えられると、なんだか妙に嬉しいんです。今までただの背景で、なんの差も見えなかった植物たちが、一気に違うものに見えてきて、それが物凄く衝撃的でした。

 

この感動、一人でも多くの人に届けられないだろうか……。

私が何か、植物(じゃなくてもいいんだけど)に興味を持つきっかけを与えられる手助けができないだろうか……。

いきなり同定、とまではいかなくとも

「まじまじと見比べる」機会を与えられはしないだろうか……。

そんなことをぼんやりと考えていました。

 

そしてふと思ったのです。

 

ゲームにできないか?

 

とはいえ、植物のただのクイズだけでは、最初から植物に興味がある人だけしかやらないだろう……。

だったら……

植物が好きな相手とストーリーを進める、恋愛ゲームなんてどうだろうか!?

ということで、「植物同定によって恋愛が成就できるゲーム」、すなわち「植物同定恋愛ゲーム」という発想にたどり着きました。いや、自分が作るつもりはなかったんですが、そういうゲームがあったらいいなと思ったんです。

 

でも、私だけの感覚かもしれない。

そう思って、ぼそっとTwitterでつぶやいてみました。

結果、200近いRTと700近いいいねを頂きまして、自分の貧弱アカウントにしてはかなりの反響があるな、という感覚を得ました。こんなに来るとは思わなかった。

 

こんなに反響あるなら、「こういうのが欲しいんだ!」という自分の中の構想を、本当にゲームの形にしてしまったら良いのではないか……?

めちゃくちゃクオリティが高くなくても良い、サンプル的なものでもいいので、作ることはできないだろうか??

そんなわけで、ゲーム作りに人生で初めて挑戦することになりました。

 

 

なにで作ろう

さて、ゲームを作るにはゲームを作れるツールが必要です。

Unity……は初心者には難しすぎるのではないだろうか?そもそもそんなにクオリティも求めてないし、自分の構想が形になればいいだけだから……と思い、ノベルゲーム制作に楽そうなサービスを探してみました。

で、あまり深く考えずティラノスクリプトというものを使ってみることにしました。

tyrano.jp

理由は特にないのですが……。

試しにやってみてダメだったらサービス変えればいいや、という気持ちで、サクッとDLしました。結局最後まで使いました。

自分がDLしたのはV5版です。エディタはMeryを使用しました。

チュートリアルを読みながら適当に進めてみたら基本中の基本のことはできるようになったので、後は適宜必要なときに検索をかけて調べてやりました。

余談

ちなみに、いじり始めて最初の壁が「メッセージ枠が画面の真ん中に出てくれないし妙に小さい」という現象でした。

調べてもあまり良くわからず、枠のサイズを弄ったりなんやり色々して大苦戦……。

結局オチは、「V5はゲーム画面が1280×720ピクセルになっているのに、チュートリアルは960×640ピクセルの画面に合わせたものになっている」ということでした。

V4までは960×640だったのに、V5ではサイズが変更されたみたいですね。なんだそれ。先言ってくれよ(多分どこかで言われてた)。

そのせいでチュートリアルの指示に従うと基本変になるし、その上最初から用意されているシステム画面は端っこが見切れたりしてて超へんてこになっています。V4を選べばよかったのか!?

最初からこれをどうにかするのは険しそうだな、と思い、あれやこれややった後で一旦無視してとにかくゲームを作り込んでいきましたが、最後結局画面サイズを960×640にし、システム画面も整備しました。最初からやればよかった。

やり方も一応下の方にまとめてあるので、もし困ってる人がいたら参考にしてください。

 

作るのに必要だったもの

上で説明したように、ティラノスクリプトMeryで作るためのものは揃ったんですが、ゲームを作り始めていくとどんどん必要なものが明らかになっていきました。

自分が作っていった際必要になったものは以下の通りです。

シナリオ

そりゃいるだろ!って感じですよね。

案外頭に浮かんでるだけじゃ、形にならないものだなぁ。

先にざっくりアウトラインを練ってどこかに書き付けておくと楽です。分岐とか整理できて、混乱せずに済むし。

登場人物(植物好子さん)の様々な表情・仕草・服装の画像

今回の登場人物である植物好子さんは、Vroid Studioというサービスで作成しました。

vroid.com

このサービスはざっくり言うと、誰でも無料で簡単に、超いい感じのヒト型3Dモデルが作成できるサービスです。天才だ……。

以前Blenderで必死にモデリング頑張ったのに、このサービスを使うとあっという間にいい感じのモデルができてしまうので大いに感動しました。

まぁ、服装のオリジナリティを出そうとするとイラスト能力が必要になったり、細かい部品つけたいとかなると発想力が試されたりするんですが……Blenderでしか作れないものも勿論沢山あるしね。

でも、私の用途にとっては十分でした。作ったものは様々な用途に使用できるから最高にぴったり!

ってことで、植物好子さんをモデリングしました。

Vroid Studioについている撮影モードで、表情変えたりポーズ変えたり服装変えたりして、大量の差分をかなり簡単にゲットしました。

……全部イラストで1から描かないといけない、なんてなったら超大変だっただろうな……。

 

補足ですが、ティラノスクリプトで人物画を使用するときには、背景を透過させておかないといけません。その上、画像サイズを統一しておかないと、表情が変わった瞬間超ちっちゃくなっちゃう……とか、すごく横にいる……みたいなことが発生します。

なので、私は以下の手順で透過&出現場所統一を行いました。

  1. Vroid Studioにて背景を青紫単色にして撮影する(人物が持っていない色にしてください)

  2. 画像透過ツールに撮影した画像を読み込ませ、「色の許容値」を40~50くらいにして背景の青紫色を選択する。透過できたら画像化する。

  3. 2で作成した画像を960×640ピクセルで設定したPhotoshopに読み込ませ、サイズや位置を調節する(ゲームで実際に見えてほしいサイズと位置にする)。※ゲーム画面が960×640ピクセルの場合ね!

これだけ見ると簡単……に見えると思いますが、表情差分等画像が多くなればなるほど処理する回数が増えるので割と大変でした。

大変だけど表情や服装は沢山種類あった方が豊かな表現ができるんだもん!しょうがない!!やるしか!!!

背景

背景はillustACとかphotoACとか、ちゃんと規則を守れば利用可能なところのを選んでダウンロードして集めました。

これもまた割と大変でして……。

自分のイメージに合うものを探すと案外なかったりするんですよね。特殊な場面はそもそも背景すらない。

本当は自作できればいいんですけど……まぁ今回は初回だから……こだわるより完成を目指そう、ということで。

背景以外も含め、様々な素材を作ってアップしてくれてる人には感謝しかないです。本当にありがとう……という気持ちでゲーム作りしました。

SE

全て効果音ラボさんからお借りしました。

soundeffect-lab.info

めちゃくちゃありがたいね……。

でもmp4だと使えないので、オンラインコンバータでoggに変える必要があります。

online-audio-converter.com

大変。

BGM

DOVA-SYNDROMEさんからお借りしました。

dova-s.jp

こちらも本当にありがたいサービスです。

ループ可能なやつを全て選びました。

で、これもoggに変換。

ボタン、枠などの素材

システム画面はティラノスクリプトが事前に用意してくれたもので構成されていますが、ゲーム内のボタン、枠などは全て自作しました。

植物の画像

一番大変だったのが地味にこれでした。

まず、植物の画像で利用可能なものがかなり限られています。植物の種類にもよるけど(特にシダは全然ない。本当にない。シダ、なぜ!?)。

更に、植物のどこに焦点があってるか、何が写り込んでるかが全然違いまして……中々「これ!」というような写真がないこともかなりありました。

それに加え、以下の点を考慮して選ばないといけません。

  • 作者が同定ミスしてないか?(本当に求めている植物の写真か?)
  • 写真の状況がゲームの流れと合っているか?(例えば、花壇の花を見てる……という設定なら、白い部屋で植物撮ってるとか、黒バックで花だけ映えさせるとか、そういう写真はダメだよね。他の植物があまり写り込んでいない方がいい、というのもある)
  • 写真の時期はゲーム内の時期と一致しているか?(開花していない時期に開花した画像を選んでないか?)

などなど。

自分で野外行って写真撮ってこれる環境があればまだ良かったんだけどな……と思いました。

植物の知識とクイズ構成力

上の「植物の画像」項目で述べたことと少々被りますが、植物同定をしながらストーリーを進めるゲームには植物の知識とクイズが必須です。

でも、ただのクイズではなくてやはり「同定」ということに気が向くような、「差がある」ということに気づくようなストーリーにするために、出す知識やクイズを工夫する必要がありました。

単調にならないように色々頑張って考えたんですが……うまくいってるのか自分ではよくわかりません。

加えて、植物の分類って(植物だけじゃなく分類全体がそうだけど)めちゃくちゃ揺れてたり、俗に呼ばれる名前と和名が全然違ったり、品種が種と混同されてたり……といろいろあるんですよね。本当、考えること色々ありすぎでは??ってなりました。

何度も調べて、新Engler、クロンキスト、 APGで科が違ってないものや、種名が一般的に流通しているものをなるべく選びました。全てがそうはなってないんですが……(特に花壇編とかきつかった。園芸品種は沼)。

 

あとは特定環境にその植物「たち」が一緒に生息しているかどうか……とかも考えました。照葉樹林の山の中なら、どの植物たちが共存しているのか?みたいな。自分で歩いていって見れればいいんですが、今は見れないので大変でした。

勉強にはなりましたが、不安でいっぱいのままクイズを作っていかないといけなかったので辛かったですね。有識者の協力があった方がいいな、と思いました(が、自分の趣味での作成なので他人を煩わせるのはな……と考え、今回は頑張って元案を作りきりました。)。

 

ゲーム作りの様子

1日目 ゲーム制作サービスを検索する、アウトラインを考える、好子さんをモデリングする

そもそもゲームを作ったことがなかったので、最初はゲーム制作サービスを調べることから始めました。

で、ゲームは頑張れば自分で作れそうだな、という気持ちになったので、取り敢えず「どんなものが作りたいか」を考えることに。

適当なドキュメントファイルに、構想やストーリーを書き出して、こんな雰囲気のものが作りたいな~と大雑把にゲームを練っていきました。

その際心に留めていたのが「しょぼくてもいいから完成させる」ことです。

なんでもそうだけど、最初から完璧に、物凄いものなんか作れない……し、それを目指して挫折したら、何も出せなくなっちゃいます。

ので、必要最低限の機能を搭載した、自分ができる範囲のクオリティのもの……かつ、自分のやりたいことは満たせるもの、そんなものを目指すことにしました。

 

で、ざっくりを書き終えたらストーリーに合うキャラモデリング。上でも紹介したように、Vroid Studioを使用しています。

植物大好きなら、観察時に邪魔にならないようまとめ髪がいい!おさげがいい!!と思ったのですが、プリセットには後ろおさげしかなかったので、頑張って前おさげを自作しました。

制服素材はプリセットでありますが、これもちょっとイメージと違ったのでスカート周りをいじりました。個人的には超気に入ってます。かわいくない!?

 

2日目 タイトル画面ができる、ストーリーが進むようになる(分岐はまだ)

2日目はまずゲーム制作サービスをDLし、環境を整え、チュートリアルをこなしました。

……が、上でも述べたように、チュートリアルの想定する画面サイズと実際の画面サイズが違うせいで、言われたとおりにやっても再現ができない。

悪戦苦闘した後、どうしたものか……と思い、取り敢えず前に進めばなんとかなるだろうし、配置した素材は見たところ謎の小さい枠(960×640)に収まってるっぽいから、この小さい枠を基準に色々配置しておいて、後で見直そう、ということにしました。これはナイス判断でした。

チュートリアルをこなした後、いよいよ自分のキャラで、自分のストーリーをゲームにしていきます。

で、ここから素材集め&素材制作が同時にスタートします。

素材の集め方は上で述べたのでもう説明しませんが、とにかく素材を集め、素材を集めたらどこかにリンクをメモるという行為をひたすら繰り返しました。都度メモるの大事!!

全てが初めてのことなので、オロオロ悪戦苦闘しつつやりましたが、地味にセリフ考えるのが一番大変でした。

実は、今回のゲームは主人公(プレイヤー)の性別が不明になるようにセリフを作っています。「僕」とか「私」とか出てこないようにしました。その方がいいかな?と思ったので。でもその分、「自分」という一人称を使わないといけなかったんですよね。へんてこになっちゃうところもかなりあって、難しかったです。

そんなこんなで2日目は「会話上で選択肢を出してプレイヤーに答えを選ばせ、それに応じて好子さんの対応を変える」ような場面まで作ることができました。

 

3日目 分岐するようになる、クイズが出せるようになる

いよいよ本命の(?)植物クイズが出題できるようにしていきます。

if文を使うのは勿論のこと、押せる画像を出す、押せない画像を出す、選択肢によって好子さんの好感度を操作する、等など新たな技術が沢山必要でした。逐一調べて実装していくのみです(ほぼ普通のプログラミングなんだけど、言語が独特だからちょっと大変だった……)。

加えて、SKIPボタンも実装しました。これにより超高速で今まで作ったところを飛ばせるようになりました。

最初の問題群を作り終えたところで、「真面目に植物のクイズの出し方考えたり、植物の知識調べたりしないと駄目じゃない……?」って気持ちになったので、ゲームを進めるのは一旦やめて、クイズを練り練りすることに。

 

4日目 クイズを考える

ほぼ1日全て使ってクイズを練りました。

植物のことを多角的に調べ、画像検索をし、うまく問題が作れそうだなと思ったら採用し……を全ての植物に対して繰り返します。

今回ゲーム内で出てきた植物種数の3倍は調べました。気にすることが多すぎて、うまくはまらなかったのです。

同時に、知識も整理して、どこまで出すか、どういう出題形式にするか、クイズの分量はどんなもんにするか……とか考えながら、クイズ案を完成させました。

同時に、クイズ案に合う形でストーリーも再構成しました。

大変な一日でしたが、この日のおかげでこの後スムーズに作業ができたのでOK!

 

5日目 ストーリーを全部書ききる、画面サイズを直す

昨日作成した案に沿ってごりごり書きまくります。

ひたすら頑張って、プログラム書いて、素材作って、素材調べて、プログラム書いて、動作を確認して……の繰り返しですね。

自分はメモ帳によく使うプログラム群をとっておいてたので(切り替え画面とか、クイズ画面とか)かなりスムーズに進みました。

 

すごくいい感じにできてきたので、ここらで画面サイズを直そうかな……と思い、画面サイズ直しに挑戦しました。

tyrano-complete.blogspot.com

上のサイトによると、Config.tjsのscWidthとscHeightの値をいじれば画面サイズが変わるとのこと。

なので早速やりまして、結果大成功しました。やったぜ!

でもシステム画面のサイズは変わらず、へんてこのまま。これは一回放っておくか、と言ってスルーしました。8日目に直しました。

 

6日目 エンドを全て書き換える、エンドロールを書き切る

ストーリーが完成し、動作も問題なさそうだったので夫にプレイしてもらいました。

すると、「このエンドは変えたほうがいいと思う」と……。

まさかのエンド全書き換えです。きつい。でも気づかないよりはいいから、指摘してもらえてありがたいです。

他人の目線だからこその気付きだよね……。

 

結局はコードの更新作業なので、

Gitみたいなのでバージョン管理をしたほうがいいかもしれないな、とも思いました。

で、エンドを書き換えた後エンドロールを作成。

本当は文字を一斉に出す仕様にしたかったけど、ティラノスクリプトだと難しいみたいです。融通……。これだけ十分機能があるから文句は言えないんですが、やっぱり自由度を求めるならUnityとかなんですかね。

 

7日目 梱包作業を行う、テストプレイのお願い文面を作成する

一応形になったので、ゲームをパッケージングしテストプレイをしてくれる人に配布することに。

配布するためには色々説明をしなければならない(どうやったらプレイできるのか、何がしてほしいのか、等々)ので、GoogleDocsを使って作成し、その文面を共有しました。文面作るのだけで2時間とかかかった。大変だ。

ちなみに文面には、

  • 何が目的のゲームなのか
  • 何をして欲しいか(特に重点的に見て欲しいところとか)
  • 禁止事項
  • (アプリだったので)ダウンロードの仕方
  • 操作方法
  • プレイし終わった後のアンケートフォームへのリンク

などを記載しました。

GoogleDocsは後からいくらでも更新可能なので、テストプレイの一人からバグ報告が来たらDocsにも書く……みたいなことをして、テストプレイしてくれる人たちに色々伝えられるようにしました。どれだけ機能していたかは不明。

 

で、この文面を作っている最中に、身近な人に依頼していたテストプレイの結果がきました。「ラストを変えたほうがいいかも」とのこと。なんと!?

ということで、エンドを更に書きまして、2バージョンを配布することにしました。テストプレイの人々にどっちがいいか判断してもらう、ということで……。負担を増やして申し訳ない……。

 

8日目 誤りを直す、機能を沢山増やす、整える

テストプレイの結果が続々と届いたので、それに合わせて誤りを直していきました。

文末の句読点の有無を統一するとか、ここをこうした方が表現的に良さそうとか、そういうのをまず直します。

ありがたいことに物凄いバグみたいなのはなかったようなので、些末な直しで済みました。

 

で、同時に自分で納得いってなかったものや、機能的に欲しいけど挑戦できてなかったものにも挑戦してみました。

①configの設定

プレイヤーが音量とかを調整できるようにconfig画面を出せるようにしました。下のサイトで言われたとおりにしたら実装できました。

rimane.net

 

②システム画面のサイズ手直し

メニュー画面、セーブ画面とかはまだ許せたんですが、Configが狂いまくっていたので「これは直さねば……」と思い、結局直すことにしました。

調べてみると下のサイトが出たので、このファイルセットをダウンロード。

tyrano.fanbox.cc

で、自身が既に持っているティラノスクリプトのdataフォルダを見ると、scenarioフォルダがあって、その中にconfig.ksというデータがあります。

ここを、先程ダウンロードしたものの中に入ってる「config.ks」で書き換えます。コピペして上書きしちゃえばいい。

するとサイズが直せました!やったぜ。

 

③エンドリストの作成

「自分が何エンドだったのか分かるようにしてほしい」という声があったので、エンドロールに入る前に「あなたは○○エンドでした」という表示が出るようにしました。

そうするとやっぱりエンドリストが欲しくなるじゃないですか。なのでエンドリストも作ることにしました。

最初からエンドリストボタンがタイトルに表示されてるのも興ざめなので、どうせなら一回プレイした後でエンドリストが出るようにしたい……。

てことで、調べてみる。

tyrano.wiki.fc2.com

ここによると、

[if exp="sf.クリア回数==undefined"]
[eval exp="sf.クリア回数=0"]
[endif]

というのを最初の方に置いておくと、一巡目で変数sf.クリア回数=0 が設定され、

[eval exp="sf.クリア回数=sf.クリア回数+1"] 

というのをエンド付近に置いておくと、何巡目かが分かるようにできるらしい。

これを活用して、タイトル画面のコードに

[if exp="sf.クリア回数>=1"]
 ;エンドリストのボタンを表示させるコードをここに書く
[endif]

を書き足せば、エンドリストのページにジャンプするためのボタンが二巡目から出現するようになります。やったね。

これを応用して、例えば3つエンドがあるなら、一回目プレイで各エンドへのフラグ的な変数を3つ作って(sf.end1,sf.end2,sf.end3が3つそれぞれのエンド用変数)

[if exp="sf.end1==undefined"]
[eval exp="sf.end1=0"]
[eval exp="sf.end2=0"]
[eval exp="sf.end3=0"]
[endif]

各エンドに分岐した直後に

[eval exp="sf.end○○=sf.end○○+1"] 

と書いておき、

エンドリストページの中身を書いたコードに

[if exp="sf.end1>=1"]
 ;エンド1が達成されたら起こって欲しいことを書く
[endif]
[if exp="sf.end2>=1"]
 ;エンド2が達成されたら起こって欲しいことを書く
[endif]
[if exp="sf.end3>=1"]
 ;エンド3が達成されたら起こって欲しいことを書く
[endif]

てな感じで仕込むとエンドリストの中身が経験したエンドによって変化するようになります。

 

④エンドロール後にランダムでスチルが出るようにする

やってみたかっただけ。

4種類をランダムで出すために、0以上4未満の浮動小数を整数にして、4で割った余りをとってくるコードを書きました。

[iscript]
f.a = Math.floor( Math.random() * 4) % 4
[endscript]

で、この後に

[if exp = "f.a == 0"]
 [bg storage = ○○.jpg time = ○○]
[elsif exp = "f.a == 1"]
 [bg storage = △△.jpg time = △△]
[elsif exp = "f.a == 2"]
 [bg storage = □□.jpg time = □□]
[else]
 [bg storage = ✕✕.jpg time = ✕✕]
[endif]

みたいに書けば背景をランダムに表示させられます。

これを活用すれば、ランダムな出題とかもできるようになるだろうなぁ。良さそう。次ゲームを作る機会があるならば実装したいですね。

 

9日目 READMEを作成する

ゲームを配布するに当たって契約って大事だよ、とテストプレイしてくれた人から助言をもらったのでちょっと調べまして、READMEを頑張って作成しました。

ありがたいことに、調べると沢山テンプレートとか出るんですね。なんでも情報が揃ってるって本当に嬉しいな。

 

10日目~ 第二版テストプレイのアンケートを見つつ修正、名前を決定、リリース

あまりにも上で直しちゃったので、再びテストプレイをお願いし、ご協力いただきました。本当に感謝しかないですね!!!頭が上がりません。

で、それでいけそう!ってなったので、リリースするか……となってふと気づく。タイトル決めてなくない?

……めちゃくちゃ悩みました……笑

植物物語……は安直だし……君と植物の物語……はちょっと長いし……

夫と色々出し合った結果「ぷらんちゅ」という言葉が出、夫が猛烈に推すのでそれに決定しました。

ぷらんちゅ は うみんちゅ(海人)の連想で植物人、というので最初出てきたのですが、

Plantu = Plant U = Plant Youということで、植物 あなた という英単語の並びにもなります。勿論植物は植物好子さんの意味ともとれるはずです。

その上Plantの動詞の意味は植え付けるとか……色々あるんですね。いいじゃない?となったので、そのままぷらんちゅで行くことにしました。

てことで無事諸々が整ったので、ブラウザゲーム用のパッケージングをし、ノベルゲームコレクションに登録。

novelgame.jp

登録の時、ゲーム紹介用のトップ画像とか、プレイ画面とかをアップロードしなければならないということに驚いて、えぇ!?どうやるの!?と慌てながらやりました。結局キャプチャしたやつをベタって貼りましたが……。

で、審査待ちという表示が出たので、そわそわしながら審査を待つ。

そうして遂にリリースされました。やったね!


震える手でブラウザにてプレイしたら、めちゃくちゃ重いこと重いこと……画像、旧世代のブラウザみたいな出方する。なぜ!?

可能な限りいじれそうなpngをjpgに直そうと思います。最初からそうすればよかったんや。サイズとか考えてなかった……。

でも、ブラウザやスマホで自分のゲームがプレイできるのには謎の喜びを感じずにはいられませんでしたね。本当にすごいと思った。手がしばらくずっと震えてました。

 

 

ティラノスクリプト使ってどうだった?

ティラノスクリプト、なんとなく選んだにしてはめちゃくちゃ素晴らしいシステムで大満足しました。これがなければゲームは完成しなかったので、本当に感謝しかないです。

割と自由度もあって、やりたいことちゃんとそこそこやれたし……。物凄い自由度を求めてるわけじゃなくて、ノベルゲームを作りたくて、簡単にそこそこ形にしたい!って思ったら、ぜひおすすめです。

一つだけ難点を言うのであれば、やはり使っている母体数がはちゃめちゃに多い訳では無いので、いわゆるマイナー言語でありがちな「検索しても欲しい情報が出てこない」現象がどうしても発生します。それはもうしょうがないよ。

しょうがないし、自分で無理やり作る達成感もあると思うので、それはそれで良いとは思うんですけどね。あとは純粋に新しい言語って全然覚えられないから困った。

 

感想、今後の展望

ということで、初めてのゲーム作り、大変だったけどめちゃくちゃ楽しかったです。

ゲーム作るのって面白いですね……。というか、コード書いて思った通りの実装が出来たときの達成感が半端ないですね。

自分はコード書くの割と好きなので、性に合っている気がしました。

あとは沢山の人々―顔すら見られないような人々の力をお借りできたからこそ完成したな、と感じており、物凄く「人類に感謝……」の気持ちが溢れています。

素材を作って公開してくれた人、植物の写真を撮ってくれた人、ティラノスクリプトはじめ使えるサービスを開発してくれた人、テストプレイしてくれた人……無数の人が過去から現在にかけて何か行動をしてくれたおかげで、時間と労力を費やしてくれたおかげで、今回のゲームが作れたんですよね。なんかそれってすごくないですか。本当、こういう影で支えてくれている人々には頭が上がらないです。

自分がやったことも、どこかで誰かを支えたことがあったんだろうか……なんて考えちゃったりもしました。ほんの少しでも何かになってたら嬉しいけどね。

 

 

もし次回作を作るなら……舞台はシンガポールにしたいですね。

素材集めるの大変すぎるんだもん。

植物の写真を、欲しい画角ですぐ撮ってこれるのって大事だなと思いました。

協力者がいて下さるのであれば、シダ編とか、山編とか、植物園編とか、なんか色々できそうですよね。どうせなら何かに特化したものが続編だと面白そうだな、なんてぼんやり思ってます。

 

で、別の登場人物も出したいですね。

植物好子さん、他の名前をちょっとだけ検討していた時期があり、その際数人の人にアイデアをもらったんです。その案をそこで活用できたらな……などと思っています(勿論使うときには許可をとりますよ。無断では使いません!)。

あとは完全に別シナリオに分岐していくような、選択肢によって全然違うゲームになるようなものにもしたいですね。ランダム出題もしたい。

ムービーも入れたいですね……ムービー、動くのかわからずドキドキすぎて今回はやめちゃったので。

 

改めて、関わってくれた皆様、素材やサービスを作ってくれた皆様に感謝申し上げます。

本当にありがとうございました!!!!

 

 

P.S. その1

公開前にも関わらずファンアートを描いて下さった人に感謝を込めて、こちらで紹介させて頂きます……!

 

 

P.S. その2

リリースしてすぐに何人かの方が応援や感想を届けてくださり、めちゃくちゃ感動しました!嬉しかったです!

一箇所、初版では最後の問題に不備があったので(同定ミスってる)、第二版をアップロードしました。早く上がってくれ~~!

今まで頂いた全てのコメントが嬉しすぎてもう全部印刷してファイリングしたいくらいです。プレイして下さるだけで嬉しいのに、素敵なコメントを本当にありがとうございます。やっぱりコメント貰えると気持ちが盛り上がりますね。基本不安なので……

そして既にDL数が400超えたそうです。普通のゲームがどれくらいDLされるものなのかさっぱりですが、400人も興味持ってくれたんだ……とびっくりしました。ありがとうございます。皆が楽しんでくれているといいなぁ。