あいまいまいんの生物学

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学校環境からでもできる?オンライン講義に挑戦

休校になってしまいました。

ウイルス拡大を防ぐために休校措置をとるのは何も問題ないし大事なことだと思います。

しかし、受験生の気持ちとしては、こんなに授業がなくて進度大丈夫か!?と思うのではないか…???

そう思い、この休校期間中にオンライン講義を配信し、必要な生徒に届くような形にしたいと考えました。

今日はその試行錯誤について備忘録も兼ねて書いてみたいと思います。

先に言っておきますが、自分は普段スライドと授業プリントを用いて授業を進めるスタイルです。今回紹介するオンライン講義についても、スライドがあるからできた面が大きいです。

また、学校によって環境が異なると思うので、以下で紹介する方法がどこでもできるかは分かりません。ただ、下でも説明しますが、自分がいる学校も制約があったので、自分が最初思いついた方法はできませんでした。だから試行錯誤してなんとか抜け道を見つけた感じです。

 

前提:目指すもの

まず、自分がしたいことややる条件を整理しました。

  • 進度が不安で自分で勉強をしたいと思う受験生は、恐らく教科書だけを読んでも理解が難しかったり、押さえるべき知識の見分けが難しく不安に思ったりするだろう。それら問題を解決するようなオンライン講義をしたい。
  • 学校の勤務時間内で、かつ学校の環境内でオンライン講義に必要なものを作成できるようにしたい(時間外労働を安易に許容するのは間違った姿勢だと思うので)。
  • 文字よりも音声や視覚情報の方が意識に届きやすいと個人的には思っているので、音声と視覚情報を与えたい。ただし、生徒が持っている時間は貴重なものなので、それらの再生速度については自由度を与えたい。
  • 眼が動画に釘付けでなくても、音声だけを聴いていれば問題がないような状態が一番望ましい。
  • 与える情報は求められているもの以上にはしない。生徒が求めているのは知識と安心感であり、私の姿ではない。
  • リアルタイムな相互作用は求めていない。生徒個々が自分のペースで見るか見ないかも、見るタイミングも再生回数も決められるようにしたい。ただし質問等ある場合は自分に届くようにしたい。
  • 特別な機材はなしで、今ある装備だけでなんとかしたい。
  • 生徒と教師の間での個人的な連絡先交換ややりとりはご法度なので、それは避ける。

 

まず用意したのは情報発信のためのプラットフォーム

まず用意したのはGoogle Classroomです。

Google Classroomは教師からいろんな情報を発信できる(なんならテストとか課題も出せる)けれど、生徒個人に教員が連絡をすることはできない構造になっているからです。個人的な連絡のやりとりはできないようになっているからOK(だと思う)。

ただそうすると生徒から質問があった時に届かないのと、質問の時点でまた個人的やりとり云々が出てくると困るなというのがあったので、Google フォームで匿名投稿できる質問箱を作りました。

質問箱に対して生徒が質問を書いて投げると、教師はそれを受けられ(誰から来たかは本当に分からない)、それをclassroomに回答付きで掲載するという形態をとることで、質問を受けられるようにしました。

この時点で

  • オンライン講義をした際にURLや資料を受講者だけに公開できる環境
  • オンライン講義含め質問を受けられる環境

が整いました。

 

オンライン講義に必要な資料などの共有

オンライン講義をするからには授業プリントなどのデータが生徒に渡らなければならないと考えたので、

授業プリントと授業で使用しているスライドをすべて生徒と共有することにしました。

共有のためにGoogle driveを使用し、共有リンクをclassroom内で公開しました。

 

オンライン講義のためのツールを試す(失敗)

ここからはオンライン講義の話をしていきたいと思いますが、最初に挙げた前提でも述べた意図を考慮して、自分がやりたいオンライン講義の形態は

  • 授業スライドに解説の声をあてたもの
  • 自分の姿は映らないもの
  • スライド中のどこを話しているか指し示しながら進むもの
  • 音声だけ聴いていても良いようなもの

というものでした。それでいて、学校環境内でも作成とアップロード・共有までができるというのが目指すところです。

 

最初に思いついたツールはzoomです。zoomはオンライン講義にはもってこいだし、リアルタイムで配信するだけでなくビデオを撮影することが可能です。画面共有の形にすればスライドだけを見せることもできます。

更に教育者は5月までzoomのプレミア版が無料開放されています。

よってまずzoomを試そうと思い、学校のパソコンでテストをしてみました。

結果は失敗でした。

学校のネットワークだと、zoomを通してくれないようです。全く画面が映らず、動きもしませんでした。加えて学校のパソコンはアプリのダウンロードや設定変更が自由にできないようロックされており、zoomのアプリも勿論落ちません。

出だしから厳しいですね!笑

 

次に考えたのがXboxの画面キャプチャ機能を使う方法でした。

Windowsの場合Xboxというゲーム配信用の画面キャプチャや配信機能がついていて、非常に手軽にパソコンの画面を撮影しつつ声を入れられます。

早速試してみましたが、これも失敗でした。なんと動きません。動画だけ。なぜ???ロックがかかっているんでしょうが…

どれだけ悪戦苦闘してもうんともすんとも言わないので、これも諦めました。個人的にはこの方法でできるなら動画作成には勘弁なのでおすすめです。

 

ここでだいぶ手詰まり感があり、カメラ撮影なども試しましたが画質が荒いし何より肝心なスライドが全然見えません。カメラはそもそも手ブレとかあるし声も遠いし論外に近いです。

画面キャプチャと音声取り込みができればいいんだが…と方法を検索してみてもアプリばかり出てきてしまうので、アプリダウンロードができない学校では無理無理の無理です。

弱ったなーと思ったんですが、ふと、トイレに行った時ふと思いついたんですよ…。

 

PowerPointを使ったオンライン講義動画作成

そもそも自分はスライドを用いた授業がしたかったのに、そのスライドを作っているPowerPointの機能を見ていなかったな?と思ったんです。

なんなら確か、録音とか、ページ送りのタイミング保存とか、あったよな????と思い…

急いで確かめてみると、なんとありました!PowerPointには、録画機能がついているんです。

f:id:I_my_mine:20200411114913p:plain

ここ

押してみると、なんと

  • スライドのアニメーション+ページ送りのタイミング
  • ペンでの書き込み

のすべてが録画できる!!!!!!!これが求めていたものでは…???

しかも、

  • 1スライド単位で撮り直しが何度もできる
  • 音声のトリミングが可能
  • 動画もばっちり入れられる

という。ただし、スライドは必ず一方向にしか送って行けず、録画中に「戻る」こと(1枚目のスライドをみせてから2枚目のスライドを見せ、また1枚目のスライドを見せる、みたいなこと)はできないので、そういうことがしたい場合は全部スライドを作っておく必要があります。

そうだとしたってこんなの完璧では?学校のパソコンで十分この録画はできてしまいますし、自分が映るかどうかも選択できるし。PowerPoint、見直したわ…。

 

録画ができたら次は勿論それを動画にしたいわけですが、動画にするにはファイル→エクスポート→ビデオの作成 でできてしまいます。

あんなに苦戦していたのにあっという間に欲しい動画ができてしまいました(エクスポートはめっちゃ時間かかりますが、エクスポート中に次の動画作ったり他の仕事したりすれば無問題です)

 

最後は講義動画の共有

オンライン講義のための動画はこれで整ったので、あとは共有方法なのですが、これは幾らでもあると思います。

私の話をすると、自分の授業スライドは著作権的に駄目な画像が多いのと、最初も言ったように再生速度を変えられるツールがほしいという欲求、そして学校環境からいけるもの、という条件から、あえてyoutubeを選びました。

youtubeは限定公開を選択できるので、これを選べばURLのみを知っている生徒だけに公開できます。classroom内でURLを共有すれば、外部の人間には見られません。

youtubeは2倍速まで対応可能なので、速度面の条件もOK。

また、youtubeで配信する利点として、ファイルサイズを考えなくてもよいことがあります。driveで共有してもいいんですけど、動画はどうしても重いので、youtubeで投げた方がいいなという結論になりました。

自分はこれ以上探索していませんが、もっと楽で何も考えなくていい動画共有方法があるのかもしれません。

 

ということで、自分がいる学校環境内からオンライン講義を作るには、

  • classroomとフォームというプラットフォームを作る
  • 授業に必要な教材をdriveで共有する
  • PowerPointの録画機能とエクスポートで動画を作成する
  • youtubeの限定公開でURLをclassroom内で公開する

という方法でいけるというのが自分の中での結論です。

 

オンライン講義は実際やってみると難しいし、何か言われるかもしれないけど…

実際このスタイルでやってみた感想を言うと、「自分のオンライン講義めちゃ下手だな」ということです。

対面授業とは全然違うコツやテクニックが必要なのだということを痛感しました。

しかしやっていかなければその気付きもなく、向上もないわけで、こういう時期があることも大事なのだと思いつつ、オンライン講義の取り組みは続けていきたいと思います。

 

ちなみにこの方法でオンライン講義をやっていることは、現在学校には伝えていません。何か言われると面倒だし、やれていることができなくなると困るので…(何もいけないことはしていないつもりだけど…)。

 

加えてこれを学校でやる授業の完全な代わりにするつもりもありません。ネット環境がない生徒は実際いるわけですし、オンライン講義を皆が聴く前提で取り組むのは難しいと個人的には思います。

しかし、授業がなく、普段から聴いていた人の声がなく、毎日が不安定なこの状況下で、もしかしたらオンライン講義の声を聴くだけでも生徒は安らぐかもしれません。また、教科書をただ読むよりも、音声や視覚的情報の方が効率が良いかもしれません(個人的には文字から知識を得るのはかなりガッツがいると思っている)。

だから補助教材のつもりで配信していけたらいいなと思っています。

本当に補助になっているのかもそもそも生徒が求めているのかもわかんないんですけどね…

 

また、こういう試行錯誤(学校で・勤務時間内で・特別な機材なしで何ができるか?)はどこかで役に立つ可能性もあるんじゃないかともちょっと思っています。ウイルスによる休校がいつまで続くか分かりませんが、これが収束したところで世界が元通りになるとも限らず、オンラインで講義を発信していけるような取り組みは進めておいて損がないと個人的には思うのです。

ということで、誰かの役に立てればと思い、この記事を終わらせて頂きます。