今日の授業では、タイトルの通り
・身近なことから導入をしていくこと
・具体的な例を挙げたりまたは挙げさせたりすること
・答えをすぐ与えたり急かしたりするのではなく考えるのを待つこと(ついでにヒントを明確に与えること)
を意識して、1年生の生物基礎の授業を行ってみました。
授業内容は免疫、特に細胞性免疫の続きから免疫異常による病気の話の範囲だったのですが
・拒絶反応を具体的なイメージで話す。(Aさんの持っている肝臓をBさんに移植すると、Bさんの中ではAさんの細胞への細胞性免疫が生じて脱落する)
⇒理想はここから「じゃあ現実の移植時にはどんな工夫をしなければいけないだろう」を考えたい?
・二次応答のグラフを説明するとき、一次と二次を並べて応答までの時間と抗体量を具体値で黒板に明記し比較させる。
・免疫は本来異物から身体を守るものであることを強調した上で、普段思い描いている「異物の侵入」という要素だけで病気になるのか?と問いかける。そこで免疫の弱化や異常化が病気を引き起こすことまで引っ張り出す。その具体例を挙げていくという体で続きをやる。
・エイズについて知っていることを列挙させ、なぜ皆知っているのか?どうして怖いのか?と問いかけ想像させる。
獲得免疫を殲滅するにはどの細胞のみにHIVが感染すればよいか?を、かつて描いたイラストを見ながら考えてみよう、と要素を指示する。
・獲得免疫が働かないということはどういうことなのか、を共生細菌を一個取り上げて説明(考えても良い)する。
という風に幾つか細かい修正を加えてみました。
中々良い反応が出たのと、理解していることが分かる返答が得られたので、完璧ではないにせよ以前より良かったのではないかと思います。
ただ、時間がかかることが問題です。
知識の教授をスマートに行って、そこで出た余剰の時間を思考にあてるという構図が一番理想的かと思うのですが・・・
あと、正直教えていて思うのは、
教科書の内容「のみ」を綺麗に教えるだけだと、生徒は「生物基礎ってそこまでの学問でしかないんだ」って感じるんじゃないかなって危惧しています。
生物基礎で学んだことってもっと広げられるよ!
こんな面白いことも考えられてしまうんだよ!
という拡がりが、生徒を惹きつける面があるんじゃないだろうか、と・・・
私が高校一年生の時に受けた生物基礎で、先生が急に黒板にずらずらとよく分からないことを展開し始めて(教科書を見ても載っていない)
図説を急いで開いて確認しつつ、それでも追いつけなくて、あぁ、もっと広いんだなぁ、きっと面白いことがそこに沢山詰まってるんだろうなと
おいてけぼりを食らったことで感じた想い出があります。
二・三年生で受けた生物でも、教科書の内容も勿論分かりやすかったですが、
自分の好奇心を煽ったのはいわゆる「無駄話」のような
具体的な先生の体験談、最近の研究の進展、ノーベル賞の話、テレビでやっていた生物の話、などでした。
学問が「この程度のもの」と思わせてしまう授業ではいけないと私は思います。
学問が「拡がる」感覚を得させられる授業が良いと思うんですよね。
自分にはまだまだ、そういうところが欠けています。