あいまいまいんの生物学

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米粒から抽出したDNAでコメの品種判別

!Caution!

この記事は、高尚な教材開発の話ではなく、「ポンコツ教員がちゃんと指導書を読まなかったせいで2週間を無駄にした」という内容です。それでも良いよという優しい方は私の悪戦苦闘歴をご覧下さいませ。

 

コメの品種判別をやってみようと思いました

高校の生物教員です。

本校は、なにかしら機材が充実していたりします。

サーマルサイクラーもあるし、マイクロピペットもあるし、エッペンチューブもありますし、電気泳動槽もあります。素晴らしいですね。

例年本校では、3年生の理系生物選択者対象に、PCR電気泳動の実習を行っています。4時間くらい連続で授業コマを使ってやっています。毎回その時の3年生担当教員がテーマを考え、実施します。

昨年度までは、「メダカの尾びれからDNAを抽出→あるプライマーセットでPCR制限酵素処理→電気泳動」で、そのバンドパターンからメダカの系統を分析するという実習を行っていたようです。しかし、個人的にメダカを揃えるのは大変だなぁとか、メダカのヒレを切る経験は大事だけどちょっと危ういなとか、最後のバンドパターン解析が割と力技だなとか、色々思うところがあり、もっと簡単に取り組めて綺麗な結果が出る題材は無いものかなと考え始めました。

そこで出会ったのが第一学習社で紹介されている「コメの品種判別」というものでした。コメは品種判別が米粒や植物体を見ただけでは難しいので、PCR電気泳動の結果を用いて品種判別をしているのだそうで、それを学校でも再現してみようという教材です。

これは面白そう!!しかも米粒なら簡単に手に入るし良いのではないか!?

そう考えて、安直に「これに決めた!」と言い出したのが今年7月頃の話。あの頃はまだ、ここから始まる地獄なんて、何も見えていなかったのだった……………

 

コメの品種判別はどうやれるのか

実験云々の話に入る前に、先に今回やろうとしていたことを説明したいと思います。

やりたいこととしては、

米粒からDNAを取り出して、

そこに対して特定プライマーセットを使って品種判別に使える領域(=品種ごとに持ち方が違う遺伝子領域)のDNA断片を増やし、

それを電気泳動にかけてバンドパターンを見ることで品種を特定しよう、

という非常に単純明快なものです。

対象とするコメはコシヒカリ、ひとめぼれ、あきたこまちにしました。教科書で紹介されていたのがそれだったので。

この三種は、2つの遺伝子についての持ち方の組み合わせが異なります。

一つはいもち病耐性遺伝子Pii遺伝子です。コシヒカリは持ちませんが、他の2つはこれを持っています(それがコシヒカリがいもち病に弱い原因だよね)。指定されたプライマーで増やすと1610bpの長さになります。

2つ目はコシヒカリにある塩基配列部位です。これはコシヒカリとひとめぼれが持っており、あきたこまちは持ちません。指定されたプライマーで増やすと830bpの長さです。

つまり、この二箇所に対するプライマーを設計してバンドパターンを見ると、

コシヒカリ…830bpのバンドのみ

あきたこまち…1610bpのバンドのみ

ひとめぼれ…830bpと1610bpのバンド

が出るはずで、それによって米粒では見分けられなかった品種が見分けられるようになるという原理です。

 

ちなみにあきたこまちとひとめぼれは、コシヒカリを親として作出された品種たちです。あきたこまちは奥羽292号とコシヒカリ、ひとめぼれは初星とコシヒカリの掛け合わせで作られています。

という話をすると、「じゃあなんであきたこまちコシヒカリが持っている配列を受け継いでないの?」とか言われそうですが、それは品種作出の過程に原因があります。

品種というのは結局は純系にならなければなりませんので(そうじゃないと全然違う味の者たちが産まれてきてしまう)、純系を生み出すために、初発は別品種の掛け合わせだとしてもその後は自家受精をしてなるべくホモになった個体を引っ張ってくることになります。その過程で乗り換え・組み換えが繰り返され、最初に掛け合わせた別品種のもつ各遺伝子たちが一染色体上にランダムに乗った状態になったものが作出されてきます。……よくわからなければ下の図を見て下さい。

f:id:I_my_mine:20201010115743p:plain

なのであきたこまちではたまたまコシヒカリが持っている830bpの領域が無い=その染色体部位が初星由来のものになってしまっている、ということです。

Pii遺伝子の方は「奥羽292号と初星は持っているけどコシヒカリにはなかったんだよ~」とか言えば生徒は「なるほど~だからひとめぼれとあきたこまちは持ってるんだ~」なんてすんなり思いそうですが、それも同様の仕組みで、たまたまひとめぼれとあきたこまちでは持っている染色体のPii遺伝子部分がコシヒカリ由来ではなかっただけだということですよね。

これ説明するのちょっと大変だけどいい勉強にはなるよな、とか思ったり思わなかったり。

 

ついでに、よく調べてみると品種特定に使えるプライマーセットは他にもたくさんあるみたいです。そういうのにチャレンジしても良かったかもしれない。純粋に検査できる遺伝子の数が多いほど品種特定が細かくできるようになりますからね。

 

さぁ、予備実験するぞ!

ということで、長ったらしい説明を終えたところでいよいよ実験の話に入りましょう。

実験するぞと決めたとしても、指導書通りやってもうまく行かないこともあるので、高校等の実験を計画する時は必ず予備実験をして結果が出ることを確かめておかなければなりません。予備実験することで実験時の注意点なども気づけますしね。

てことで必要な物を揃えます。

第一学習社の教科書を見てみると、用意するものは

と書かれていました。とてもシンプル。色々手はずを整えて物を調達していきます。PCR用の諸々…TaqとかbufferとかdNTPsとかは、昨年度の先生が実験をやろうとして実施しなかったせいでその余りが全部残っていました。発注しなくても使える状態です。

電気泳動の諸々も勿論ありますし、エッペンチューブやチップなどもばっちりあります。

ということは、注文しなければならないのはプライマーとコメとやすりだけか。

うまくいけば夏休み中に予備実験できるな~授業ない時に予備実験したいな~と思いながら動いていきました。ところが……

 

プライマーの発注で2ヶ月待たされた

いきなり私の甘い考えが打ち砕かれました。

プライマーの発注を事務に頼んだんですが、まず一般的な人間にプライマーって通じないですよね……。

「これってどういうもの?」「どういう状態で発注かければいい?」と色々バタバタとやり取りが続きました。でも事務の人たちはものすごくよく頑張ってくれて、すぐに発注をかけてくれました。

ところが今度は、発注先から連絡がうんともすんとも来ない。プライマーってこんな時間かかるもんだっけ?と思いつつ一ヶ月。夏休みが終わり、授業が始まり、まだ来ないな……と思っていたら、やっと発注後2ヶ月経って届きました。しかも、ウェットで頼んだのにドライで届くという……なんで?

まぁTE Bufferに溶かすだけだからいいんだけどさ………。発注はウェットだったんだよなぁ……。いいけどさ………。

これでがっつり授業パンパン詰まってる中で予備実験しなければならなくなりました。

 

更に困ったのが「やすり」と「コメ」。

やすり、網目の細かさの指定がない。どれで削ればいいんだ?

迷いに迷って#60,#120, #240 のセットを買ってきました。

まぁ全部試してみればいいや、と思った。

コメについてはどれだけ量が必要か分からず。PCRチューブ一つにつき一粒でいいのかな?と思いつつ、まぁでも多い分には困らないし、と各種一合ずつ購入してきました。この時コシヒカリはBL種じゃないものを買うよう気をつけました。BL種はPii遺伝子が入っているので要注意です。判別できなくなります(泣)

 

そんなこんなで物が揃いまして、いよいよ予備実験スタートです。

そういうときに限って授業がめっちゃ詰まってます。実習生も来ます。死にそうになりながら、始業前に生物室に籠もり、空きコマも昼休憩も必ず生物室に籠もり、業後も生物室に籠もって7時くらいまで実験する日々が始まりました。

 

予備実験をやっていく!

最初の予備実験(失敗)

最初の予備実験は第一学習社の教科書どおりにやっていきました。

まず米粒を削ります。一つのチューブにつきやはり一粒の米粒で十分そうだな~と思いながら削っていきました。削る時指が削れて死にそうでした。指つるって。

ちなみに目の細かさは#60だとゴリゴリいけますがちょっと粗い感じでした。#120が教科書の粉末に一番似ている気がします。#240はもはや米粒を綺麗に磨き上げている感じです。粉末がほぼ無なのでやめたほうがいいです。米粒を削るのは半分が限界でした。半分以上は削れません。

PCRチューブ一つにつき一つの品種・一つの米粒から削った粉を注ぎ、そこにPCR用の溶液を注いでいきます。しかし第一学習社のものには「PCR用溶液 ○○μL」という書き方がしてあります。自分の手元に先代の教員から託されていたものは、KAPA Taq EXtra PCR Kitというものでした。

www.n-genetics.com

聞いたこともないメーカーでしたが、まぁこれを使わないと進まないので、Technical Data Sheetを検索してPCR用の液の組成を調べ、基本こちらに合わせながらPCR溶液を作成しました。

https://www.sigmaaldrich.com/content/dam/sigma-aldrich/docs/Roche/Datasheet/1/kk3009dat.pdf

 

で、#60で削ったコシヒカリ、#60で削ったひとめぼれ、#60で削ったあきたこまち、#120で削ったあきたこまち、#240で削ったあきたこまち を入れたPCRチューブにPCR溶液を25μLずつ注ぎ、慣れないサーマルサイクラーで第一学習社プロトコール通りにセットしました。

98℃ 2min

98℃ 20sec → 64℃ 15sec → 68℃ 90sec ×35cycle

4℃ endless

です。

古いサーマルサイクラーで仕様書もないので分からない気持ちでいっぱいになりながら操作し、なんとか実行ボタンを押しました。

これが最初の予備実験でした。

 

サーマルサイクラーが終わるかな~という頃に生物室に来て画面を覗くと、まだ終わっておらず、もうすぐか~と思いつつしばらく画面を見ていました。

すると、変なことに気づいたのです。

……68℃ 90secのはずなのに30secって書いてないか?????????

実はこのサーマルサイクラー、90secを一つの温度で設定することができず、温度枠を3つに増やしてすべて30secにしないと90secが実現できない仕様でした。私は90secと打ち込んでいたのですが、それが機械側に勝手に30secに直されていたのです。

サーマルサイクラーすべてがそういう設計かもしれませんが、正直私は久々に触ったのでそんなトラップに気づくことがなく、そのままやり続けてしまったのでした。

90sec伸長のところを30secでやったらまぁ伸びるわけがないですよね。大失敗でした。これが一回目。

 

二回目の予備実験(失敗)

めげてたまるかと、二日目は朝から米粒削ってPCRをかけていきました。

サーマルサイクラーのセッティングも慎重に行いました。その時endless設定の仕方にも気づきました(99分59秒と入れるとendlessになる。そんなの気づくか?)。私は実験をしているのか、それとも機械の研究をしているのだろうか。謎。

で、アガロースゲルも作成。ゲルは1%で作れと書いてあったので1%で作成しました。1%はとろっとろでかなり危険な感じがしました。

これでいよいよ泳動です。

本実験ではDNAを蛍光で光らせるUltraPowerDNA セーフダイをローディングバッファーにもラダーにも混ぜてあるので、ブラックライトを当てれば見ることができます。

電気泳動も終わり、ドキドキしながらブラックライトを当てると・・・・・・・・・・

 

無!!!!!!!!!!!なんもない。ラダーだけ……

 

なんでやー!!!!!!!!ちゃんとやったのに!!!!!!!!

こういう時何を直せばいいのかわかんないよ・・・・・・・・

でもなんとなく#140のレーンにだけ蛍光が見える気がする。もしかして削り方の問題だったのかも?あとはTaqが足りなかったかも…

ということで3回目の予備実験へ。

 

三回目の予備実験(失敗)

上で思ったことをそのまま実装しました。

Taq含有量を増やし、コシヒカリあきたこまち・ひとめぼれを全部#140で削りました。

サーマルサイクラーもちゃんとセットして、

ゲルは1%だとずるんずるんなので2%にしてみました。

一日かけて、休む間もなく働いて残業して泳動して、ブラックライトを当てたら……。おっ、無じゃーん、一日ぶり!!本当、もう会いたくないよ。

高価な試薬をどんどん無にしていく屈辱。美味しいはずの米がゴミになって終わる寂しさ。色んな罪悪感で精神が抉れていくし、もう無理なのでは……???という気持ちに苛まれながら、自分の中で一つの疑問が膨らんでいくのを無視できませんでした。

 

ていうか……米粒削ったやつそのままって、だいぶ汚そうだけどPCRかかるのか…???

もしかして第一教科書、特殊なPCR溶液使ってるんじゃないだろうな……????

 

そう思い、最後の気力を振り絞って教科書の実験ページを眺めてみると、なんと。

 

欄外に、「本実験では米粒の夾雑物を取り除ける特殊なPCRセットを使っています」という旨の記述がある!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!小さいよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!いや見なかった自分が悪いんだけど。

 

これはもう抽出するしかないぜ!?!?DNA抽出してやってみるしかないぜ!?!?!?!?!?!?!

ということで、四度目の予備実験突入です。その前に米粒からのDNA抽出を調べてみよう。

 

普通に指導書ネットに転がってたわ

米粒からのDNA抽出してPCRに耐えられるやつ……と検索していたら、早速見つかったのが岩手県教育委員会が出している指導書。「第一教科書のやつを普通の高校でもやれるようにした!」と書いてあるし、自分の欲求にドンピシャです。

http://www1.iwate-ed.jp/kankou/kkenkyu/174cd/file/h30_04_7_2.pdf

http://www1.iwate-ed.jp/kankou/kkenkyu/174cd/file/h30_04_7_4.pdf

最初からこれに出会っていれば。最初からこの指導書のとおりにやっていれば、あんな予備実験と無の数々はなかったのに……次から実験やる時はちゃんと最初から検索しましょう。反省。

結局、ここに書いてあるとおりのDNA抽出液を作って実践してみることにしました。

 

最後の予備実験

DNA抽出液の作成

まずはDNA抽出液の作成から。100mLのDNA抽出液を作るのに必要なのが、

1M Tris-HCl 20mL

5M NaCl 5mL

0.5M EDTA(pH8.0) 5mL

10% SDS 5mL

蒸留水 適量

だったので、忠実に全部作りました。あのね、全部溶けにくい。特に5M NaClなんて全然溶けない。飽和ギリギリだからね。15分間ずっとスターラーで回し続けるとやっと溶けるくらいです。

Tris-HClはまずトリス塩基を探して下さい。100mL分作りたい時は、12.1g のトリス塩基 を約70mLの純水に溶かし、そこに6N HClを10mLくらい入れると大体pH8.0よりちょい上になります。スターラーで撹拌しながら1N HClを加えていって調整するとpH8.0になります。

そうしてひいこら言いながら作ったDNA抽出液をオートクレーブにかけました。

それを冷蔵庫で保存しようとして生物室の冷蔵庫を開けたらG2 Bufferが目の前にでーんと置いてありました。G2 Bufferあるのかいな。G2 BufferあるならこれでDNA抽出できたのでは……と思ったので、今回の予備実験では自作DNA抽出液とG2 Buffer両方でDNA抽出を試してみることにしました。

 

DNA抽出(自作DNA抽出液版)

DNA抽出は上で紹介した岩手県の指導書通りにやりました。99%エタノールではなく100%エタノールを使ったところが違うくらいです。

あと最初に米粒を5粒潰す作業がありますが、水を吸うと本当にできなくなるので、私は

  1. 乳鉢に米粒5粒を乾燥状態で入れ、それを乳棒でそのまま押しつぶしそこそこ細かくする
  2. 1の状態を作った後でDNA抽出液を1000μL注ぐ
  3. 注いだ液と米粉をごりごり乳棒で混ぜていく

という方法でやってみました。米粒は上から圧をかけるだけで案外簡単に破壊されます。飛び散るので他の乳鉢に入らないよう注意が要ると思います。

 

DNA抽出(G2 Buffer版)

G2 Buffer版では、DNA抽出液のところをG2 Bufferに変えただけで、ほぼ岩手県の指導書通りに処理してみました。

ただ、恒温槽で65℃10分だと短いかもなぁと思い、熱処理を55℃30分にしてみました。

そこが違うだけで全く同じ工程です。

 

PCR

自作DNA抽出液でもG2 Bufferの方でもDNAが回収できたっぽかったので、両者を使いながらPCRしてみることにしました。

自作DNA抽出液版こしひかり、ひとめぼれ、あきたこまち で3本、

G2 Buffer版こしひかり、ひとめぼれ、あきたこまち で3本、計6本なので、PCR用の溶液は以下の組成にしました(KAPAのPCR kitを使用しています)。

Taq 6μL

Taq Buffer 30μL

dNTPs 3μL

MgCl2 9μL

蒸留水 84μL

プライマー(10M) 各3μL(4種なので計12μL)

 

これを1チューブ24μLずつ分注し、各チューブにDNA液を1μL加え、最終量25μLにしました。

サーマルサイクラーのセッティングは、岩手県のものと教科書のもので割と違ったので、

98℃ 1min

98℃ 10sec → 64℃ 10sec → 68℃ 90sec ×35cycle

4℃ endless

になんとなくしました。

 

電気泳動

泳動用のアガロースゲルは1%のものと2%のもので試してみることにしました。

どちらも泳動にかかった時間は40分くらいです。

 

これでだめだったらもう自害するしかないか……???????と祈るような気持ちでブラックライトを当ててみる、と・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!


f:id:I_my_mine:20201006215619j:image
やったー!!!!!!!!!!!!!!!!出た!!!!!!!!!!!

これは2%のゲルですが、ちゃんと出ました!!!!!見た瞬間涙出たし変な声あげちゃったよ。本当によかった・・・・・・・・・・・・・

 

この実験で、G2 Bufferでも行けるということが分かりました。選択肢が増えるね。

でもノンスペがたくさん出ていますね。長いプライマーだからそうそうノンスペはなかろうと思っていたのだけれど、そんなことはないのかしら。アニーリングの時間を10secから5secとかにしたほうがいいのかもしれません。

歪んでるのは電気泳動槽の電極が曲がっていたからでした。後から確認したらそうなってました。仕方ないね……

 

2%と1%のゲルの結果を並べてみました。上が2%、下が1%です。
f:id:I_my_mine:20201006215634j:image

 1%ゲルだとやはりずるんずるんで、高校生が扱うのも難しそうだし、バンドもものすごく汚い気がします。私の技量がないだけのような気もします。

個人的には2%がおすすめです。

 

 

ということで、数多の試練を乗り越えて(勝手に自分が試練を作っただけだろうが……)やっと成功させることができました。感無量です。これで高校生も実験できます。よかったよかった。現在はどういう風に実験を進めていくか計画中です。4時間体制で、1回目2回目がDNA抽出、3回目PCR、4回目電気泳動になりそうです。

高校生に実践してもらったら、その状況等もまたシェアしたいと思います。

 

ちなみに

余談ですが、あまりにもうれしかったのでTwitterに写真をあげたらめっちゃいいねして貰えました。200くらいいいねしてもらった。皆「バンド出ねぇ……」の虚無の気持ちを分かってくれているから優しくしてくれたのだろうか。本当に嬉しかったです。ありがとうございました。

で、そのツイートに対し「米粒は大変だよ」っていうお言葉も頂きました。らしいですよね。なんか調べると米粒は夾雑物のオンパレードなので、精製が面倒らしいのです。やるなら胚の方がおすすめだという正規の研究者の方からのご助言を頂きました。胚ってそんなに簡単なのかな、一度やってみたいと思います。

あと、今回の実験では制限酵素処理がないし、結局色んな人の知恵を貰っただけで自分の工夫はないので、次を目指すならこれに制限酵素処理を入れてみたいですよね。何かSNPがあってそれが制限酵素で見分けられる系のものがコメにあるか探してみたいです。