今日ふんふんと思ったのは2つ
1つめ:
Recent research on the behavioral effects of tryptophan and carbohydrate.
セロトニンは、トリプトファンから脳内で作られる神経伝達物質である。
トリプトファンのみを消費したときと、タンパク質に乏しい炭水化物の食事を摂ったときでは、後者の方が脳でのトリプトファンとセロトニンの割合が上昇することが分かった。炭水化物の食事は、食べるとインスリンが分泌される。インスリンは血漿中の中性アミノ酸の大部分の割合を減らすことで、血液脳関門を通じた輸送におけるトリプトファンと中性アミノ酸の競合をなくすらしい。セロトニンの面から見たこの脳変化は、食事が行動に影響する仕組みについて尤もらしいものを提供していると考える。
つまり、要約するとこうだ。「焼肉食べるならご飯を食べよ」と!(本当か…?)
トリプトファンを含む肉だけを食べたり、アミノ酸のサプリを飲むだけだったりしても競合するから駄目なのだ。そこに炭水化物によるインスリン放出を追い打ちしなければ…!!
ということは「焼肉の時ご飯を食べる」ソリューションは非常に合理的なのではないか?精神的安定!絶対的安心感!!
身体は自分にとっていいことをよく知っているのだ、きっと。だって食べたくなるもんね、焼肉の時にお米…。
お肉と言えば脂じゃん?ってことで、
最近話題になった「脂味」の論文も読んでみた。
Oleogustus: The Unique Taste of Fat
6番目の味:「脂味」があるらしいぞ!ということで。
ただし、この脂味の刺激となる遊離脂肪酸は他の味が欠けていると質的に変わってしまうようだ。知覚マッピングによって、中間または長鎖遊離脂肪酸が他の味とは異なる知覚をされていることがわかった。
短鎖脂肪酸は酸味に似た知覚を刺激するそうで、まぁこれは酸がそもそも短鎖脂肪酸からなるものだからだろうと。アルキル基を伸ばせば明確に知覚は変化していき他の味覚から離れていくので大丈夫、みたいな捉え方らしい。
中間または長鎖遊離脂肪酸においても、実はうま味の知覚とちょっと被っているが、これは両者に類似性があるからではなくむしろ純粋なうま味に被験者が不慣れなためだろうと解釈している。ついでに、IMP(イノシン酸:脂味)とMSG(グルタミン酸ナトリウム:うま味)との組み合わせはうま味信号を増強するのだそうで、脂味が加わることで知覚されるうま味は増強されると考えられるそうだ。
長鎖脂肪酸は固有の受容体との結合も見つかっていて、独自の味覚を刺激しているだろうという確信が高いようだけども、中鎖脂肪酸は実は受容体とあまり高い結合能も示さず、ヒトにおいて中鎖脂肪酸用の受容体もまだ同定されていないらしい。だからまだ「潜在的に刺激性がありそう」という程度で留められている。
要するに脂味として確定してきそうなのは長鎖脂肪酸だけであって、他の脂肪酸はまだまだ探求の余地ありということのようだ。
実験方法と統計データが地味に読み切れていないので、またあとで余力があれば…。
頭の弱さを切実に感じる…(>_<)