前回
唐突にやり始めた人体モデリング。
ここで学んだ技術を基に、今度はResearchatの いたのりさ ちゃんを作ってみることにしました。
Researchatはめちゃくちゃ面白い生物系研究者のPodcastです。
全人類聴きましょう。
でもって いたのりさ ちゃんとは、Researchatメンバーの一人たまきさんが考えたキャラクターです。
お納めください。(なぜか二つ... pic.twitter.com/ibYPoTRyln
— Researchat/研究雑談Podcast🧐🔬🦠🎙 (@researchat_fm) 2020年12月25日
かわいいですね。
かわいいので作ってみたいと思いました(安直)。
今回はちょっと長い挑戦なので目次を先に立てておきます。
- 取り敢えず3D立体を作る
- 動かしたーい!
- シェイプキーで表情を作るぞ
- 次はカメラワークでしょう!
- 次は環境を作りたいな~~
- すべてを通して学んだ一番大事なこと
- こんなことしてなんになるの?って思われるかもしれないけど……
取り敢えず3D立体を作る
三面図どうするの
さて、いたのりさちゃんを作りたくなったのですが、三面図がありません。
三面図がないと自分で三面図を描かないといけないので、それが億劫でごろごろしていました。
すると、Twitterを通じてremonさんという天才絵師さんが「三面図描きましょうか?」と手を挙げてくださるという……!
remonさんの絵は繊細・的確・美麗です。Twitterとブログを貼っておきます。
https://runningremon.wordpress.com
remmonさんとはresearchatを通じて知り合ったので、志同じくしてりさちゃん作成に協力してくださったという次第です。ありがたや。
てことで、remonさんが三面図を提供してくださりました。大人ではなく、敢えて幼いちびりさちゃんを作って頂きました。
瞳、スカートのテクスチャも描いてくださったので、早速3Dにしていきます。
3Dにするぞっ!
今回は前回の反省を活かし、
- あんまり面の数を増やさない
- なるべく四角い面を作る(三角の面を張るとなんか尖るので)
- 変な点や線・面を連動して意図せず動かさないように注意する
- モディファイヤーの適用はギリギリまでやらない
ということを守って実行しました。
前回の経験があったので、今回はとても手早く&いい感じにできました。三面図もそれ用に作ってもらったので、きっちり合ってて使いやすかった……。
……のですが、私がアホなので最初三面図を読み違えて、短パンスタイルにしてしまいました。
本当はチェックスカートでした。そんな間違いある?????????
りさちゃん、こだわって白衣を着せてあります。
白衣の襟を作るのが個人的には大変でした。
白衣を脱ぐとCas9Tシャツが出てきます。
稚拙ですが私が描かせて頂きました。ほしいなこれ。
ヘッドフォンにはDNAを描き込みました。勿論右巻きです。
今回の作成過程で一つ困ったのが、服や髪の毛を作る時のメッシュの形状です。
基本的にミラーモディファイヤーをとサブディビジョンサーフェスを適用しながらモデリングをしていて、最初身体を作り、他の部位は身体のメッシュを基準に複製して作っていきます。
のですが、複製したメッシュではミラーの中心に切れ目が入ったり、謎のくぼみが生じたりするんですね。所謂スカートでいうと後ろのスリットみたいなのが、どの部分にも出るのです。
どうにもならんなこれと試行錯誤しましたが、結局これは、一度モディファイヤーのミラーを消して、再びミラーを適用すると直すことができました。
もしかしたらモディファイヤーのミラーとサブディビジョンサーフェスの順序のせいもあるかもしれない。なんにせよなんとかなることはわかってよかったです。
あともう一つ困ったのが、頑張ってしたテクスチャペイントが消えてしまう現象。
フェイクユーザーで保存をかけたり、逐一オブジェクトモードに戻って保存する必要があるみたいです。が、細かいことはわかりません。10回くらい泣きました。Cas9……。
とはいえモノができてよかった!
なかなかかわいくできたのではないでしょうか?
動かしたーい!
とはいえ、ガワができても動かないと悲しいものです。
前回の幼女さんでは達成できなかったボーン入れに、再度挑戦してみることにしました。皆やってるんだから私のだってできるはず!!!!!!!!今回綺麗めに作ったし。
ということで、まずは
モディファイヤーをすべて適用→全部のメッシュを統合→ボーンを適用
という順で実行しようとしてみたのですが、やはり自動ウェイトではうまくいきません。一切適用してもらえず。
そこでふと、前回の幼女さんの髪の毛ボーン事件を思い出しました(勝手に命名しました)。
「前回髪の毛だけのメッシュにボーンが入ったように、すべてバラバラのメッシュの状態にしたままで、身体メッシュのみにボーン適用したらいいのでは?」と思ったんですね。
やってみました。
モディファイヤーの適用も、あえてせずにやってみよう、とトライしてみたんですね。
すると!あっさり身体にボーンが入り、肉体のみが動くようになりました。すごい!
とはいえそのままだと髪の毛も目玉もすべて置き去りにして肉体だけが動くことになります。怖すぎ。
他の部分も連動させなければなりません。
肉体に一個ずつメッシュ統合してみたらどうか?とやってみましたが、これは駄目そうでした。メッシュが3つくらいになると、もう自動ウェイトがきかなくなります。
結局色々試してみて、一番良いのは
目・髪・靴下・靴・ヘッドフォン→特定のボーンのみに追随すればいいので、ボーンに親子関係を設定する
服(Tシャツ、白衣、スカート、パンツ)→空のウェイトを設定しておいて、身体のウェイトを服に転送する
という形でした。ウェイト転送については下のサイトを参考にしました。
もしかしたら靴、靴下もウェイト転送の方がいいかもしれません。
とはいえこれでいい感じに動くようになりました。やったー!
ウェイトペイントをうまいこと併用すれば、もっと思い通りに動くようになりました。念願のヒト型モデリング動かし成功です!!!!!!!!
無事にボーンが入ったのでアニメーションを作ってみました。
……とはいえ、ちょっと不気味ですね。なんか満足いかないので、より自然にするにはどうしたらいいか?と考えました。
きっと必要なのは、そう、「まばたき」です。
シェイプキーで表情を作るぞ
不自然さ脱却を目指して、まばたきをさせるぞ!と決意したのですが、やり方を知りません。
なので調べてみると、シェイプキーというものを使えばできそうだということが判明しました。
シェイプキーを作れば、逐一メッシュをいじらなくてもまばたきを自由なタイミングでさせられることができます!HAPPY
早速挑戦です。
とはいえ、自分のりさちゃんのアイラインはテクスチャペイントで、記事ではメッシュになっています。ペイントの場合どうなるのかな?と思いながら無理やりまぶたを閉じさせた所、こんな感じになりました。
アイラインがぐしゃっとなって化粧崩れみたいになるね!?!?!?!?
かなしい。
次からはアイラインもメッシュで作成した方がよさそうですかね。
……と思ったのですが、よく考えたらテクスチャペイントがぐしゃるのは、そのペイントがされてる面の面積が変わるからなので、それが変わらないようになればたぶん崩れないんですよね。
実践したところ普通によくなりました。テクスチャペイントでいいや。
とにかくこれでまばたきはできるようになったので、きっと口も動かせられるだろう。なんならほっぺも膨らませたりできるかも!
などと考えながら、口まで実装しました。
アニメーションも作っちゃお!と思ってノリで作ったら、謎回転が実装されました。なんじゃこれ。一回転してほしかったのに。
次はカメラワークでしょう!
さて、だいぶりさちゃんに人間味が出てきたので、次なる欲はカメラワークです。
今まで一生懸命カメラを動かしていましたが、勝手に動いて欲しいしなんならかっこいい感じでアングルが変わっていってほしーい!
こういうのは調べれば出てくるはずなので調べてみます。するとあっさり出ました。
Blender、設定さえちゃんとすれば、カメラがオブジェクトを勝手にトラックしてくれるようになるんですね。今までの苦労はなんだったんだ。
加えてカーブを使って道を作ると、その上をカメラが走ってくれるようにもできるとのこと。
自分は円ではなく、段々上がりながらオブジェクト周りを回るルートを作成してみました。
これでアニメーションを撮って終わりでもよかったんですが、どうせならResearchatの文字が急に出現してくる感じにしたい!と思い、
オブジェクトを途中で出現させる方法と
文字メッシュの作成法を学びました。
本当になんでも出てくるね!!!!!!!!!!!!
そうして完成したのがこちら。
わーい!かなり人間らしくなってきたよ!!!!!!!!!
気をつけた点としては、胴体を動かすようにしました。「胴体動いたほうが人っぽくみえるよ」とアドバイスを受けたので……。
次は環境を作りたいな~~
かなりやれることが増えてきたので、次は背景や環境にこだわっていきたいですね。
りさちゃんのバックがただのピンクだと悲しい。
一応ちょっとしたものを作ってみましたが、なかなかうまくいかず。思ったようにならぬ。環境は奥が深そうです。
あとは、複数カメラを作ったカメラワークとか、エフェクトを使ったアニメーションにも挑戦してみたいところ。
そこまでいくとアニメーションのプロットが必要になってくるので、しばらく勉強と案を練ることをやっていこうと思います。
すべてを通して学んだ一番大事なこと
2回のヒト型モデリングを通じて改めてわかってきた一番大事なこと。それは、
「とにかく最後までサブディビジョンサーフェスの適用をするな」ということです。
これをするともう全然メッシュが動かせなくなってしまう。細かい点になるので。
ボーン入れようがシェイプキー入れようが、適用するモディファイヤーはミラーまでだぜ!
サブディビジョンサーフェスはもう絶対最後まで適用しない、と心に強く刻み込みました。
こんなことしてなんになるの?って思われるかもしれないけど……
楽しいからやってるんですが、なんとヒト型モデリングを通して学んだことで、カエルの発生モデリングがもしかして動画化できるんじゃないか?というヒントが自分の中で掴めてきました!これはちょっとびっくり。
なんでもつながるもんですね。
一段落したらカエルのリトライもやっていきたいところです。
余談
今回学んだことを活かして(?)、有隣堂しか知らない世界のブッコローを3Dで作り、アニメーションにしてみました。
めっちゃ好きな番組。
本じゃなくてキムワイプを作ればよかったかも~~。キムワイプ作りたいな。
あと、モデリングの際羽根を閉じた状態で作ったせいで、ウェイトのかけかたがちょっとおかしくなりました。やはりモデリングするときには、ウェイトを見越してTの形に腕を広げさせておいた方がいいですね。学び。