あいまいまいんの生物学

あいまいまいんの生物学

生物学が好き。勉強したり遊んだり。

日頃感じたこと思ったこと、出来事など

勉強して面白かった話

授業で使えそうな生物学の知識・雑談・小ネタ

などなどを紹介していきたいと思います

コメント大歓迎!気軽にコメントして下さい

ゲームサイトはこちら

東大の問題を解きました

2月23日、今年の入試直前に、実は東京大学に行ってきました。

おーいよいよ大学受験!って感じで

どこもかしこも受験番号案内がひっそりと紙で貼ってあって、

非日常感をほんのちょっぴり漂わせている大学の雰囲気がすごく素敵でした。

 

ということで(?)

 

今年も東京大学の問題を解きました。

あと名古屋大学も解きました。

京都大学も含めて旧帝大 + お茶の水辺りを解きたいな~と思いつつ、取り敢えず成績処理などに追われているため一旦この時点で記録します。

 

sokuho.yozemi.ac.jp

 

東大生物は相変わらず

解きやすく、論理的で、考えさせられて、ネタが面白い!

これに尽きます。

毎回どうしてこんなにクオリティの高い模範的な問題が作れるのかなぁと不思議です。

バシッと答えが明確に決まる問題なのに、深いって凄いですよね。私もそういう作問ができるようになりたいものだ…。

自分が作問経験があるから分かるけれど、これって本当に凄いことなんです。

生物の問題を作る時には、まず題材を探しますが、

この時点で英語の論文をごまんと読まなければいけません、特に新しい題材を使おうと思ったら余計に。

今まで使い古されたネタでも、ファクトといってその問題の素材元になった論文を見つけてこないと作問ができません。事実に反した問題作りになってしまう可能性があるからです。

ですから、論文をうんうん唸りながら読んで、

実験データや考察を見て、

なるほどね~となったら次の段階、作問です。

どのような問を立てるか?に始まり

実験データをどのように整えるか、どこまで提示するか、めちゃくちゃ考えます。

論文のデータそのままベタッと貼っても、今回考えさせたい内容と関係ない部分が沢山入ってしまったり、素直に読み取れないこともあります(色々なものが邪魔していて)。

だから どう加工したら読み解けるデータになるか?

問題に相応しい情報量はどこまでか?

どの視点のデータが必要か?

なんてすっごい考えて問題用データを作ります。グラフとか、表とか、本当はすごくすごく考えて練られた上で提示されていて、問題集や模試や受験問題で見るようなあんな素直でキレイなグラフ元々の論文には絶対といっていいほどありません。あの裏に多大なる努力があるのです。あと数多の思考が、ブレインが…。

で、勿論要素数が多ければ多いほど問題を作るときに考えなければいけないことは複雑化しますから

大体は骨が折れてしまうし自分のミスも気になって2要素3要素くらいに落ちるのが普通かと思います。

それを東大はさらっと複数要素使ってきて、

しかも新しい実験系や導入をあんなにも美しく作り、

受験生が考えるべきところで考える時間を使えるよう素晴らしい道案内をしているのです。これは本当に凄いですよ。

情報量も的確、問題の難易度も適正、内容の新規性もばっちり、

やはり東大は化物だなぁと毎回問題を見るたびに感動させられます。

さすが学問の最高峰です。

逆に、東大の問題に慣れると他の大学の問題は物足りなかったり、汚かったり、求められている思考・答えが不明瞭であったり、本当に「ストレス」が溜まります。

いやー、本当に東大は凄い…。

 

本題、東大の問題。

1問目、もう完全にロジックですね。生物知らなくてもできちゃう。

私の愛する線虫が題材だったのでノリノリで解きました。

線虫の孔の細胞はよく出るようになりましたね。センターでも出ましたよね??

いやー、線虫皆もっと知ろう…

にしても過剰発現と欠損であんなに美しく出るもんでしょうか。

ファクトが気になります。どうやってあんなの探すんだろう。

 

2問目、植物の、当たり前に習っていることが分かってるのか??というキレのある発問で好き。

光-光合成曲線をなめてかかる人沢山いるけど、実際は奥深いね…ってなりました。

教科書で与えられるグラフなんて代表例だもんね。もはやあんなのいないよ、って。

この世は多様性で満ちているぞ。そして環境によっても変わっちゃうんだぞ。というメッセージ、いいなぁ。

 

3問目、環境変異を出してくるとは!!いいネタ。

進化といえば突然変異のこのご時世で環境変異を扱って、まさに歴史上獲得形質遺伝を提唱したラマルクの気持ちに寄り添えるような内容になっている。これは良い。すごく気に入りました。

ただ、最後のガが出てきたときは、ガで、ホルモンで、と言った瞬間に「あー絶対結紮くるなー」と思ったら案の定結紮でした。結紮好きねぇ…結紮…なんでガはすぐ結紮されるん…

でも楽しい問題だった!今回もストレスフリーで頭がすごくいい感じに使われた感。良い読了感ならぬ解了感ですね。

ただ、やはり個人的には昨年のタスマニアデビルが衝撃的でしたね。タスマニアデビルを超えて欲しい。あれは最高傑作ですよ。なんだあの問題は、って…

あんなクオリティが神がかった問題が毎年出たらなんか生物の先生辞めたくなっちゃいそうだからいいけど(ほんとに。劣等感で死ぬ。

 

 

さて、名大はどシンプルでした。

というか、一問目から使い古しネタでがっくり。問題文読まなくても解けちゃうよこれ~。

最後の遺伝はちょっと考えさせようというのが見られたけど、でもあれだって素直な組み合わせだしな。満点余裕でちょっと退屈だなぁ。

という感じでした。

 

あーほかも解かなきゃ、仕事もやらなきゃ…大変だ~~~