あいまいまいんの生物学

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ホルモンの話

現在、生物基礎の範囲でちょうど自律神経系とホルモンについて教えています。

そこで、ホルモンについて調べていて、色々とネタが出てきましたので書留させて頂きます。

当たり前の知識はスルーします・・・

 

● 成長ホルモン

からだの成長に関わるホルモンである。

成長ホルモンは、22時~2時の間に多量分泌される・・・という俗に言う「睡眠のゴールデンタイム」説があるが、実際は嘘。睡眠に入ってから3時間でピークを迎えるというだけのことで、睡眠する時間帯は関係がない。

入眠最初のノンレム睡眠の4段階目で成長ホルモンが多量分泌される。

また、他にも筋力トレーニング時や、加圧トレーニング時にも血中濃度が増加する。

 

● チロキシン

甲状腺から分泌されるホルモン。

チロキシンは、ヨウ素を含むホルモンである。それが原因で色々な小話がある。

原発事故系

ヨウ素は気化しやすいことと、原発においてヨウ素放射性同位体が発生することが起因して、原発事故が起こるとヒトは放射性同位体ヨウ素を取り込み、そのヨウ素で作られたチロキシンが甲状腺に集中し、甲状腺にて放射線によるDNA損傷が起こる結果甲状腺ガンになる・・・という話がある。

それを回避するには方法は二つで、一つは甲状腺除去、もう一つは安全なヨウ素放射線が出ないもの)を多量摂取し飽和させることで、放射性同位体ヨウ素を取り込まないようにすることである。

一つ目の方法はチェルノブイリ原発事故の時に行われた。その際対象となったのは子供たちで、手術痕が喉に残る人も存在している。

二つ目の方法は政府によって行われるが、ヨウ化カリウムのカプセルが配られるのだとか。

福島第一原発事故の時にも甲状腺ガンへの不安が高まり、あるデマが流れた。それは、「ヨウ素を含むうがい薬を飲むとよい」というものだった。

実際にはこれは実に危険な行為で、うがい薬は飲む用に作られておらず、かつ殺菌成分も含まれているので推奨される行為ではない。かつ、うがい薬に含まれるヨウ素の反応性は非常に高いため、体内で予想外の動きをする可能性がある。

ただし、福島第一原発事故においては、そもそもそこまで高い放射能が待機区域圏内で検出されていない。そのためこの甲状腺ガンが起こる可能性はまぁほぼない。

②変態系

チロキシンは両性類における変態を起こすホルモンとして知られている。オタマジャクシがカエルになるときには、チロキシンの血中濃度は増加する。

そこで出てくるのがウーパールーパーである。ウーパールーパーは幼体成熟(ネオテニー)と呼ばれるもので、変態が起こらない両性類である。

変態が起こらない理由については、変態する必要性がない(変態は陸生となる行為なので、つまり一生水中で良いということだ)とか、生息地域でのエサや水中のヨウ素含有率が低いためだなどの説がある。とにかくチロキシン分泌量が一生を通して低いままだ。

しかし、飼育環境下でヨウ素を含むエサを与えたり、水位を低くし陸生の必要性を引き起こすと、稀に変態するのだそうだ。

ブタのチロキシンを抽出し、ウーパールーパーに与えると、ほぼ100%の確率で変態を起こす事ができる。変態するとエラは消失し、オオサンショウウオっぽくなる。

※ 私は過去に、高校生がこの題材について実験を行おうとして、ウーパールーパーに与えるヨウ素をうがい薬によって賄おうとした例を見た事があります。殺菌成分で死んでしまったそうですが・・・まぁ、当然ですよね。ちなみに純粋なヨウ素はとても高いそう。

 

● アドレナリン

「Fight or Flight」のホルモンと呼ばれる。

「Fight or Flight」の自律神経は交感神経系である。

交感神経系が働くと、体は闘争や逃走に適した活性化状態となるが、それを作り出すのがアドレナリンの役割である。ちなみにノルアドレナリンは交感神経の神経伝達物質であるが、これもホルモンとして一部振舞う。ドーパミンは脳内物質だがこれも・・・。

この3つはドーパミンノルアドレナリン→アドレナリンという風に修飾によって変化できる一連の化合物である。

このアドレナリンの最大の特徴は「無痛」を引き起こすことである。痛覚が消失する。アドレナリンの効力が切れると痛覚が戻る。

※ 私の場合は集中しているとこの状態に陥ります。特に福井恐竜博物館のときは、ふっと切れた瞬間に猛烈な空腹感と足の痛みで倒れそうになりました。

 

疲れたので、今日はここまで。