あいまいまいんの生物学

あいまいまいんの生物学

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まいばいお13 おさけ

新学期が始まって慌ただしい一週間でして…

ちょっと体調不良も伴い更新できませんでした。

つらすぎて一週間ずっと頭痛くて死にそうでした。でも生徒はかわいいから頑張ってしまうというね。

うまくやっていきたいものだ。

 

 

 

✿お酒を飲むと何が起こる?

お酒は不思議な液体ですね。

お酒を飲むと笑い上戸になったり、泣き上戸になったり、キス魔になったり、性格変化したり…と、まぁ凄いです。あの液体はすごい。

お酒を飲んでいる最中に起こる性格の変化は、細胞レベル、いや、タンパク質レベルで説明することができますよ、という話を今日はしようと思います。

 

✿お酒の主成分「エタノール

お酒の「酔い」の状態を作る鍵となる成分はエタノールです。

エタノールはさまざまな受容体に結合し、はたらきを変化させることが知られています。

ざっと列挙すると…
・GABAA受容体応答の昂進
グリシン受容体応答の昂進
セロトニン受容体応答の昂進
・NMDA受容体の阻害
こんな感じです。

以下で詳しく見ていきます。

 

✿キーワードは「神経伝達物質」と「受容体」

楽しかったり、悲しかったり、ヒトは色々な感情や行動の変化が起こりますが、それらは脳を構成する神経細胞の連絡の仕方が変化することによって起こります。

神経細胞同士の連絡方法の一つに、「神経伝達物質」というものを使う方法があります。

 

神経伝達物質には複数種あり、どれを用いるかにより引き起こす作用が変わります。

 

 

神経伝達物質は、情報を受け取る側の細胞膜上にある「受容体」と呼ばれるタンパク質に結合することで自分の作用を発揮できます。

この神経伝達物質と受容体のくっつく組み合わせは決まっていますが、神経伝達物質以外のものが受容体に結合すると、本来神経伝達物質が引き起こす作用を再現できたり、または抑制できたりします。

 

✿とにかく「抑える」方向にエタノールははたらく

GABAA受容体は、本来神経伝達物質であるGABAが結合する受容体で、これは神経細胞の情報伝達を抑える作用を起こします。

つまり「鈍い」状態になります。

グリシン受容体、セロトニン受容体もGABAA受容体に似た作用を起こす受容体です。

これら受容体の応答が昂進されるということは、とても鈍い状態になるということです。

 

さらにエタノールがはたらくNMDA受容体は、敏感に応答するために必要な受容体で、かつ長期記憶形成に必要であると考えられています。

これが阻害されるということは、よりいっそう鈍いだけでなく、長期記憶も作られなくなってしまうのです。

「お酒の席での約束事は当てにならない」とか、「お酒を飲んでいる最中のことを覚えていない」とか、そういうことが聞かれるのはNMDA受容体の阻害のせいだと考えられています。

 

✿お酒への「強い」「弱い」は二つの遺伝子で決まっている

お酒に強いという状態は、無論エタノールの分解が体内で速やかに行われることと同じです。

エタノールの分解には、アルコール脱水素酵素(ADH)とアルデヒド脱水素酵素(ALDH)という二つのタンパク質が関与しています。

 

 

基本エタノールはまずADHによってアセトアルデヒドに分解されます。

そしてアセトアルデヒドにALDHが働きかけると酢酸に分解され、その後は呼吸基質としてATPを作るために使われていきます。

ADHの働きが弱いとエタノールが長く残り、上で述べてきたような効果が重くなります。

一方ALDHの働きが弱いとアセトアルデヒドが長く残ることになりますが、こちらは二日酔いの症状を重くすることに繋がります。

このように、ADHとALDHそれぞれの設計図である遺伝子が、強いタイプをコードするものか弱いタイプをコードするものかによって、その人のお酒の強さが分かるのです。

 

特にALDHの一種:ALDH2については、2タイプの遺伝子が存在します。

良く分解する酵素を作る遺伝子Gと、

分解能力が遺伝子Gの作るALDH2に比べ1/16しかない酵素を作る遺伝子Aです。

ヒトはある形質に対し二つずつ遺伝子を持てるので、GGタイプ、GAタイプ、AAタイプのヒトが存在します。

AAタイプは全くエタノールが分解できず飲めません。

 

驚くべきはなんとこの遺伝子A、モンゴロイドにしか存在しません。

黒人や白人は皆、GGタイプなんです。

日本人はモンゴロイドで、GGタイプが56%、GAタイプが40%、AAタイプが4%存在します。

今の時代は国境を超えた結婚も普通なので、一概に言えないようになってきているとは思いますが…

 

これらのお酒の強さに関する情報は、遺伝子検査を行うことで検出可能です。

私も昔、自分の髪の毛を使って自分でPCR電気泳動によって検査したことがあります!私はGAタイプでした。微妙…

実際お酒については割と弱め。絶対次の日お腹を下すというタイプです。つらいです。

 

ということで、今回はこれくらいで~

Tシャツを買いました

もっと学術的な話をしろよというツッコミも入りそうな気がしますが

今日は念願のTシャツが届いたのでその話をしようと思います。

 

世の中には色々なTシャツが売っていますね。

普通にショッピングしてもただひたすらに「かっこいい」とか「絵がおしゃれ」とか、そういうTシャツばかり売っていて、私は実は全然Tシャツを買ったことがない人でした。惹かれなかったので。

しかし世はネットショッピングの時代…ネットで漁ると所謂「刺さる人には刺さる」というニッチな需要に応えたTシャツが売っています!これが割と刺さってほしくなる!!!!!!!

で、「取り敢えず一部買ってみるか」と言って買っちゃいました。

 

まずは~これ!
f:id:I_my_mine:20190824203114j:image

言わずと知れたあの検索サイトがオフラインになった時に出てくるゲームですよ。

「オフラインだから他を当たってくれ」という英語が良いよね…激刺さりでしたわ…

という、こういう「本当にお前は年頃の女性か?」というTシャツばっかり出てきます。ごめんな。お洒落とは程遠いな。

でも次のやつは期待していいよ。かわいいよ。


はい次。
f:id:I_my_mine:20190824203109j:image
「今日じゃねぇ」Tシャツですよ。
いつやるの?「今日じゃねぇ」…完全に堕落してるけどTシャツくらい堕落したっていいじゃない…ということで。これも刺さっちゃった。

 

まだ届いてないけどもう一個買ったのがこれ。

ãã·ã¥ã¬ãã£ã³ã¬ã¼ã®ç« tã·ã£ããã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

DEADとALIVEが隠し文字になっていてとてもよい!気に入ってしまった。

 

 

他にも欲しいのめっちゃあるんですよ。本当に。

例えばRNA tie clubのTシャツとか…

 

コドン表とか…

確かこれはコースターもあるという話で、一時期めっちゃ欲しかった

ãcodon  tshirtãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 ATPぶっこわせとかね。エネルギー出してこうぜ!

ãjust break it tshirtãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

数学系も心躍りますよね…

例えば代数ダンスTシャツ

 

物理系も良いです。有名な公式いじり系が良い

ãE=mc^2 Tshirtãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

ãgod said light t-shirtãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

あとは純粋にコーヒー中毒だからこういうのも欲しい

ãcaffeine t shirt in pursuitãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

とまぁ、Tシャツと一言に言っても今は本当に色々なものが出ていて

こういう変なやつがとってもとっても欲しくなってしまって物欲が止まらないです。困った。

 

ついでに非売品なんですけど、エッペンドルフが出してるTシャツも欲しい。

ãã¨ããã³ãã«ã Tã·ã£ããã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

よさみ…

ちなみにPCRは「Pipette Cry Repeat」の略です(嘘)。

 

 

 

Tシャツ以外で最近すごい発想だなと思ったのが、塩基のペアネックレスですね。

ãadenine pair necklaceãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

ãadenine pair necklaceãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

いや~色んな部分に理系知識って活かせるんだなと(ほんまか?

 

 

こういうおすすめの狂ったTシャツをリコメンドしあえる友達が欲しいな…

まんまるこがね

ダンゴムシガチャの新作が出ましたね!!!

gashapon.jp

 

今回は新キャラ、丸くなるコガネムシこと「マンマルコガネ」が入ったとのことで、これはやばいな、めっちゃ欲しい、と思っていたら・・・

生徒が見つけてきたらしく、ダブったマンマルコガネをくれました!!!!

ちなみに本物のマンマルコガネは以下のサイトで紹介されています。

natgeo.nikkeibp.co.jp

えっ、丸まった見た目完全一致じゃない?????

ダンゴムシの時も思ったけど本当に再現率が高い・・・

完全な丸じゃなくてちょっといびつなのも完全再現してる・・・すごい・・・

しかも表面がざらっとしてます。ダンゴムシはつるっとしてるのに。ディテールが半端ない。

 

ダンゴムシではパカッと開けるだけでしたが

マンマルコガネは違います。

パカッと胴を開き、足を一個一個出して、顔をカチッと開けると・・・完成!!!!!

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じゃーーん!!!

かわいい!!!!!!かわいいよこれは!!!!!!!!

 

横から

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上から

f:id:I_my_mine:20190822205053j:image

 

もう最高にかわいい。ていうか開くときのかっこよさが半端ない。ロボットみたい。よい。

しかも足!!!足かわいくないですか。完全再現ですよ。ぴろっと出てる細い足がいいよね!!

 

一緒に貰ったイリドウイルスダンゴムシと撮影。

イリドウイルスダンゴムシも欲しかったんだよね・・・
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イリドウイルスってなんや、という人のために補足すると、

イリドウイルスは所謂DNAウイルスです。

色んなタイプがいるんですが、この中にダンゴムシにしか感染しないイリドウイルスがあって、

鳥類の糞等を介してダンゴムシに感染すると、体内で増えて結晶化し、それが反射光の種類を変えて青色に見せるようになります。(めっちゃ鮮やかな青ですよ!)

しかもイリドウイルスに感染したダンゴムシは行動が変わって、明るい所に行くようになります。結果、鳥類に捕食されやすくなって、広がっていけるようになっているらしい。中々怖いウイルスですね。

ただ、感染されたダンゴムシの寿命は短くなっちゃうらしいので、あんまり詳しいことはまだ分かってないみたいです。

 

 

いや~もう最高だね・・・並べると壮観・・・

そろそろダンゴムシガチャシリーズの箱を用意してあげないと机がいっぱい・・・

幸せに浸ってます・・・

まいばいお12 DNA to Protein③

最初の記事↓
i-my-mine.hatenablog.com

 

次の記事↓

i-my-mine.hatenablog.com

 

いやー、長かった。

Researchat.fmに影響されたとは言え長く時間をかけすぎた感があります。お盆溶けた。なんだこれ。なんのバグ。

今回は 一番アツいところですね…RNA Tie Clubから始まりGenetic Codeを解明した歴史を行きましょう!取り敢えずこれで満足する!!

では最終回始めます!

 

  

✿DNAとタンパク質をつなぐもの

DNAの構造がわかると、「DNAにどのようにタンパク質の情報がエンコードされているのか」を理解しようという動きに自然に人々は向き始めました。

そこで特にその点を強く明らかにしようとした2人-物理学者George Gamowと生物学者James D. Watson-によって、「RNA Tie Club」というものが1954年に結成されます。

ちなみガモフは「ビッグバン仮説」の提唱で有名な人物です。

 

どうでもいい話ですが、この時期というか、これより前もだけど、分子生物学を開拓していった人たちって基本物理系とか生化学系の人なんですよ。

というのは、シュレディンガーの影響力がでかかったらしいんですよね。

シュレディンガーって言えば「シュレディンガーの猫」の人だし、「シュレディンガー方程式」の人だし、知らない人はそうそういないと思うんですが、

あのシュレディンガーが「生命とは何か(What is life? – The Physical Aspect of the Living Cell)」っていう本を1944年に出してて、これがまぁ中身がすごいらしい。すごいらしいけどまだ読めていないので私は中身について語れないんですが…(読まなきゃ…)

で、この本が色んな人に読まれてですね…物理系の人やら化学系の人を大いに刺激したそうな。

そうでなくてもまぁ、物理や化学や数学の成熟に伴って、「生命体とはどのような物理法則に則っているか?」「どの物理法則が適用されれば生命現象は説明できるのか?」というのは興味の矛先として起こって当然だったのだろうなという気はします。多分ガモフはそういうルートだし。

*1

 

話を戻す。

この会の目的は「solve the riddle of the RNA structure and to understand how it built proteins」…つまり、タンパク質合成においてRNAが果たす役割を明らかにすることです。

1939年には「RNAがタンパク質合成において何らかの役割を果たすだろう」という推測はすでになされていたんですね。だから明らかにしようと。

RNA Tie Clubのモットーは「Do or Die; or don't try」。

会員20名のみからなる会で、皆二重らせんをあしらったTieをつけてですね…各メンバーには20種類のアミノ酸が割り当てられました。

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RNA Tie Club。ネクタイを見たまえ

Member

Training

RNA Tie Club Designation

George Gamow

Physicist

ALA

A

ラニ

Alexander Rich

Biochemist

ARG

R

アルギニン

Paul Doty

Physical Chemist

ASP

D

アスパラギン酸

Robert Ledley

Mathematical Biophysicist

ASN

N

アスパラギン

Martynas Ycas

Biochemist

CYS

C

システイン

Robley Williams

Electron Microscopist

GLU

E

グルタミン酸

Alexander Dounce

Biochemist

GLN

Q

グルタミン

Richard Feynman

Theoretical Physicist

GLY

G

グリシン

Melvin Calvin

Chemist

HIS

H

ヒスチジン

Norman Simmons

Biochemist

ISO

I

イソロイシン

Edward Teller

Physicist

LEU

L

ロイシン

Erwin Chargaff

Biochemist

LYS

K

リシン

Nicholas Metropolis

Physicist, Mathematician

MET

M

メチオニン

Gunther Stent

Physical Chemist

PHE

F

フェニルアラニン

James Watson

Biologist

PRO

P

プロリン

Harold Gordon

Biologist

SER

S

セリン

Leslie Orgel

Theoretical Chemist

THR

T

トレオニン

Max Delbrück

Theoretical Physicist

TRP

W

トリプトファン

Francis Crick

Biologist

TYR

Y

チロシン

Sydney Brenner

Biologist

VAL

V

バリン

 

RNA Tie Clubではさまざまな議論がなされ、新しい考えが生み出されました。

その中でまず考えられたのが「いくつのRNAの塩基でアミノ酸1つをコードしているか」、すなわちコドンを構成する塩基数についてです。

これは主に1954年、ガモフによって数学を使って考えられました。

  • アミノ酸は20種類あり、これらを全て定義するには20種類以上の暗号文が必要である。
  • 塩基は4種類しかないため、2種類の塩基を使うと4×4=16通りで足りない。
  • だから3つの塩基で指定している」

と。

更にガモフは、3塩基のコードはオーバーラップしているということも提案しました。

つまり、ATGCTAという塩基配列はATG, TGC, GCT, CTAというアミノ酸コードを含むとし、

更に二重らせん構造のDNAの中で塩基配列が形成する溝に対応するアミノ酸の側鎖が直接入り込んでいってタンパク質が作られると考えたのです。これを「ダイアモンド仮説」といいます。

 

この仮説は同じくRNA Tie Clubに属していたSydney Brennerによって1957年に否定されます。

ブレナーが出した論文のタイトルは「On the impossibility of all overlapping triplet codes in information transfer from nucleic acid to proteins.」。

ここでブレナーが使ったのもまた論理です。

まず、オーバーラップトリプレット仮説では、ジペプチドは4塩基でコード化され、44 = 256種類の組み合わせが可能であると考えられます。

しかしアミノ酸は20種類なので、ジペプチドの可能性は202 = 400種類…つまり差し引き144種類のジペプチドの組み合わせはポリペプチド鎖の中に決して現れてこないと考えられるわけです。

このような理論をもとにブレナーは、当時あるタンパク質配列に関するデータを参照していって、隣り合うジペプチドの種類数を数え上げようとしました。

 

ちなみにタンパク質のアミノ酸配列は、1951年にサンガーがインスリンの配列を決めたのが最初でした。

しかし、この方法ではうまく行きそうなほど十分なデータがなかったため、以下の方法に転向します。

  1. アミノ酸配列j, k, lというものを仮定する(kにとってjはN隣接、lはC隣接とする)
  2. 例えばjとkはGCUAという配列で決定されていたとすると、jはGCU、kはCUAという配列で指定されることになる。kのコードCUAは同様に、ACUA, UCUA, GCUA(先頭の塩基を変えた)でも現れるので、jのアミノ酸4種類につき最低でもkの指定配列が1つ割り当てられると考えて良い。
  3. よってkのN隣接するアミノ酸を全種類調べ上げ、最低限kを指定するコドンが何種類あるかを計算で導くことができる。これはC隣接側でも同様にkを指定するコドンの最低個数を導ける。
  4. N隣接から導かれるkを指定する最低個数とC隣接から導かれるkを指定する最低個数を見比べて、大きい方がkを指定するコドンの最低個数とする。
  5. 全部数え上げていって64種類以上出たらおかしい。

ブレナーはこの理論で数え上げをしていって、結果、アミノ酸を指定するコドン数は70になってしまいました。

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論文に添付されているFigure。頑張ったねって感じだ

ここから、「オーバーラップトリプレット仮説では70のコード塩基配列を必要とするが、実際には64しかないのでこれは不可能だ」と結論づけ、コドンはオーバーラップしないということを証明したのです。

頭で倒すっていうのがいいよね。手じゃなくて頭なんだよ。私には無理だなぁ…

 

一方でクリックは1955年、核酸が特定アミノ酸との特異的結合能を実験的には見いだされていない現状を考慮し、

酵素的に結合したアミノ酸を持ち、対応する核酸コドンを認識するアダプター分子が翻訳を仲介する」という「アダプター仮説」をRNA Tie Club内の小冊子に載せました。

先にも述べたように(前回の記事参照)、実はこのほぼ同時期にザメニックらによってrRNA、tRNAが発見されており、

アダプター仮説で述べられているアダプター分子はまさにtRNAであるということがスピーディーに証明されました。

 

これら知見に基づきクリックは1957年、「Central Dogma」の考えを提唱します。

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最高にアガるやつだぜ!!!

Central Dogmaの概念で示唆された「DNA自己複製」については、1958年にMatthew MeselsonとF. W. Stahlにより半保存的複製機構がすぐ明らかにされました。

どんな実験かという話をしていくと、まずそもそも複製機構に関してはこの時期3つの仮説があってだな。

  1. 全保存的複製:なんか知らんけど元々の鋳型の2本鎖DNAと全く同じ塩基配列を持つ新たな2本鎖DNAができる
  2. 半保存的複製:鋳型の2本鎖DNAがぱかっと1本ずつにわかれ、それぞれ相補性を使いながら新しいヌクレオチドが相方の鎖を作っていく
  3. 分散的複製:これは「長くて何回にもより合わさった二重らせんの2本の鎖がいったいどうすればメチャクチャに絡まらずほどけるのか、無理やろ」と言ったマックス・デルブリュックによって考案されたもの。DNAの複製が切断と再結合を繰り返すと考えた。

この3つの仮説のどれが正しいかを突き止めたいねーってなった時、これって実は新しくできたDNAないし鋳型になったDNAを見た時にどこが新しく作られた部分でどこが古い部分か見分けられればよくない?ってなって。

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じゃあそれを見分けようとこういう手法をとった。

  1. 大腸菌を窒素として15N(通常の14Nよりも重い)しか含まない培地で育てる。→全部のDNAが15Nでできたヌクレオチドで構成される(古い鎖の目印)
  2. 大腸菌を14Nしか含まない培地に移して分裂させる。この時増えようとして新たに複製した部分のDNAでは、14Nでできたヌクレオチドが入っていく(新規合成部分の目印)
  3. 密度勾配遠心法というのを使って集めたDNAを遠心すると、同じ密度のDNAが同じ場所に集まってバンドを作る

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こんなふうに出るじゃろと予想する

ということで。

この方法を使うと、仮説3つそれぞれ違う結果が出てくるはずなんですよ。だからやってみたら、半保存的複製で期待されるパターン…1回分裂した大腸菌からのDNAはすべて真ん中バンド、2回分裂すると一番上と真ん中バンド、というふうに出たんですね。それで解明された。

しかしですね。これ綺麗に結果が出過ぎてるんですよ。おかしいんですよ。

だってね、もし複製途中の染色体とかがそのまま遠沈管に充填されていたら、変なところにバンドが出ていたはずですよね?

ここまで綺麗になったのは実は、彼らが遠沈管に充填するときに皮下注射器を用いていて、その中で知らないうちに細菌の大きな染色体が剪断されて小さな断片になっていたため、どの断片も完全に複製されているようになっていたのだそうですよ。なんちゅー奇跡だよって。


ということで、DNA複製はよろしいぞと。

セントラルドグマで未解明部分はじゃああとどこだというと、「DNAの情報をタンパク質に変換するために伝えるRNA」の部分です。

これってすなわちmRNAなんですが、じゃあmRNAの存在はこの時期どうだったかというと、1960年にSydney Brenner, Francois Jacob, Mathew Meselsonによって発見されるまではっきりと明らかにはされていませんでした。

実は1956年にElliot VolkinとLazarus Astrachanという人物が、大腸菌にファージを感染させると新たなリボソームの生成が止まるが、その時に生成されている唯一のRNAが不思議な特徴を有するということ自体は発見していました。

その特徴とは①リボソームRNAと違ってそのRNAの塩基組成はファージのDNAと同じになっている②その代謝速度はきわめて早い というものです。

実はこれはmRNAなのですが、彼らはその真理にまではたどり着けませんでした。

ブレナー・ジャコブ・メセルソンの3人はこの論文を読んでmRNAの存在を証明できるかもしれない、と思い、計画を練ります。

彼らの実験計画は以下のようなものでした。

  • 細菌を重い同位体を含む培地で生育させ「重く」ラベルしておき、ファージを感染させてからは軽い同位体で「軽く」ラベル する。
  • 新規にできるRNAとタンパク質は放射性同位体でラベルし、取り出したリボソームを密度勾配遠心法で分離する。

この方法で、ファージのタンパク質が作られる時に新たに作られるRNAはどのようなものか追跡できますし、リボソームは密度勾配遠心法で沈むことも知られていたので新たに作られるRNAリボソームに情報を運んでいるかどうか(同じ場所に存在しているかどうか)も調べることができます。

実際の実験ではリボソームの取り出しに非常に苦労したようで、マグネシウムを沢山入れればリボソームが安定的なまま、逆にマグネシウムが少ないとリボソームが不安定化して取り出されるということに気づくまでは大変苦戦したようです。

しかし逆にこの性質のおかげで、マグネシウムを沢山加えるとリボソームと新規作成されたRNAが同じ沈殿として現れ、

逆にマグネシウムを低くすると一緒の場所にいなくなる…すなわち新規合成RNAリボソームの一部部品などではなく、単純にリボソームが立体構造をとっているときにだけ結合している物質なのだということを証明することに繋がりました。

やったー!

 

✿遺伝暗号の解読

さて、ここまで理解が進んだものの、1960年を迎えて未だに解決されていなかったのが遺伝暗号-どの3つの塩基がどのアミノ酸を指定しているのか、という問題です。

いちばんの正攻法はDNAの一部や mRNAの配列を対応するホペプチドと比較する方法でしょうが、核酸塩基配列の決定手段はその10年後までなかったので、勿論無理な話でした。

 

そこで研究者たちは、単純なポリヌクレオチドを合成して暗号解読に結びつけようと考えました。

1955年にはSevero Ochoaによって実験室でRNAを合成できる酵素も発見されていたので、人工RNAは作れたのです(ただしこれはRNA合成酵素ではなくRNA分解に関係している酵素だと後に分かったものですが…)。

人工RNAを使ってタンパク合成装置であるリボソームポリペプチドを合成させれば、どのトリプレットがどのアミノ酸に対応するかを解明する糸口になるはずです。

mRNAを入れるだけでタンパク質を作ってくれる仕組みを作り出すために、無細胞タンパク質合成系の確立の研究が行われました。

 

さて、ここで現れるのがMarshall Nirenbergという人物です。

彼はもともと生化学部の博士課程出身で、1957年に30歳で国立衛生研究所(NIH)に入所しました。

彼はDNAからタンパク質が合成される過程に興味を持ちましたが、タンパク質・DNA、RNAについては完全に素人でした。

そこで、まず速読法を学んだのち、1分間に700語ほどの速度で過去の文献を読み漁りました。

更に1958年に発表されたtRNAに関心を持ち、彼もまた、無細胞タンパク質合成系の研究を始めたのです。

1960年に研究所にやってきたタンパク質の専門家であるJohannes Heinrich Matthaeiという人物とともに無細胞タンパク質合成系の改良に励み、結果系を作り出すことに成功しました。

その系は大腸菌の抽出液からなっていたのですが、このままだと細胞内にもともとあったmRNAからもタンパク質ができてしまいます。

自身が加えた人工RNAからのみのタンパク合成だけを拾い出すためどうすればよいか試行錯誤した結果、少量のリボヌクレアーゼ (RNA分解酵素)を加えて抽出物中の細胞由来のmRNAを破壊するという方法で解決され、彼らはあとは人工RNAを加えれば遺伝暗号の解読ができるところまで突き詰めました。

しかし当時の人工RNA合成技術はまだまだ乏しかったため、ニーレンバーグは鋳型がなくてもリボヌクレオチドをつなぎ合わせられる酵素:ポリヌクレオチドホスホリラーゼを利用して作ることにしました。

この酵素は出会うヌクレオチドをどんどん結合していく酵素なので、例えば1種類だけのヌクレオチドを含む溶液内で作用させれば自分が分かる配列のRNAを合成できます。

そこでまずはウラシルばかりが並んだmRNA(ポリーU)を初めて合成し、ポリーUを加えた無細胞タンパク質合成系に放射性標識したアミノ酸を1種類だけ入れるという方法を20種類分行うことで、ポリーUの指令ではフェニルアラニンだけを含むペプチドしか合成されないことを明らかにしました。

この情報媒体に含まれるトリプレットのコドンは UUU だけなので、彼らはUUU がフェニルアラニンを指定すると判断したのです。初めての遺伝暗号解読の瞬間ですよ!

 

ニーレンバーグとマティはポリーA とポリーCでも同じ実験を行い, AAA がリシンをCCCがプロリンを指定することを明らかにしました。

ただしGGGの意味はこの方法では確認できませんでした、なぜなら、ポリーGは珍しい三重らせんを形成し,無細胞系では鋳型にならないからです。

 

1961年8月、ニーレンバーグはモスクワで開かれた国際生化学会議で、この実験結果を発表しました。

6000名が参加した盛大な会議でしたが、彼の発表を聞きにきたのはわずか…。

しかし、聴衆の中にメセルソンがいたのです!

彼は講演が終わると駆け寄り、ニーレンバーグを抱きしめました。

更にメセルソンは大きな会場を駆け回ってクリックを探し出し、発表の内容を伝えました。

クリックは発表の重大性をすぐに理解し、大きな会場でふたたび講演する機会を設けさせたのです。

メセルソンとクリックはRNA Tie Clubのメンバーだったので、このメンバー外であるニーレンバーグによる解読はクラブにとっては敗北を意味するものでした。それでも、紳士的に喜ぶ姿勢は、さすが一流の研究者だなと思わざるを得ません。


実はこの講演の聴衆の中にSevero Ochoaもいまして(RNA人工合成の方法を生み出した人)。

彼は2年前にノーベル賞を受賞し、ニューヨーク大学で多くの研究スタッフを抱え100編以上の論文を発表していたような人物です。

オチョアはこの講演をきっかけに「よっしゃ我々もやれるで」と自身も遺伝暗号決定に乗り出し、ニーレンバーグはオチョアとの競争状態に放り込まれてしまいました。

RNA Tie Clubも勿論この講演と敗北に関して良い印象を持たず、特にワトソンに関してはマサチューセッツ工科大学にニーレンバーグを招いて講演させた時最前列で新聞を読むというパフォーマンスをしたほどです。ほんとワトソン嫌いや。


さて、ここからは残り61のコドンの解読が必要ですが、最初にも述べたようにこの時代まだ複雑な配列の人工RNAを作る技術はありませんでした。

1950年代には有機化学者のGobind Khorana が数種類のヌクレオチドからなる決まった配列のポリヌクレオチドをつくる方法を開発していたのですが、これはDNAにしか使えないものでやはりRNAでは無理でした。

しかしニーレンバーグの研究を知ったコラーナは、「決まった配列をもつ DNAをつくれば、RNA ポリメラーゼを用いてそこからRNAが作れる」と気づき、決まった反復配列をもつさまざまな mRNAを取りそろえて解読に取り組み始めます。

しかしこのような配列からの解読は断片的情報が得られるだけでそれを集めなければコドン特定には至らないため、困難を極めました。

 

このような局面を迎えてどこも難航していましたが、ついにニーレンバーグのもとに救世主が現れます。

それは医学部を卒業したばかりの若手研究者Phil Leder。

彼が加わったことでニーレンバーグは、ヌクレオチド3個すなわちコドン1個分のRNA 断片がリボソームと結合してアミノ酸と結合した適切な tRNA分子をそこに引き寄せること、

更にリボソーム・mRNAコドン・放射性標識アミノアシルtRNA各1個からなる複合体はメンブレンフィルターと呼ばれる孔の小さな多孔質フィルターに保持されることを利用しました。

彼らは非常に小さな3塩基や6塩基からなるmRNA断片を入れ、メンブレンフィルターで複合体をつかまえて、そこに結合しているアミノ酸を同定するという方法に転換したのです。

試しにトリヌクレオチドUUUを無細胞タンパク質合成系に加えたところ、これがリボソームに結合し, フェニルアラニンを持ったtRNA がUUUに結合することが確認できました。自分たちの最初に突き止めたGenetic Codeが、再確認できたのです!

この実験方法は非常に簡単で解析も容易だったためニーレンバーグによる解読を推し進め、

結果ニーレンバーグは64個中54個、残りはすべてコラーナが解読するという結果となりました。これが1966年のことです。

 

ちなみに、「コドンは3つ組である」ということに関しても、前まではRNA Tie Clubの数学的推測のみに基づいたものでしたが、

1961年にブレナーとクリックによって証明がなされました。

彼らは塩基の、ひとつや二つをのぞくとフレームシフトが起こるが、三つをのぞくと必ずしもタンパク質の活性は失われないということからコドンがトリプレットであることを証明したのです。(詳しく書く気力が!もう!ない!!!)

 

 

セントラルドグマのピースが埋まって

1940~1960年代の目まぐるしい時代を経て、クリックが提唱したセントラルドグマは概形が整う程度には明らかになってきました。

しかしまだまだ素晴らしい発見-今では教科書に載る当たり前の常識の発見-は続いていきます。

例えば1956年にはArthur Kornbergによって大腸菌でDNAポリメラーゼが発見され、「5’→3’末端の伸長しかできないDNAポリメラーゼで2本鎖同時に複製が行われるのは何故か」という問いに対して1969年岡崎令治・恒子によってラギング鎖の岡崎フラグメント形成が解明されます。

RNAイントロンという部分を含みスプライシングという加工がなされることも、1977年にPhilip SharpとRichard Robertsが明らかにしました。

遺伝子発現調節に関しても1961年とFrançois JacobとJacques Monodがオペロン説を提唱するなど、構造・仕組み・部品…さまざまな面での研究と発見が相次ぎました。

 

極めつけはFrederick Sangerによる大仕事でしょう。

サンガーは現在までで唯一、ノーベル賞を2回受賞した人物です。

一つは1952年のインスリンアミノ酸配列決定に対して。1952年といえばまだ、セントラルドグマも提唱されていない、DNAの構造すらも決定されていない時代ですが、このような時代に「タンパク質がアミノ酸のつながりでできている」ということを示すと同時にこのような大仕事を成し遂げるのは驚きです。

そして2つめのノーベル賞は1977年にサンガー法というDNA塩基配列決定法を生み出したことに対して贈られました。

 

 

ここでは紹介しきれていない沢山の、細かなピースを埋める何人もの研究者による数多の実験があって、私たちの今の教科書ができています。

今では当たり前のCentral Dogmaが、50年と経たない間に物凄い勢いで掘り出されていったのは、本当に信じられないことです。すごいことです。

何よりこの時代を生きていた人々の、頭脳と、色んな知識の応用が凄いなと常々思います。なんで思いついたの?なんでこんなに機器もないのにできたの?と、圧倒されるばかりです。

そしてその時代を生きていた研究者たちの気持ちや体感時間、環境も、推し量れないけど今とは全く違うものだったろうなと思いますね。どんな気持ちだったんだろう。どう思って日々を生きていたんだろう。

いやー、やっぱり分子生物学は良いね。

 

1869 Friedrich Miesche 核酸(nuclein)の発見
1919 Phoebus Levene RNAとDNAの違いの決定、ヌクレオチドの概念の提唱、テトラヌクレオチド仮説
1928 Frederick Griffith 肺炎双球菌を用いた形質転換の発見
1943 Oswald Theodore Avery 形質転換を起こす原因物質はDNAだと決定
1950 Erwin Chargaff  シャルガフの法則の発見
1952 Frederick Sanger インスリンアミノ酸配列の決定
1953 Alfred Hershey and Martha Chase T2ファージを用いて遺伝子の本体はDNAであることを証明
Francis Crick & James Watson 二重らせん構造モデルの提唱
Paul Zamecnick リボソーム(rRNA)の発見とタンパク質合成に関わることの示唆
1954 George Gamow & James Watson RNA Tie Clubの結成
1955 George Gamow ダイアモンド仮説の提唱
Francis Crick アダプター仮説
Paul Zamecnick tRNAの発見
Severo Ochoa RNAを人工的に作る方法を開発
1956 Elliot Volkin & Lazarus Astrachan mRNAを発見しそうになる
Arthur Kornberg DNAポリメラーゼの発見
1957 Francis Crick セントラルドグマの提唱
Sydney Brenner オーバーラップトリプレット仮説の否定
1958 Matthew Meselson & F. W. Stahl DNA半保存的複製
1960 Sydney Brenner, Francois Jacob, Mathew Meselson RNAの発見
Marshall Nirenberg & Johannes Heinrich Matthaei 初めての遺伝暗号解明
1961 François Jacob & Jacques Monod オペロン説の提唱
1965 Robert W. Holley tRNAの全塩基配列を解析
1966 Marshall Nirenberg, Gobind Khorana 全遺伝暗号解読
1969 岡崎令治・恒子 岡崎フラグメントの発見
1977 Philip Sharp & Richard Roberts イントロンの発見とスプライシングの発見
1977 Frederick Sanger DNAの塩基配列決定法(サンガー法)の開発

 

 

P.S. 先日の8/7日にPCR法を発明したマリス氏が亡くなったそうですね。

色んなこの時代の開拓者がだんだん亡くなっていくのは、かなしいね…

*1:

 

 今でも思うけど生物学って本当に乖離がすごくって(これはResearchatでも触れられててせやなと思ったんだけど)、生物学やってるのに所謂生物のこと全然知らないってザラなんですよ。私もそう。

私も分子神経生物学出身でタンパク質とかDNAとかそういうのは本当に最高に好きでめっちゃ勉強したけど、コアラだのラッコだのそういう生物については全然知らない。

正直ね、実はあんまり興味もない…だって生物そのものは「多様性の学問」だと思っているから。

私は一般法則を知りたい、すべての生命現象を貫くものを知りたくて生物学を学んだのであって、どの生物はこの条件でこういう適応をするとか、そういう発散的な話はどうでもいいなーって。

それらを束ねて見える法則は「環境に適応した形質を皆何かしら持ってますよ」ってことだけで、わーすごいなとは思うけどガツンとは来ないよね、そしてその一個一個を勉強したいとも思わないよね…

けど生物学の人って言うだけでそういうあからさまに分野が違うことについても、知識や興味を持つ人だと誤解される。そして無知だと教員は特に失望される。

 

ので、一生懸命勉強しました。

まいばいお11 DNA to Protein②

前回↓
i-my-mine.hatenablog.com

 

今日は続きで、1950年代に突入するくらいまでは進めたい…!!!

ここら辺からもう「あ!教科書でやったやつだ!!」みたいな有名実験も多くなってきます。まぁ教科書に書いてあることは実験の一部とかで全然細かくないんだけど…

あと前回も思ったけど自分が好きなことは熱量やばいしどうでもいいなって思ってることは熱量無ですね。ごめんなさい。しょうがないぜ。

 

 

✿1940年代 明かされていくDNAの正体

前回まではRNAとDNAが区別された~って話をしたと思うんですが、大体あれが1930年くらいの話でしたね。

そういう時代の傍らで、1928年、Frederick Griffithが肺炎双球菌を用いた実験を行っていました。はい!あのグリフィスの実験ですよ!!

グリフィスはそもそもなんで肺炎双球菌なんて使ってたんやと思う人も多いと思うんですが、グリフィスの頃ってスペイン風邪流行後なんですよね。で、スペイン風邪の時肺炎双球菌によって起こされる肺炎で沢山の人が死んでます。なのでグリフィスは、本当は肺炎双球菌に対するワクチンを作りたかったらしいんですな。

肺炎双球菌にはS型と呼ばれる病原性を持つタイプ(莢膜という多糖類でできた膜を持っている)と、R型菌という病原性を持たないタイプ、2つのタイプが存在します。形質が違うってことは遺伝情報が違う。

この莢膜の有無のせいでコロニーを形成したときに表面がなめらか(Smooth)になるのがS型菌、粗く(Rough)になるのがR型菌というふうに名前がついてます。

これを使ってグリフィスは、教科書的に簡単に説明すると、以下の実験と結果を得た。

  • S型菌だけをマウスに注射するとマウスは死ぬ
  • R型菌だけをマウスに注射してもマウスは死なない
  • S型菌の加熱殺菌したものを注射しても死なない
  • 生きたR型菌とS型菌の加熱殺菌したものを混ぜて注射するとマウスが死ぬ、しかも死んだマウスの血からは生きたS型菌とR型菌がとれる

彼はこの結果から、「R型菌はS型菌死体に含まれる『転換要素』を得ることで『形質転換』を起こし、R型菌からS型菌に変化した」と結論づけました…

というのが高校教科書の内容。

この授業すると大体鋭い子から決まった質問が授業後飛んでくるんですよね。

「S型菌の加熱殺菌したものの中に莢膜があって、それにR型菌が潜り込んだだけで、形質転換-つまりR型菌の遺伝情報に由来する形質が完全に変わった訳じゃない可能性もありませんか?」

「R型菌が突然変異を起こして勝手にS型菌になった可能性は?」

だよねー!いやそう思うよ!!

では教科書以上の話をしましょう。グリフィスは実は非常に用心深い人物だったようで、やはり同じことを考えたんですね。

ここでちょっと肺炎双球菌の話に戻りましょう。R型とS型がいるという話をしましたが、S型菌には実は莢膜に多型がある。だからS型の中でもその多型で、Ⅰ、Ⅱ・・・と大体30くらい免疫学的区分がなされています。

R型はもともとS型菌からの突然変異によって出現したもので、これも由来するS型菌に則ってⅠ型から出現したらⅠ-Rなんて名前をつけます。

で、ここがグリフィスのうまいところなんですが、グリフィスはⅢ-S株とⅡ-R株を使ってるんですよ。これがとってもうまい。

つまりつまり、Ⅱ-R株が突然変異したり、莢膜かっさらってったりしたら、その遺伝情報というか免疫染色は「Ⅱ型」用のものに反応するはずなんです。

ところが先程述べたうちの4つめの実験で現れたいないはずのS型菌は、Ⅲ型用に反応するんですよ。

ということは、Ⅱ-RがⅢ-Sに、完全に「形質転換」したってことでしょう?

という。グリフィスすごい。実験の立て方半端ない。

 

さて、その実験に目をつけたのがOswald Theodore Averyです。

アベリーは、「この形質転換というのはおそらく、細菌たちが遺伝物質をやりとりしたことが原因で生じているのだろう…つまり形質転換物質を突き止めれば遺伝情報が何にあるかは分かる」と考えました。

ちなみにこの時代は遺伝情報が染色体に存在することはもう推定されていて、染色体がタンパク質とDNAからなることから、そのどちらかだろうって言われてました。

前回の記事でも述べたように、「DNAは単純すぎる」ということで、タンパク質説が有力だった。

アベリーはそんな中で本当の遺伝情報はどっちに載ってるのかを証明しようとしたわけです。

さぁ、どうしようか、ということで、彼らが目をつけたのが「肺炎双球菌はコロニーで型が区別できる」ということと、「分解酵素」…

つまりR型菌コロニーに、S型菌加熱殺菌物を「いろんな分解酵素で処理して」与えて、もし形質転換が起こらない(コロニーに変化がない)場合は形質転換物質が分解されていると考えれるじゃないか!と。

ということで1943年、

  • タンパク質分解酵素で処理したS型菌抽出物は形質転換を起こさせる
  • DNA分解酵素で処理したS型菌抽出物は形質転換を起こさせない

という実験と結果から、

アベリーは「形質転換を起こす物質はDNAである」と結論づけます。

タンパク質が遺伝情報の媒体だと思われていた時代にとって、アベリーの考えたことは非常に先進的でした。

 

このアベリーの発見が1952年に行われるAlfred HersheyとMartha Chaseによる実験につながります。

彼らはT2ファージを用いた実験でDNAは遺伝情報を担う物質であることを証明するのです。

私はこのハーシーとチェイスの実験に対し常々しびれるところがあって、これはなにかっていうと「生物」の実験に「無生物」を使うアイデアですよ。凄くないですか?

そもそもウイルスはさまざまな科学者にその実態を誤解されながら、1898年にベイエリンクが「生命を持った感染性液体」だと、ウイルスというものがいるんだと言い張って、それをスタンリーが違う、ウイルスは粒子だと言って、なんてですね…めっちゃこれもアツい話があるんですが…とにもかくにもそもそもウイルス自体がこの時代にとって非常に先進的で、しかもそれを生物学に使おうっていう潮流自体がすごいんですよ。

1940年代にファージ・グループというバクテリオファージ生物学に使おうぜという先進的団体が結成されて、ここに!ハーシーが!いるんですよ!!

ウイルス凄いしウイルス使おうとした人々も凄いけど語りきれねぇ…また今度…

はい、話は戻ってハーシーとチェイスの実験。

そもそもT2ファージくんは大腸菌に寄生し、内部で増殖すると細菌を壊して外に出てくる子です。ウイルスは自分で増えることはできません。

ファージはほぼ核酸とタンパク質のみからできているので、感染したときには自分の核酸とタンパク質をその細胞の仕組みを横領して作らせているんですね。

で、ちょっと考えてみてください。この時代遺伝情報は「タンパク質かDNAかどっち」って時代でしょ?ほら、ウイルスはこの2つでしかできてない!!!!!!!

ウイルスが感染した時自分を細胞に作らせられるってことは、すなわち細胞内に自分の遺伝情報を入れているだろう、と…だから感染時DNAとタンパク質どっちを入れてるかを見てやろう、というのがこの実験なんですね。

 

このアイデア相当すげぇなと思うんですが、そもそも実験のヒントが実は友人アンダーソンから与えられてたらしいんですよね。

アンダーソンは電顕の人なんですけど、その写真によるとT2ファージにはDNAを入れるタンパク質の頭殻があって、細い足がついてて、その足表面が細菌についてる、みたいな。

頭からっぽになったファージもいる、みたいな…

だから発想したらしい。え、この時期もうT2ファージ見えたの?という驚きもある。だってDNAの構造すら分かってない時代だよ?

 

さて、ハーシーとチェイスはこれを実行するために、放射性同位体を使います。

DNAとタンパク質の組成元素を比べると、

DNA    … C, H, O, N, P

タンパク質 … C, H, O, N, S

というふうになっているので、DNAはリン、タンパク質は硫黄を目印に相手から区別して探すことができます。 

ですから、例えばまずリンをP32で標識しよう、となった場合には、

  1. P32を用いた培地を作って大腸菌を育てる
  2. 育てた大腸菌にファージを感染させる

というステップを踏むことでP32で構成されたファージを作ることができます。

このようにしてラベルされたファージを通常の大腸菌に感染させて、しばらくしてからミキサーで撹拌してファージ表面についているものを振り落とした後、遠心で大腸菌だけを沈める。

その沈んだ大腸菌区画からP32の標識が見いだされれば、DNAが大腸菌内に入ってるぞとなるし、逆に見いだされなければ入ってないぞということになる。

S35も同様です。

この実験、「ミキサー」が出てきて最初聞いた時は一体どんな専門的な道具なんだろうと思ったんですが、これまんま料理に使うミキサー。実際この手順でファージの殻を外してるんですが、最初うまくいかずに困ってたところに、同僚のマーガレット・マクドナルドっていう人が助言して、ミキサーを使ってみたらうまくいったんだとか。

ミキサー、今は記念に研究所の宝物になってるらしい。ほんまか…

とにかくこういう実験をして、出た結果が

  • P32を標識すると沈殿に出る
  • S35を標識すると沈殿にほとんど出ない

ってことでこれはDNAを中に入れてるなってことになり、「遺伝子の本体はDNAである」ということが直接的に証明されたんですね。

私の中では生物学で出てくる実験の中で大好きな実験5本の指に入る。すげぇ。

 

 

✿1950年代 時代の急加速

さぁDNAが遺伝情報持ってるぞ!って分かって突入した1950年代。

この年代では、3つの研究グループが「DNAの構造決定」を目標として掲げ並行して実験を行っていました。

1つはMaurice Wilkinsの在籍するキングス・カレッジ、

2つめはLinus Pauling率いるカリフォルニア工科大学のグループ、

そして最後Francis CrickとJames Watsonのケンブリッジグループです。

DNAの構造決定はまさに競争の状態だったのです。

 

1950年には、Erwin Chargaffによってシャルガフの法則―DNAに含まれる塩基割合ではA:T=1:1, G:C=1:1が成り立つ、というもの-が提唱され、

これを満たすDNAの構造が探求されました。

キングス・カレッジはDNAの詳細なX線回折画像の取得に励み、

ポーリングのグループはX線回折パターンから多くのタンパク質中にα-ヘリックス構造が含まれていることを発見したりDNAの構造モデルをいち早く打ち立てるなどしました(ただしこのモデルは三重鎖モデルであり、間違いでした)。

一方ワトソンとクリックは自分の手で実験はせず、データと数値からのモデル化に励みました。

ここで、Rosalind Franklinの撮影したX線回折画像を手に入れ、その画像で鮮明に示唆されているらせん構造の情報から二重らせん構造モデルを彼らは打ち立てました。

1953年のことです。

この二重らせんにまつわるロザリンドの話とかウィルキンスの話とかもちゃんと書くべきなんだろうけど、正直どのサイト行っても文献行っても書いてあるから読んでみて貰えばいいと思う(書くのがつらくなってきた。さっきまで暴走しすぎたせいだ…)。

私がここに関して思うのはワトソン嫌いだなってことだけです。私ワトソン嫌い。おわり。

 

同年である1953年、全くこれら発見とは独立に、Paul Zamecnickはラット肝臓細胞の抽出物(無細胞抽出系という)を使ってタンパク質合成に関する研究を行っていました。

彼はタンパク質の構成を追跡するため放射性標識アミノ酸を無細胞抽出系に与え、反応物を遠心分離して沈殿物を調べました。

彼は、合成に使われていないアミノ酸は軽いため上清に、逆に合成に用いられてポリペプチドとなったアミノ酸は重いので沈殿すると考えたのです。

その沈殿物には確かに合成されたポリペプチド-標識をもつアミノ酸を含むポリペプチド-が存在したのですが、一緒に混ざってリボソームが見つかってきました。

その知見から、リボソームが細胞合成の場になることが推定され、

同時にリボソームを構成するrRNAはタンパク質合成に何らかの役割を果たすということが推測されました。

rRNAのことをタンパク質が合成される鋳型だと考える仮説も出ましたが、

rRNAはさまざまなポリペプチドの長さがあるのに比較してほぼ均質であるため、鋳型としての条件を満たすのかは疑問視されていました。

 

1955年にはザメニックは更に、Mary Stephensenとともに新たな発見をします。

それは、アミノ酸が最初に可溶性の低分子RNAに結合し、その後それらアミノ酸リボソーム内のタンパク質に転移していくという発見です。

これはまさにtRNAの発見でした。

 

 

よっしゃーtRNAまできたら次は何が出るかってmRNAとGenetic Code問題ですよね…RNA Tie Clubの話とか混ぜながら次回はやっていきたい。

とりあえず今日はここまで。(思ったより長くなったな…)

 

 

続き↓

i-my-mine.hatenablog.com

 

まいばいお10 DNA to Protein①

Researchat.fmを相変わらず空き時間に大事に大事に聞いているわけですが

今回はシドニー・ブレナー回を聞いて自分の血が滾るのを感じ…笑

ニーレンバーグ周りの話とかクリックの凄さを伝えきれないなとかそういう思いが溢れんばかりになって「よっしゃまとめてみるか」というノリで謎の熱量で記事を書きました。そしたらすんごい量になりました。

何回かに分けて更新していこうかなと思います。

 

 

 

✿今や当たり前のDNA, RNA周りの話ができるまで…

今の時代、小中学生でも当たり前に「DNA」という言葉を知り、高校一年生ではDNAからタンパク質ができるまでの過程を当たり前に学ぶ時代です。

しかし、何事も最初から分かっていたことなどなく、全て一から明かされてきたこと…

ことDNAに関しては、その発見は過去100年程度で積み重ねられた実験の結果分かってきたことばかりです。

DNAやRNAについての話が作られていく過程では、さまざまなドラマがあり、多くの才能ある人物のエレガントな実験や推測がありました。

ぜひその時代を、疾走感を、一度一緒に追ってみましょう。

 

✿1869年 すべてのはじまり

全てのスタートを切った核酸の発見は1869年、Friedrich Miescherによって行われました。

彼は医学部の生徒でしたが、聴力の障害があったため、患者とのやり取りが不要な医学研究の道に進みます。

彼が進んだ研究室は細胞を構成する分子の単離を行っており、ミーシャは白血球細胞の組成担当でした。

ちなみに当時は、細胞はタンパクと脂肪でできていて、遺伝はタンパク質により行われると考えられていた時代です。

ミーシャもまた、それを信じ、白血球のタンパク質の分別を試みていました。

白血球を沢山集めるために、新鮮な白血球細胞とその死骸からなる膿を集めようと、近くの病院から包帯を集めていたことも有名です。

さて、ある日ミーシャ―が白血球の抽出液へ酸を加えたところ、沈殿が生じることに気づきました。

この沈殿物は、アルカリにもどすと再び溶解し、更に薄い酢酸や塩酸水に溶けないことから、タンパク質ではない、と考えられました。

ミーシャはこれが核から出てきたものである、ということを観察から突き止めます。今まで核についての情報がまったくなかった時代に、この発見は革命的でした。

ミーシャはこの物質に「nuclein」と名前をつけました。これが初めて人類がDNA, RNAからなる核酸を発見した瞬間です。

この物質は、水素、酸素、窒素そしてリンからなり、リンと窒素の間には決まった比率があることを彼は突き止め、

更に他の細胞からでも同様の物質が単離できることを明らかにしました。

 

1930年代初期、DNAとRNAの違いはまだ判明しておらず、単離される由来の素材からRNAは「酵母核酸」、DNAは「胸腺核酸」と呼ばれていました。

コッセルにより核酸がアデニン、チミン、グアニン、シトシンと糖を含むこと、そしてアスコーリによって酵母核酸にはウラシルも含まれることは明らかになっていました。

そこで現れたのがPhoebus Leveneという人物。

彼は有機化学が専門の人物ですが、1919年、化学的な実験により核酸には二種の糖を使う別物質が混ざっていることを明らかにします。

そこで初めてデオキシリボースを使う「DNA」、リボースを使う「RNA」という分類がなされました。

加えてレヴィンはDNAはリン酸・糖・塩基がこの順で結合したもので構成されていると言い、この構成単位を「nucleotide」と名付けました。

彼はヌクレオチドがリン酸を介して結合していることも明らかにしました。

しかし、レヴィンは正しいことばかり証明したのではなく、「テトラヌクレオチド仮説」という誤った仮説も発表します。

彼の提唱しているヌクレオチドはA, T, G, C4つの塩基がついていて、これが繰り返し繋がってDNAを作ると考えていたのです。(テトラヌクレオチドの図はこちら

彼は、DNAは化学的にシンプルすぎるから遺伝情報をコードする物質なわけがないだろうという風にも考えていました。

彼は結核を患うなどのハンデを背負いつつも、DNAに関し700以上もの論文を書きました。

 

DNAとRNAの化学的性質が一層探求されたのもこの時代です。

例えばRNAは高いpHですぐ壊れるけどDNAは安定だとか、RNAはチミンの代わりにウラシルを含んでいるとか…

加えて1933年にはウニ卵において、DNAは核の中にあるけれどRNAは細胞質にあることなどが明らかにされ、この段階まできてやっとRNAもDNAも動物細胞内にあることが分かりました(それまではRNA酵母核酸)は植物のみ、DNAは動物のみにあると考えられていました)。

RNAは細胞pHを安定化させるためのバッファーとして働くのだろうと推測されました。

 

 

取り敢えず一旦今回はここまで・・・

 

続き↓

 

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Researchatが面白い

最近Podcastを聞き始めました。

その中でも特に面白いな~と思って聞いてるおすすめが「Researchat」。

 

researchat.fm

これは日本語のやつで、異なる専門分野の研究に携わる3人が色んなことをテーマに取り上げながら話すやつです。 

 

この前のNeuralinkの話は凄く面白かったですね…(大長編だったけど)

自分じゃ絶対追えないなってところまで追ってくれたので非常に良かったです。いや~こういう情報源って大事ね…

あとWikipeDNA回では、DNAを情報媒体として使う計画の話が出ていてそれは個人的にめちゃくちゃ好きでした。

そもそも自分はDNAを情報媒体にしようの話とかWikipediaの全部ぶち込んだとかというのは別に興味はないんですが(だって「やるだけ」って感じするし編集し辛い記憶媒体だし…?)

まぁでも塩基対一つで2ビット、ヒトゲノム約30億個の塩基対は60億ビットすなわち÷8して750MB…私たちの各細胞の核、あんな小さなものに2セットのゲノム(=1.5GB)入ってると思うと確かにDNAはすごいと思う。

なんなら1gのDNAで10億TBデータが保存できるらしい。本当かいな…

確かに一分子ずつは小さい、果てしなく小さいのでグラム的には嵩まないのだろうけど、長さはそこそこ稼いでいくので、例えばヒトゲノム750MBで約1mになるわけで。なんだか絡まりそうな気がするけどなぁ…とかとか妄想してみたり…

まぁそれでもゴリ押しで16GB分作るのは凄いよね。どんなアルゴリズムで情報変換して取り出せるのか気になるところ。あと書き込みにかかる時間も。

 で、Researchatではこれに関して、「このDNAを乳酸菌に持たせてそれでヨーグルト作らせて、『このヨーグルトにはWikipedia全データ分の情報が入っています!!』とか文言つけたら売れるんじゃない?」という話をしていて、そこに大ウケしました。なるほどねー!

東大入試問題過去問全部+解答解説をDNAに書き込んで大腸菌にして大腸に住まわせば、「俺の大腸には東大の叡智全てが入っている」とか言えちゃう…笑

勿論全く無意味で人間の身体でその情報を取り出せる訳はないんだけど、でも多分バカ売れするよね、という意見に大いに賛同。多分売れる。なんなら食べてみたい。

いや~研究者の発想って面白いな~と思いながら聞かせて貰いました。

漫画の話とか研究と関係ないことも時々出てくるけど、それはそれで面白く、知見を広げる良い媒体になっているなぁと思います。

ぜひ今後も続けて欲しい…!!!

 

 

あとはBBC Inside Science。

www.bbc.co.uk

英語なので、(しかもぺらっぺらなので)

聞き取れねぇ…って辛い気持ちになることもあるけど

聞き取れるととっても面白い。聞き取りたい。聞き取ってくれまじで私。

ぼーっとしてるとなんにもわかんないもんね…

でもこちらも大体一プログラムで3つのトピックを扱って、

それに関して専門家などを呼んで意見を聞いてくれるとってもよい番組。

 

どちらもおすすめです!